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言葉ののろい

小さい頃、母が私のことを「〇〇なんて大っ嫌い」と父に言っているのを聞いてしまった。
あまりにショックだったのでその日の記憶は曖昧だけど、机の下に隠れて母を驚かそうとニヤニヤしていたら急にその言葉の矢が飛んできたのは確か。矢は私にクリティカルヒットし、目の前が真っ暗になってしまったのを覚えている。重症。
父が「そんなこと言ったらかわいそうだよ!」と言ってくれたのもなんとなく記憶にある。
私はママっこで、赤ちゃんのときから母の抱っこでないと大泣きするくらいだった。
本当に母が大好きで大切だから、それを聞いてしまったときが人生初の絶望だったのではないかと今になって思う。そのあとはしばらく母をまともに見ることができなかった。私を大嫌いだから。その頃から今でも「愛されたい」という思いがずっと心の奥に隠れているんだと思う。
しばらくしてからなにがきっかけか忘れてしまったけど、また母を普通に見れるようになった。
今では母は私を気にかけてくれるし、大好きだと言ってくれる。関係は良好だ。
たぶん当時、母は父との関係がうまくいかなかったり、わがままな子供だった私にイライラもしていたんだと思う。鬱にもなっていた。だから思わず言ってしまったことなんじゃないかなとは思うけど、どうであれ最も信頼している大好きな人から「大嫌い」と言われてしまったときの矢は、実は大人になった今もまだ抜けてない。
まるでのろいをかけられた気分だ。
だから誰かに「大好き」って言われても、本気じゃないんだろうなと思ってしまう。
人のことを心から信じられない。
いつか裏切られるんじゃないかという恐怖心があって、楽しい時間を過ごしていてもどこか虚しい。心の核だけはどうしても見せることができない。こののろい、どうやったら解けますかね。
呪術廻戦読んだんですがまだ解き方がわからないので、凄腕呪術師さんいらっしゃいましたら……。

夜になるとたまにこのことを思い出して眠れなくなってしまうので、取り急ぎnoteに書くことで頭と心を整理したいと思いました。
実際涙は止まって、こののろいをどう面白くしてやろうか考え中です。
あ、もしかしたら面白くすることが解呪になるのかも。

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