プロダクトマネージャーとは何をする人か。必要な能力とは?誰にでも分かりやすく街づくりに例えてみた
どうも、プロダクトマネージャーのぶんたです。
プロダクトマネージャー(以下PM)をやりだして(名乗りだして)からは大体5-6年くらい経ちます。
この記事はタイトルの通りなんですが、是非以下のような人に読んでもらいたいなと思います。
・身近にPMがいて何してるの?って思ってる人
・自分がPMでこういう職業なんだよって誰かに簡単に説明したい人
・PMに興味がある人
ここ近年、webの発展でITプロダクトがどんどんビジネスの主流になり、「やっぱソフトウェアサービスのプロダクトに責任を持つポジションを置くことって重要だよね」ということから、海外では結構前からあるポジションなものの、日本では割と最近になって注目されている職種です。
これは日本のITサービス系の開発が、内製ではなく受託開発が主だったから、プロジェクト単位の開発になり、プロジェクトマネージャーは存在するがプロダクトマネージャーが育たなかったと言われてるとかいないとか
(たぶんwebプロデューサーとかプランナーとかいう人たちがその役割に近い部分を担ってたんだと思います。)
名前の通りプロダクトの責任者であって、(泥臭くて、しんどいことは多くて多くて多いけど)とっても素敵で面白い職種なんだよというのを伝えたく、PMというのは何をやってる人なのか、どんなことが面白いのかということを伝える記事を書いてみようと思いました。
意外といわゆるIT系の人たちにもPM職種ってあまり一般的でなく言っても伝わらないことがあったりしますので、「PMは結局何してるの?」と思ってる人は是非読んでみてもらえたらなあと思います。
要はPMはものづくりにおいて何とかする人
結局先程言ったように、PMは言葉そのままで「何かのプロダクトをマネジメントする人」なんですよね。
最近はじめて知ったんですが、マネジメントのmanageっていう言葉には「管理する」とかいう意味以外に「なんとか成し遂げる」とか「どうにかしてする」という意味があるらしいです。
「なんとか成し遂げる」とか「どうにかしてする」。これぞまさにプロダクトマネージャーの仕事で、プロダクト(製品)に対してマネージャー(何とか成し遂げる人)なんですよね。
(余談ですが、マネージャーて役職は世の中にごまんとありますが、管理する人ではなく、何とか成し遂げる人だと考えると背筋が伸びる思いがしますね...。)
PMは「ミニCEO」だとか「プロダクトの成功に対して責任を持つ人」だとか言われたりしますが、全てをまとめると「あらゆる手段を使って何とか成し遂げる人」という言葉に尽きそうな気がします。
もう少し詳しく言うとすると、全てのプロダクトにはユーザーに対して何らかの価値を提供していると思うのですが、その価値を何とかして最大化し、プロダクトを成功へ導く人といえるでしょう。
だからそのための手段なんて、担当する製品や環境などによってバラバラで、めちゃくちゃ広い領域の中でその製品にあった戦略を考えて実行するということが大事なんですよね。
街づくりに例えてPMがやってる内容を説明してみる
とはいえ「PMは製品を何とか成し遂げる人です」とか言われても意味不明だと思うので、一旦街づくりに例えて具体的にどういうことをやっているのかということを説明してみよう!という無謀な試みをしてみようと思います。
例えばYoutube・Facebook・Amazonのようなプラットフォームをイメージすると分かりやすいと思いますが、結構街っぽくないですか?
