文(あや) 詩を中心に 書く人

文(あや) 詩を中心に 書く人

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はじめまして。 趣味というか生きる術で15年書いてきた作品を発表する場所を求めてnoteに辿り着きました。 以前、poemaというブログをやっていたこともあります。筆者は同一人物です。 noteには詩やエッセイを中心に、書きたいことをただつらつらと残していきます。 どんな形であれ、表現者として在りたい。 そんな気持ちがいつも私を突き動かします。 「ことばにする、こころが泣きやむまで」 これが以前のブログのテーマでした。 と言っても、当時17才の私はテーマなど真剣に

    • 阿部真央の弾き語りライブに行って思ったこと

      私は阿部真央のライブレポートを度々書いている。 ファンにとって、15周年のアニバーサリーイヤーの弾き語りライブなんて書き残したいに決まっている。 そう思っていたのにいざライブが始まってみるとそんな気持ちが萎れてしまった。 これはもちろん私が勝手に趣味でやっていること、なのに言いしれぬ緊張感や焦燥感を覚えるライブだった。 いや、はっきり言おう、自信をなくした。 最も尊敬するアーティストの、全身全霊のパフォーマンスを目の当たりにして、不安になったのだ。 この高尚なステージを

      • ぽっかり

        指先まで覚えてるけど わざわざ言うことじゃないし 黙って見過ごしたこと 今さら言うのもちょっと違うし そうやって うやむやにした いろんな気持ちは 言わなきゃ言わないで 膨れ上がったり萎んだり 汚れたり美しくなったり いつまでも暴れ回るから まるで忘れられないみたいに 体が勘違いするでしょ たぶん最後に見たしょげた顔も そのせいだろう 私に言えなかったことが今さら暴れて 途方もなく良いものを 逃したような気持ちになって 君の中に吹き抜けた向かい風は まるで失っ

        • 思い出が何もない

          あなたは私の写真を一枚も撮らなかった 愛おしいはずの私を 切り取って残そうとしなかったその姿を 頭の中に焼き付けてしまったよ 私はずっと すぐいなくなっちゃうかもしれないよ 形はどんどん変わっちゃうんだよ 残さないと振り返られないものもあるよ あなたの目にどう写っているのか知りたかった あなたの前でどんな顔して笑ってるのか知りたかった まるですべてを知り尽くしたように撫でるけど その手じゃ収まらないほど色んなこと思ってたよ 私はずっと 知らないでしょ 私がどんな

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          阿部真央 New Album 「NOW」

          デビュー15周年を迎えた阿部真央の新譜が届いた。 「こんなに自分の中で鳴る音を思いきり形にできたのは初めて」だと語る、"今"の阿部真央が生む音を私なりに書き起こせたら。 そして同じ、と言うのはおこがましいが言葉を紡ぐ者として、特筆すべきはやはり彼女の歌詞。 普遍的な親しみやすい言葉で紡がれているのに、"阿部真央が書いた"と納得できる、説得力のある唯一無二感。 羨ましくて、唸って、思わず天を仰ぐこともあった。 もちろん最大のリスペクトを込めて。 そんな説得力にひれ伏すような

          阿部真央 New Album 「NOW」

          私だけの週末

          だいたい木曜日くらいから そわそわするようになった 悲しい胸騒ぎ 今週は会えるんだろうか これ以上傷つかないために たくさんかけた保険は 私の何を守ってくれたんだろう 大丈夫 私は大丈夫 って言い聞かせた中身のないエールは 私のどこに響いてたんだろう この姿 見せてやりたいと 歯を食いしばるけど 困った顔しか浮かばない そんな顔されたら この虚しさの行き場がついになくなるし もういいかなってぷつんと切れた 決めたらもうあとは意外とあっさりしてて 押し寄せる寂しさ

          私だけの週末

          あの夏の間に

          私の今の幸せは 君とのお別れの上に成り立つもので その前の君との時間だって 幸せそのものだったのに あの時の私と何が違うんだろうって考えても もう何もかもが違うとしか言えなくて ただ君がくれたあれやこれは ひっそりと でもどっしりと 私の中をずっと温めてくれている 元気にしてるかな なんて 思うことも憚られるほど 君を傷つけてしまったから こんなこと今さらだけど どうか元気でいてほしい そうだね 私のエゴと言われても 願わずにはいられない 思い出す 夏の暑さにやられ

