"Product Sense(プロダクトセンス)"とは何か?・磨く方法
どうも、ぶんたです。(@bunbuno0)
音声プラットフォームのプロダクトVoicyのPMをしています。
海外のプロダクトマネージャーの記事でよく"Product Sense"という言葉が出てきます。
この記事ではバズワードとさえ言っています。
また、1,000人のPMを対象に行った"最も不可欠なPMのスキルは?"の中でも、コミュニケーション能力、実行力に次いでプロダクトセンスが入ってくるほど、意識されているものです。
この"Product Sence"に関して、いろいろ調べてみると、いろんな記事で言語化され、PMにとって大事な能力であるなと思ったので、
自分の整理も含めて「一体プロダクトセンスとは何か?どうやって磨くのか?」をまとめてみました。
プロダクトセンスとは?
まず、プロダクトセンスとは何か?
「What is Product Sense」とググるだけでも結構な数の記事が出てきます。
GAFAのような企業での面接の項目にもこのプロダクトセンスを確かめるための項目があったりもするようです。
例えば、以下の記事にはこのように書かれています。
プロダクトのニーズを理解し、優れたものにしていくための力ということですが、もう少し具体的に言うと何なんでしょうか。
プロダクトセンスに関しては、様々な人が様々な意見を話しており、厳密にこれという定義は無いように思えましたが、一番しっくり来たのが以下です。
ある種、"正解に限りなく近いものへ辿り着くための手段のストック"がプロダクトセンスという言葉になるような感じがしました。
また、"自分では取り扱えない問題に対して、誰に助けを求めれば良いのか分かる"ということも含めて、自身の経験から理解できるということもセンスの一つです。
これらをまとめて「プロダクトセンスとは何か?」に対する答えとしては、様々な経験や学習を通して得られた情報によって、直感レベルで製品のニーズを理解できる力
と言えそうです。
また、具体的に言うと以下のような形です。
こういった着眼点というものが、そもそもプロダクトセンスがある人は違うということなんですね。
だからこそ自分以外のプロダクトを見ても成功している理由がわかったり、それを輸入したりできる。
だからこそ、GAFAのような企業の面接でも確かめたいほどの、汎用性が高い能力なんだと思います。
プロダクトセンスとは何か?に関しては、様々な見解があり、以下記事にトップPMたちの考えも書かれていて参考になるので、是非読んでみてご自身でも考えてみてください。
余談ですが、プロダクトセンスという言葉を一言で言うのに良い言葉を探していたら、こちらのMannoさんの記事の「センスとは無意識にまで落ちたロジックである」という言葉にしっくり来ました。
センスとか直感とか言われる言葉は、自分の積み重ねてきた経験や知識が無意識レベルでロジックに落とされている状態なのかもしれませんね。
ではそのプロダクトセンスというのは、どうやって磨いていったらいいの?ということを書いていきたいと思います。
プロダクトセンスを磨く方法
様々な記事を引用しつつ、プロダクトセンスを磨く方法をここではご紹介したいと思います。
まず、Stripe・Twitter・Google・Yahoo!などの企業でPMとして活躍されたShreyas Doshi氏の記事によると、プロダクトセンスは共感・ドメイン知識・創造性の3つに分解されます。
以下、とてもわかりやすい分け方だと思ったので、そのまま自動翻訳したものを引用しました。
これらのストックを無意識レベルで自分に溜め込んでおくことがプロダクトセンスを持つということになることだと思いました。
ではこれらをどうやって磨くのか?については以下、様々な記事を見ながら取り上げられいる方法をまとめてみました。
何だか当たり前のようなことを書くような気もしますが、意外と盲点もあったりすると思います。是非ご参考ください。
ー共感ー
さまざまなタイプのユーザーやパートナーと話す
特に彼らがなぜそのようなことを言っているのかを評価する。
ユーザーがなぜ特定の方法で感じたり反応したりするのかを理解することで、それを確実に予測できるようになる。
心理学を深く理解する
行動経済学を含む認知バイアスのようなものについてできる限り多くの本を読む。
一般的な心理学の文献も、あらゆる状況に対するユーザーの原型を構築し、そのようなそれぞれの原型に共感できるという点で非常に役立つ。
他社プロダクトがどのような価値を提供し成功しているのかを考察する
例えば次のような問いをしてみる。
Facebook(何でもいい)をいつ、なぜ、どのように使用しますか? それが提供する経験から何が得られますか?その他、TwitterやInstagram、Youtubeなど定期的に使用している製品からどのような価値を得ていますか?
