心配なお話

 一芸に秀でた(特にスポーツと芸術)人物で、プライドの高い自信家。彼らは本当に気をつけて生きてほしい。詐欺師に騙されやすい。

 彼らの中から、動画サイトやSNSで一躍人気者が出現することがある。そういうサイトから有名になる場合、会社などを通さない個人的な活動をする者が多い。個人的な活動とは具体的に、撮影や編集を自分で行い、自分で投稿し、仕事依頼などの雑務も自分で対応することをいう。

 彼らは、自らの生み出した作品で名声を挙げたことにより、過剰な自信を得る。「自分ひとりの力でここまでやってきたのだ」と考え、それは一種の全能感に達する。すると、SNSなどでは肯定意見や、動画内で宣伝した商品への購入意欲を示す投稿を頻繁に共有しはじめる。同時に、自身の利益になりそうな人物のアカウントに積極的に絡んでいくようになる。

 しばらくすると、上記の行動に加え、反対意見を持つ者に攻撃的な発言をするようになる。また、疑問を投げかける投稿や反対意見を投稿をする者をブロックしていく。議論の余地があろうがなかろうが関係ない。気持ちの良い環境を手に入れるためにはイエスマンだけが欲しいのだ。

 承認制のSNSなどでイエスマンたちと、反対者たちの悪口を言い出したらもう手遅れである。イエスマンに紛れ込んだ詐欺師たちが、心地よい言葉を餌に近づいてくる。怪しげなサイン刻印入りオリジナル商品(特に原価の安そうなもの)を高値で販売し始めたら要注意だ。

 また、こうした自身家連中には、詐欺師に引っ掛からなくとも自滅していく者もある。インフルエンサーとしての自覚が芽生えるのか、一切知識のない社会問題などについて意見し(ひどいときには問題の当事者たちにリプライをしたりもする)、評判を落としていく。このパターンは一芸でテレビに出演し、人気を得た者に多いように思う。テレビを権威的なものと勘違いし、そこに辿り着いた自身の力に何か不思議な魔力があると誤解するのだろう。

 以上のような人物の特徴として、部活や専門学校などから直接その業界に入り、ひとつの分野の職業のみを経験していることや、学問に関する教育を受けていないにも関わらず、拡大解釈した術語を日常語彙として用いることが挙げられる。社会経験の少なさから常識的な判断が困難であることが騙されやすい要因と考えられる。彼らの中には家庭を持つものもある。幼い子供や心優しい妻のためにも、正常な判断ができる人間になってほしいものである。

 

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