曲者【詩】
何もわからなくなって
探してみるのだけど
何を探しているのか
わからなくなって
本を読んだり
すっ飛んでみたり
水木しげるの
物語の中を
彷徨ったり
試してみるのだけど
山之口獏の世界には
やはり溶け込むことは
出来なかった
だって僕は
間違えているのだもの
大好きな彼女の
望むものを見て見ぬふりを
しているのだから
そして嘘の顔で
彼女を誑かしている
なんとかして
空気を広くしたいんだ
思いついた
セリフと
メロディは
ギターの弦を震わせて
適当な音になってる
もう間に合わないだろうか
そもそも必要ないのだろうか
何もわからない
今夜もわからないまま
アルコールを1リットル入れて
うつ伏せになる
こんなもの
曲にはならない
こんなもの
曲にはならないよ