コンテンツを作って公開したり、モノを売ったり、広告があったり、コミュニケーションをしたり。それに人が集まっていく。このnoteもそうですよね。
まずはハッキリ言っておくのが、PMは自分一人では何もできません。
それは街づくりにおいても、建築出来る人、デザイン出来る人、インフラを整備する人などと一緒に協力しないと、街が作れないのと同じだと思います。
例えば小さな村を作るのであれば、一人でも大工さんを外注するなりすれば、ある程度の規模は作れると思います。
ただ、その村が発展していき、より「もっとこういう街に発展させたいんだ」とか「住民の生活を向上させたいんだ」などなってくるので、
街ほど大きな規模になってくれば、やはりPMのようなその街に対して責任を持ち、より良くしていくために引っ張っていく人物がとても重要になってくるのだと思います。
そして、ここから街づくりの例えですが、ある市長が令和シティという街を作ったとします。(唐突)
最初は市長と大工さんの二人三脚で街を作っていきましたが、住民が増え、街も活性化し、徐々に手に負えなくなってきました。
そこでPMの登場です。PMは街づくりプロジェクトの責任者みたいな立て付けなんですね。
その他に街づくりプロジェクトに必要なメンバーとして以下のような人たちがいるとします。
この令和シティのPMの役割はかなり広いです。例えば、、
・市長と街のあるべき姿を議論し、定義し、形にしていく
→令和時代にふさわしい最先端の都市を作ろうって想いだったよね、公園もセグウェイが走るようなものを作りましょう。住民も喜ぶよ。セグウェイ業者を当たりつつふさわしい公園のイメージを作ってみるね。とか
・あるべき街の姿に必要な施設などの建設計画を立てる
→病院、公園、商業施設などどれくらい、いつ、どんなものが必要か
・公園のイメージをデザイナーと議論。令和シティにふさわしいデザインを一緒に作る
・大工さんと商業施設の素材は何にするか、どれくらいの期間で何人で行うかなどを話し合って決める
・交通事故を減らすために道路網の整備計画を立てる
・老朽化したインフラ(電力・水道・ガス)の変更計画を立てる
・住民に住まいの状況や満足・不満などをヒアリングやアンケートをする
・住民に対してどのくらいの税金を徴収するのかを市長や経理と話して決める
・住民誘致のために宣伝看板を立てたり、ビラ配りしたり、他の都市と提携したりする
→アンケート結果から令和シティに住みたい若者をターゲットに駅前に看板を立てよう!
・営業が誘致した企業をどこに置くのか、どこに置けば街全体が良くなるのかを考えて配置する
などなど、まだまだやることはたくさんあります。これら全て街を良くするための活動なんですね。
つまり、様々な人とコミュニケーションを取りながら、あらゆる手段を使い令和シティのあるべき姿を定め、そのあるべき姿に向かって街が良くなるように何とかして成し遂げることをやっています。これがPMの仕事です。
良くするために何とかして成し遂げるというのは、
・大工さんが働きずらい時は、良い道具を用意したりチームワークを良くしたりする
・方針が間違っていたらすぐに軌道修正する。迷惑をかけたらかけた人に詫びる
・たとえ市長が言ったことでも、街のためにならないことはやらない
・住民の不満を受け止めて改善する。またはしないを判断する
みたいなことも含めて街を良くするために動きます。
そのためには街のことを隅々まで把握しておかないといけないですし、建築・デザイン・企業の営業活動・税金の仕組みのことを知っておく必要もあります。
住民が何に困ってるか、どうなったらハッピーになるのかなど、気持ちを理解する能力も必要です。
一つ一つのやってることは本当に地味です。
基本的には、誰かと話して考えて、意思決定して、形にするところはお願いすることになります。
先程書いたような泥臭いこともやっていかないといけないです。
ただその分、どういう街にしていくかを自分で考え、それを形にしていくことができますし、その街が発展していく様を間近で見ることもできます。
それだけで単純にめっちゃ楽しそうじゃないですか?