          あの夏の間に

          At last

          夜明け前 踏切 雨しぶき はためく日常の騒音に身をゆだねる 居心地を確かめる 恐る恐る愛でる まったくのひとりきりで見たものと 何がちがうんだろう あなたと見れない花火があるなら 例えばあなたが吸うタバコの煙の方がよっぽど美しいだろう あなたがいない日曜日とあなたがいる月曜日なら 例えば腰が重くとも迷わず月曜日を エタ・ジェイムズに揺られながら見たものは 日常に散った悦をひとつに集めたまるで万華鏡 溢れて光ったものをあなたの胸に押しつけた こんな輝きに埋

          マフラーとサンダル

          私をここに置き去りにしたのは 私をここで抱き締めたのは 私にここで手を振ったのは 私をここから見送ったのは 私とここで手を繋いでいた貴方 これからも私と手を繋いでいくはずだった 卑怯な貴方 こんな寒い日に裸足で出てきた 情けない貴方 青冷めた顔、真っ赤になった鼻 息を切らして追いかけてきたそれも たぶん私のためじゃない 振り向かないと決めて 顔を埋めたマフラーに首を絞められる 私をここに置き去りにしたのは 私をここで抱き締めたのは 私にここで手を振ったのは 私を

          マフラーとサンダル

          母へ

          私から何もかもを奪ったのは あなただけど 私をこの世に産んだのは あなたしかいない あなたの手を振り払って 大人になろうとしたけど あなたの手に触れる時だけ 子どもでいられた 私に寂しさを与えたのは いつもあなただったけど 私を初めて抱きしめたのも 確かにあなただった 私にこんな詩を書かせるのは あなただけど 私にこんな名前をつけたのも あなただったから 私はあなたを 一生恨むだろうけど 私はあなたを 一生愛してもいるだろう

          Happy Birthday

          あと何回 私はあなたへの祝福を 胸に秘めるのでしょうか 素直に表現しない私を あなたは恨んでいますか 私のことが憎いですか あなたは今でも気付いていないでしょう 言えない「おめでとう」が 毎年 私を苦しめていました 幼い私 中途半端な私 成長した私のすべてを あなたは知らない だから あなたが憎かった 側にいてほしいときに いないあなたは悪者だった だから 素直になる機能が私のだけ壊れた つながる血をたどって まだ笑顔のある頃のあなたに会えるなら

          Happy Birthday

          「私の夢」

          夢を笑ったいつの日か 涙も覚えたあの日から 人の声がよく聞こえる 人の顔がよく見える うろつていた夢は もうそこまで 泣くには早すぎるし 笑うにはなんて今更 高鳴る鼓動を無視できない こんな想いに暮れた日が何よりのしるし 飛んで叫んで 上がった心臓にまだダメだと叱りつけ その繰り返し もがいて やっとわかった 人肌 一人じゃ生まれなかったのに それしか知らなかったから 遥か遠く 足取り重く 嘘で固めた「私の夢」 知らない人の 見えない夢に な

          「私の夢」

          湿らせる

          打つようにこの雨は 川を 窓を 春を湿らせる あなたと見たなんでもないこと あなたと見たらなんてことなかったこと あなたと見たからなんでもできたこと 紡ぐようにこの雨は 川を 窓を 春を湿らせる 曇り空に夢を嘆いて 青空に芯を食らう 語る横顔が美しかった 脈打つようにその言葉は 声を 鼓膜を 私を湿らせる 日常に孕む恐れも 地団駄を踏むような月曜も あなたといたら あなたといたから あなたとだったら 流れるようにこの雨は 川を 窓を 春を湿らせる あ

          湿らせる

          見せたことない顔で

          消えてしまえるなら そうしたい 泣きながらあなたを思った どんな顔して泣いてると思うの 支配されて 閉じ込められて 息もできなくなればいい 泣きながらあなたを葬った どんな顔して生きていくつもりなの これから どんな顔して私を忘れていくの これから 潔白だった 鐘の音も聞いた 優しい眠りについた もうまるで嘘みたいだ あなたの隣にいた私 どんな顔してたと思うの それでも幸せだったんだよ 触れられないこと それでも信じるしかないこと 私のわずかな未来

          見せたことない顔で

          見たことない顔で

          いつか嘘だよと言ってくれると思って ここ最近やけに雑になったそれも黙って受け取っていたし 泳ぎっぱなしだった目線の先もずっと追いかけていた なのによりによって お前は優しすぎるとかそんな言葉で あぁ 私の嫉妬は 本物になってしまうんだ よりによって見たことのない顔で あぁ そんなこと言うんだ

          見たことない顔で

          それじゃない

          きみのこどくをあいしていた きみのふこうにひかれていた ぼくをみてわらうきみは あまりすきじゃなかった ぼくをみてなくきみだけを まもりたかった そばにいてほしいのは ちからづよいきみじゃなくて いまにもこわれそうだった あのひのかわいいきみ きみはあれから どんどん つよくなった

          それじゃない