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【Feature PEOPLE】角田莉沙 Vol.1

Feature PEOPLE第2弾!
前記事で登場した飯森沙百合さんと同時期に韓国で滞在していた、角田莉沙さんへのインタビューです。角田さんからは、韓国はどのように見えていたのでしょうか!?

聞き手:山田うん

”meeting every artists in the world”

NEADY Film “ARTISPACE”よりインタビュー映像


どのようなプロジェクト、カンパニーに参加していたのですか?

振付家・演出家のキム・モドゥンさん主宰のMODEUN COMPANY公演『모내기』に参加しました。これは29歳以下の振付家4人が作品を発表するショーケースのような企画です。その中で、ダンサー・振付家のユン・ヒソプさんが設立したプロジェクトチームArtwork Social Clubの作品『동물원(動物園)』に出演しました。現代社会を1つの巨大な動物園と比喩し、その中で私たちはどのような観点で現在を眺めているかを問うテーマの作品でした。異国の地で現代社会をテーマにした作品に参加する事は私自身も様々な事をリサーチして知っていく必要があり、難しくもとても勉強になった時間でした。
ヒソプさんとはもう何年も知り合いだったのですが、2022年のスパイラルホールでの『In C』を観に来てくれた事がきっかけとなり、声を掛けて頂いて今回参加に至りました。
ヒソプさんはお姉さんが日本在住ということもあって、日本と韓国でもっと何か活動できないか模索していました。その中で恐れ多くも私の韓国語でのコミュニケーション能力を評価して下さり、是非一緒に活動出来たらと仰って下さいました。
また、私の個人的な活動テーマの1つである”日韓の架け橋になる”という事がヒソプさんのやりたい事とマッチしていると感じ、それも参加を決めた理由の1つです。
私以外はみんな韓国人ダンサーで、急に日本から参加するダンサーがいるという事で戸惑ったところもあったかと思うのですが、とても優しく接してくれてすごく充実した時間を過ごす事が出来ました。

前回のインタビューで飯森沙百合さんを取り上げたばかりですが、なんと同じ時期にでしたよね!2人はソウルでも会ったりしてたんですか?

はい!4月2日~5月19日までプロジェクト参加の為韓国に滞在していました。飯森さん(以下おこめさん)とはちょうど滞在期間もかぶっており、滞在先も近かったため定期的にお会いする事が出来ました。おこめさんから「今近くにいるんだけど会える?!」と急に来る連絡が嬉しかったですし、事前に予定を決めずにその日その場で会うのを決める事が韓国だなぁという感じがして好きでした(笑)
私にとっておこめさんは先輩で、日本にいる時はお茶に誘う事がなかなか出来なかったのですが、韓国にいる間は同じ”日本人ダンサー”としてフラットに励まし合う事が出来た気がしてとても嬉しく、忘れられない思い出の1つになりました。これまで何度も行った事がある国でもやはり長期滞在となると日本語で話せない事のストレスがあったように感じていて、こうして日本語で会話出来た事がとてもありがたかったです。

韓国と日本のダンサーにはどんな共通点と違いを発見しましたか?

正直滞在中は共通点よりも日本との様々な違いに驚く事の方が多かったです。
まず稽古時間は韓国では基本的にどの団体でも2~3時間、多くて4時間という事でした。それ以上の時間やるとなったらすごいクレームが来たりボイコットするだろうとの事でした(笑)
それから日本のように固定のメンバーで活動していくカンパニーというものが殆どなく、毎回プロジェクトによって集められたダンサーで活動していきます。その為オーディションの数がとても多く、挑戦出来る機会が多いというのはとても良い事だなと思いました。
反面1つのプロジェクトをこなしつつも常に次の仕事を探さなければならないというプレッシャーもあるようにも感じました。
また、報酬がどのくらい貰えるのかという事もすごく重要に考えているようで、常にダンサー同士でどこのプロジェクトチームの待遇が良いかという情報を共有していました。
日本よりも”生活のために踊る”というい認識が強く、考えさせられる事も多かったです。いくつものプロジェクトを掛け持ちしている人が殆どなので、そういう事もあって稽古時間が短いのかなぁという事も思いました。

これぞ韓国!韓国に行かないと味わえない!日本にない!っていうことって何ですか?

人の飾らない温かさみたいなものではないでしょうか…!今でこそ最新の流行りは韓国から発信される事が多いですが、韓国の街並みはおばちゃんおじちゃんがたちがやっている屋台や八百屋が多く、生活する上で人とのコミュニケーションを避けられない感じがあります。また、日本人と言うととても歓迎してくれて自分の知っている日本の知識や日本語を披露してくれる事も多々あります。

道を聞いても親切に教えてくれるし、重い荷物を持ってる時にはスッと無言で一緒に持って手伝ってくれたりする。そういう人と人が関わる事が生活の身近にある感じがとても良いなと思います。



ダンサー 角田莉沙

東京都出身。
3歳からクラシックバレエを始め、16歳からジャズダンスを始める。
日本女子体育大学舞踊学専攻卒業後、コンテンポラリーダンスを中心に活動を始める。2016 年から株式会社プランチャイムに所属し、アーティストのバックダンサーやミュージカルに出演する。
2018 年 Nirvana Yoga School にて RYT200 取得。大学在学中に韓国のコンテンポラリーダンスに魅了され、大学院への留学を志した事をきっかけに韓国語の勉強を始める。また、同時期に韓国のダンススタジオで定期的にレッスンを受ける。この経験を活かし、韓国大手企業の日本支社で通訳として勤務し、韓国語で会話可能。

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