彼らのようなサービスがどのようにして始まり、どのようにして注目を集めたのかを掘り下げてみる。それに関するブログ投稿、記事、ストーリーなどを読み、書き留め、体系的に理解する。
ードメイン知識ー
テクノロジー、社会、および規制の新たなトレンドについて学ぶことに時間を費やす。
マクロ レベルでは重要なプラットフォームの変化 (web3、AR/VR、AI など)、社会の変化 (リモート ワークへの移行など)、規制の変更 (新しいプライバシー保護法など) を追跡する。
GAFAなど主要なテクノロジー企業による年次開発者会議を見て、彼らが有望だと考えている分野を理解する。
業界アナリストの解説をウォッチする。
Twitter でテクノロジーの創業者や投資家をフォローし、彼らが強気なトレンドに注目する。
トップ VC が投資している企業に注意を払い、それらの企業をフォローする。
ミクロレベルでは、エンジニアリングの情報や新しいAPI・プラットフォームの機能などのトピックについて掘り下げる。
例えばFigmaのような高品質なブラウザベースのアプリケーションはWebGLのパフォーマンスが十分に向上して初めて可能となった。
ー創造性ー
同じドメインの成功している他社プロダクトの考察
例えばアプリのPMであれば、人気のアプリの詳細を注意深く調べる。なぜこのボタンがこの場所に配置されたのか、なぜこのアニメーションがそのように行われたのかなど、自分に質問し回答する。
優れたプロダクトの考えの持ち主から学ぶ
そのような人がいる会社に入る。いない場合は、自分の気に入っているプロダクトを提供している会社を検討してみる。
その中のレビューやフィードバックを保存し、どのような意思決定をし、どういうものをトレードオフとして選択しているかの原則を理解する。
そういったものが無い場合は、外部メンターを探すか優れたPMのインタビュー記事などを読んで学ぶ。
この創造性に関しては、Shreyas Doshi氏も「プロダクトセンスの最もとらえどころのない、しかしそれでも重要な側面であり、違った考え方ができ、特定の状況や問題に対処する方法について新しいアイデアを思いつくことができる」と書いてある通り、多面的に考えることによって創造することができるということだと理解しました。
つまり、上記の「共感」「ドメイン知識」を磨く方法や実践を積み重ねることで多面的に考えられるようになることが、創造性にとっても重要なのでしょう。
また上述のように創造性を持った持ち主(or企業や仕組み)のアウトプットのやり方を自分にインストールすることによって、創造性を学ぶことができるのだという理解をしました。
また特に個人的には、「共感」パートの、”あなたとはまったく似ていない複数の異なるタイプのペルソナの精神プロセスをシミュレートする能力”という言葉はよく言い得ているなあと思いました。
こういったものをどれだけ解像度高くストックしておけるかが、まさにセンスだなと。
是非、実践してみてください!
以下、引用・参考にした記事です。
さいごに
思えば過去に「プロダクトマネージャーが意識したい8つのスキル」という記事を書きましたが、具体的にどうやってスキルを伸ばすのかは書ききれていませんでした。
このスキルの実践的な伸ばし方が、上述したようなプロダクトセンスを磨く方法なのだろうと思いました。
お時間よろしければ以下もお読みください。
こういった磨く方法は、個人でも、自分自身のチームでもワークなどでやってみたりしているのですが、
一朝一夕で磨かれることはなく、反復した経験・学習が必要になります。
今回は海外PMのいろんな記事をあさりながら、プロダクトセンスを磨く方法をまとめてみましたが、
会社でこんな感じやってるよ!とか、個人ではこんな感じでやれば磨けるよね!みたいなことあれば是非コメントください!
最後までお読みいただきありがとうございました。