【本】ヒーローインタビュー
彼について語る者は多くない。彼は日本プロ野球界に野手として在籍していたが一度としてタイトルを手にしたことはなく、ヒーローインタビューのお立ち台に上ったこともない。間違っても伝記が書かれるような男ではない。だから彼のことはあまり語られない。だが彼について語るところのある者にとって、彼はまぎれもなく英雄(ヒーロー)だった。
登場人物数人の語りで話が進んでいく。半分読んでもオチが見えないと夫に言うと、オチがわかったら面白くないでしょって。確かに!ラストが近付き、何年も彼の、そして彼の周りの人々の成長を見守ってきた気分になって涙が。そしてラストは意外な展開に!