とても大変だけどエキサイティングな仕事だと思っています。
結局PMが一番大事なのは何とかする力
先程もあったように、PMが分かってないといけない領域はめっちゃ広いです。
以下はよくPMの能力において自分はどの部分が強みか弱みか?どれだけ領域をカバーできているか?を見れるような「プロダクトマネジメントトライアングル」という図です。
これはPMに限らず、自分の業界に適する言葉に置き換えればどの業界でも当てはまりそうな気がするので、是非参考にしてみてください。
これを見れば分かりますが、PMに求められる能力は全方位的です。
上記の街づくりの例で述べたように、PMは様々な分野において理解が必要ですし、さまざまな分野の人たちとコミュニケーションを取れる必要があります。
僕はPMは最強のゼネラリストであるべきだと思っていて、裏を返せば誰でもなれる職種だと思っています。
もちろんプロダクトによっては、PMも技術のプロフェッショナルであったほうが良い、デザインのプロフェッショナルであったほうが良いなどはあります。
ただその場合でも、何かに特化して秀でているよりも、上記のプロダクトマネジメントトライアングルにあるようなバランス感というか、全方位的な知識や経験はPMには求められると思います。そういう意味でゼネラリスト的な感覚は大事だと思っています。
そして様々な知識や経験も大事ですが、何度も言うように何よりも重要なのが「何とかする力」だと思っています。
めっちゃざっくりな言葉なんですが、プロダクトが成功するために(成功の定義もそれぞれ違うと思いますが)何とかすることがPMの役割。
これがないとどれだけ能力があってもPMは務まらないと思っていますし、よく言い表した言葉だと思います。
それでいうと、街づくりの例だと、街しか見てはいけないんですよね。
市長よりも住民一人一人よりも街全体を第一に考える。
街に対して責任を持っているから、いろいろあっても結局街を良くすることだけにフォーカスするんですね。
これを置き換えると、社長よりもユーザー一人一人よりも、まず第一にプロダクト全体を考える。
なのでプロダクト(製品)を良くするために、あらゆる手段を使って何とかすることが重要なんだと思うんです。
とはまあこんな偉そうなこと言いながらも、やってる中でプロダクトファーストで集中できず、意思決定が周りの意見に左右されることもあります笑。だって人間だもの。
でもそれくらい全てのプロダクトにおいて正解はどこにも落ちてないし、自分自身で強い意志を持ってその方向性を決めるということはとても責任を伴うし、難しいです。
ただ難しい反面、とても楽しいことでもあります。
まとめ
最後に、じゃあ具体的にPMが何をやっているか具体的にざっくりとまとめてみました。主にwebやアプリのプロダクト開発のPMがやっているようなことで、上記に述べた街づくりの例をイメージしながら見てもらえればと思います。
特に右側のWhy、Whatがプロダクトマネージャーが向き合う部分で、左側がプロジェクトマネージャーが向き合う部分といった形である程度分けられます。
例えば
・プロダクトに責任を持つプロダクトマネージャー
ーこのアプリにはユーザーが検索しやすくなる機能が必要だ。じゃあその検索機能はどういうものにするか。誰のどういう課題を解決するのか。そしてそれはなぜか。を考えて形にする。
・プロジェクトに責任を持つプロジェクトマネージャー
ーその検索機能をいつリリースして、どのように開発を進めるか。検索機能のプロジェクトを作られた形通りに、予定通りに進めて世の中に出す。
といった分け方が出来ます。
人数が少ない時は全て一人でやる場合もありますし、どういうメンバーがどの役割を担うかは、組織や体制や人数によって最適解はバラバラなので、これがベストというものはありません。
ただ僕は根本、プロダクトマネージャーでもプロジェクトマネージャーでも「何とかする力」が重要というのは変わらないと思ってます。プロダクトに対して責任を持つのか、プロジェクトに責任を持つのかの違いかと思います。
またPMも規模が大きくなると一人だけではなく、複数のPMを置く場合も出てきます。上記の役割もPM職だけではなく、他の職種に細分化されたりもします。
例えばメルカリのような大規模サービスかつになると、機能単位でPMがついていたりします。検索機能のPM、決済機能のPM、全体をまとめるPMなどなどです。グローバルの大きい企業も同じような感じみたいです。
最初は100人くらいの村は一人の責任者で作ってても、ものすごい発展して100万人くらいの街に発展すると、その中でも商店街の責任者(どういうう店舗があれば住民が喜ぶのか?)、インフラの責任者(災害時でも安定した電力を供給するには?)、公園の責任者(家族が安心して遊べる公園とは?)など、考えることややるべきことも多くなってくるので、分担していかないと見きれなくなるような感じでしょうか。
このように組織の規模や、やっている事業内容で、PMの求められる役割や人数や体制は全然違ってくると思うので、自社の最適解をいかに見つけ出せるかがポイントになるのかなあと思っています。
その中でも「何とかする力」を持つ人をいかに見出だせるか、引っ張ってこれるかなんだろうなあと。
ということで以上、PMのやってることや面白さがうまく伝わると良いなという感じですが、読んでいただきありがとうございました。
meetyやってます!
Voicyでプラットフォームやプロダクトについてゆるく話してますので、こちらもよかったら聴いてみてください。