【本】わたし、定時で帰ります。
東山結衣は毎日定時で退社し行きつけの中国料理店上海飯店でハッピーアワーのビールを飲む生活を送っている。ある日、上司でありかつての婚約者である種田晃太郎から新しく開始するプロジェクトのチーフとなることを要請される。このプロジェクトは、最近入社したマネージャーの福永が、社内の規定に反して安価に引き受けてきたものであった。種田は以前勤務していた福永の会社から逃げるようにして現在の会社に転職してきたのだが、福永は自分の会社を売却し専務の紹介で入社してきたのである。福永は種田たちの労働を強化し外注先への支払いをカットすることでプロジェクトを黒字にしようとする。このプロジェクトの発注先で新しく担当者となった武田は次の契約の条件として社長時代から無理な受注を続けて関係者にそのつけを転嫁してきた福永をプロジェクトから外すことを要求する。東山たちは福永をプロジェクトから外すための行動を開始する。
残業しない宣言をして入社した結衣だったが、破格の見積もりで契約を取ってくる上司のせいで人件費をかけられずメンバー全員で残業に追われる。残業制限がかかればみなこそこそ持ち帰り仕事でサービス残業。挙げ句に倒れた結衣が婚約者の元に帰ると待っていたのはー。
会社のため、会社のため、会社のため…。仕事に取り憑かれて壊れていく人々を描いた物語。入社したての頃、終電近くの電車に足取り重く乗っていたのを懐かしく思い出した。
第三段、「わたし、定時で帰ります。ライジング」はこちら
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