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初めて‘受け入れた’日
2019年4月4日、私は保護猫を受け入れました。
元々動物は好きでした。特に猫は大好き。しかし、いざ育てるとなると、時間的・金銭的な問題に加え、「命を預かる」という重責から私も家族も中々踏み切れず…幼少の頃からこれまで「動物と共に過ごす」という経験をしてきませんでした。(あってもお祭りで掬った金魚くらい?)
そんな私たち家族が保護猫を譲り受けることになったきっかけ。それは、保護猫カフェです。ペットショップや保護施設などのようにはじめから購入・譲渡を目的とせず、単純に遊びに行くだけでも良いという気軽な入口だったことが大きかったのかもしれません。かえって「猫がほしい!」というモチベーションが高まり、愛猫・ラズを譲り受けるまでそう時間はかかりませんでした。
保護猫カフェでは、ラズはとても大人しく、ニッコリと笑っているかのような表情が印象的な猫でした。
しかし、お家にやってくると様子が一変。逃げるように移動し、ご飯もそそくさと平らげる。近づこうとすると威嚇の「シャー」を連発し、さらに手を伸ばすと尖った爪で攻撃してくる。用意していたおもちゃやベッドに興味はなく、目を離した隙に押入れの奥深くに潜り込みすぐ行方不明に。かと思えば朝の4時にニャーニャー鳴いて起こしにくる…まさに「猫を被る」とはこういうこと!蓋を開けると人間への不信感・警戒心がMAXな状態なのでした。
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それもそのはず。ラズは多頭飼育崩壊の現場から保護されたそう。早々に出産を経験したが故に1歳半の成猫の割には身体が小さく、劣悪な環境での生活から歯茎の炎症を起こし全抜歯をしていました。保護猫の中でも成猫や障害を抱える子は貰われにくいといった現状を知ったこともあって、私はラズを選びました。しかし、過去に受けた傷がこんなにも深いとは…一緒に暮らし始めて酷く痛感しました。
このまま一生触れることさえできなかったらどうしよう…そんな不安でいっぱいでしたが、少しでもラズが安心して暮らすことのできる環境づくりを心がけました。
大きな音は出さない、お家の中はいつも綺麗にしておく、安易に目を合わさない・触らない、暗く・隠れることができる場所を作る、猫に危険な植物や食物を置かない…。
そんな小さな努力を続けて3ヶ月後。突如その日は訪れました。
朝方にご飯を用意していたところ、ラズがゴツンと私の脚に頭突きをしてきました。初めてのことでその時頭の中は「?」でいっぱいでしたが、これが猫の愛情表現の一つだということを知りました。
2019年7月7日、こうして保護猫は私を受け入れました。
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もはやラズがいない数十年間の暮らしが思い出せないくらい、ラズは家族の一員として馴染み、生活の一部になっています。
未だに抱っこと爪切りは中々させてくれませんが(泣き笑)、今はとっても仲良しです。