漫才「身体を張る」
「人間の身体って細胞が約40兆個あるのよ」
「そうらしいね」
「で、日本の国債って990兆円くらいあって国民が1億3000万人弱いるのよ」
「何を言いたいの?」
「つまり、1人あたり細胞770万個で国債が支払えるのね」
「細胞1つを1円としたらね」
「40兆個もあるうちの770万個なんて多分要らないのよ。多分くるぶし一個を形作るくらいの量なんだから」
「くるぶし一個に770万細胞って考えるとなんか嫌な気持ちになるけど」
「……話題は変わるんだけど」
「確かに今のは変えた方がいい間だったね」
「私マンモス食べたいのよ」
「何でも言えば叶うと思わない方がいいよ。この世界は魔法のランプじゃないんだからさ」
「まぁ冷静になって聞いてよ」
「だいぶ冷静だけど」
「マンモスって現存はしてないんだけど化石は残ってて、しかも氷に覆われてるのね」
「なるほど氷河期に絶滅したからね」
「だから、マンモス自体は生きていた頃の組織とかが壊れてなかったりして肉も生で残されてるらしいの」
「じゃあ食べられるかもしれないんだ」
「でも、マンモスの生存が確認されてるのは一番近いのでも5000年前とかだから鮮度とかはわからないのよ。刺しでは食えないのかもしれない」
「マンモス刺しでいこうとしないでしょ。多分昔の人間も加熱済みマンモスしか食べてなかったと思う」
「でも、そこを私は敢えて刺しでいく」
「履き違えてるかもしれないけどハードボイルドとかじゃないよそれは。やめた方がいいって」
「新人初の快挙を成し遂げたい。この身を呈して
新人どころか原猿旧新人全ての中で初だと思うよ
かっこいいじゃん」
「そんなことでテッペン目指すのはかっこいいんだろうか」
「テッペンを目指すんじゃなくて生マンモスを食べるのがかっこいいんだよ」
「もっとわからなくなっちゃった。というかさっきから何でそんなに身体張って色んなことしようとしてるの?」
「何でだろ。最近ダチョウ倶楽部しか観てないんだけど」
「それだよ。完全にダチョウ倶楽部の影響であることは間違いないよ。でも彼らも全国民動員して身体張るほどストイックじゃないんだわ」
「いや私にはそう見えたね。彼らの全国民動員気概を完全に私は受け継いでる。だから熱湯風呂に入るし熱々おでんも食べる」
「いやあなたの身体の張り様見てたらダチョウ倶楽部、熱いものしか扱ってなくてなんかめちゃくちゃしょぼいので一旦やめさせていただきます」