チームに目標とコンセプトは必要か
先日、現代表陣のSさんと会話していて、目標は立てたがそこに至る道筋が必要だという話を二人でしておりました。ふと思い返すと、私の仕事である企業の業務やIT領域のコンサルティングにおいても、プロジェクトゴールとそこに至る道筋を示すコンセプトを定めることが、プロジェクト発足時にまずやることでもあります。そういえば現在のチームには春は明確な目標がなく、現時点も目標は立てたがコンセプトがないなと思い、昨年度までチーム代表をしていた経験を踏まえて、今回はチームにとっての目標やコンセプトの意義を考えてみました。
背景
結論としては、チームに目標とコンセプトは必要だと考えてます。これを考えるに至った背景をお伝えします。
まず大きなきっかけとして、今年度より新体制に代わり、代表からは1歩引いた視点でチームを眺めることができました。また、自身がメンバーとしてチームに参画した状態で、明確な目標やコンセプトが無い状態でのチーム運営を経験したことは初めてでした。そして、それだけが直接的な要因ではないのですが、野球に対するモチベーションが低下することも経験しました。
そういった経験を踏まえて、チームに目標とコンセプトが必要だと、改めて考えるに至りました。
チームに目標とコンセプトがないことで感じたこと
私自身がチームに目標やコンセプトがないことで感じたことは以下でした。
①日々の活動においてどのように行動をして良いかわからない
②練習や試合といった活動に対して、勝ちたいもしくは適度な運動がしたいとった、価値観の違いによる目的の相違が生じる
③試合において、どのように起用されるかの判断基準がないもしくは曖昧に感じ、フラストレーションがたまる
以下、それぞれについて具体的に記載します。
・「①日々の活動においてどのように行動をして良いかわからない」に関して
これまでは「優勝する」ことを目標としておりましたが、その目標がどうなったのかわからず、日々の練習でも何を磨けばよいのか、試合にどういった姿勢で臨めば良いかがわからなくなりました。ひたすらホームランを打つことにすべてをささげて良いのか、出塁することを考えた方が良いのか、捕手としてチームの勝利のために日々思考すべきなのか、自身としてやりたいポジションである投手を追求して良いのか、など。
※一方で、上から与えられるもしくは相手に勝利する、という目標のみによって自身のモチベーションが上がるというのは、それはそれでナンセンスだなとも自覚しております。自身の成長にモチベーションの根源を置けることが理想だなとも最近では思っております。
・「②練習や試合といった活動に対して、勝ちたいもしくは適度な運動がしたいとった、価値観の違いによる目的の相違が生じる」に関して
これまでに形成された価値観上、明確な目標はなくても「試合」に参加するとなんとなく「勝つ」ことを目的としてしまう場合もあるかもしれません。一方で、ホームランを打つためにその試合に来ている場合もあるかもしれません。例えばホームランを打つために試合に来ているのに、出塁するためにゴロを転がしていくことを期待されると、期待値のミスマッチが生じます。
ちなみに私は、「試合に勝ちたい」という気持ちも中途半端にありつつ、一方でホームランを打ちたいという気持ちもあり、どっちつかずでふわふわしてしまいました。結果、どっちの結果も追求しきれず、野球への自身の意欲がどこにあったかを見失い、モチベーションが低下しました。
・「③試合において、どのように起用されるかの判断基準がないもしくは曖昧に感じ、フラストレーションがたまる」について
育成やチャレンジといった機会を提供する目的なのか、勝つことが目的なのかによって起用法は変わると思います。特に、「勝ちましょう」という言葉がありながらそれが伺えないと感じる起用法だった場合、疑念が生じます。
また、自身ではこれくらいの能力があると自負しているにも関わらず、その期待値をうかがえない起用法であった場合も、同様に疑念が生じます。
私の例で言えば、一番チームに貢献できるポジションはキャッチャーだとは思いつつ、勝ちにいく試合でない場合、希望ポジションである投手を務めたいという欲求もあります。そのため、リーグ戦のオーダーが勝とうとしていないように思える場合、自身の登板機会が一向にもらえないこともあり、自分にも投球機会をもらいたいと思ってしまいました。
目標・コンセプトとは何か
上記を改めて振り返ると、チーム全体として何を目指しているのかという目標と、目指すものに対してどのような道筋をたどるのかというコンセプトが不明確だったことが、①~③の原因だったのではないかと考えております。チームに目標とコンセプトがあれば、代表側とメンバー側に共通の行動指針が生まれ、その行動指針に基づいて、日々の行動の意思決定なり、起用法なり練習メニューの意思決定がなされることになると考えております。
具体的に解説します。
目標とは何か
これは「チームとして到達したい状態もしくは成し遂げたいこと」と考えております。プロジェクトで用いられる「良いゴールの基準」に、SMARTゴールという考え方があります。(※SMARTゴール)
・Specific:具体的
・Measurable:測定可能
・Achievable:達成可能
・Relevant:関連のある
・Time Bouned:期限
例えば当チームでは、今春の振り返りを踏まえて、「秋リーグで全勝優勝する」という目標を定めました。こういった目標が、チームの方針や様々な意思決定をする大前提となります。
一方で、前述のSMARTゴール基準に基づいて、この目標を検証することも必要です。例えば「秋リーグで全勝優勝」というのは、達成可能なのかというと、理想的な戦力が毎試合揃っても難しいでしょう。理想的な戦力が揃うということ自体が難しいのが草野球ですので、この目標自体が達成可能ではない可能性も高いかもしれません。それでもこの目標を定めるとするならば、理想的な戦力を毎試合確保する、という方法も必要にになるかもしれません。
コンセプトとは何か
コンセプトとは、チームが目標に到達するための道筋を示すものです。このコンセプトというものも非常に重要だと考えております。
例えば、全勝優勝を目指すにあたり、当チームは走塁を磨いて出塁と走塁によって得点をとっていく、ということをコンセプトに据えたとします。
とすると、試合の準備に必要なのは走塁の練習であり、ホームランを打つ練習ではなくなります。全体の練習においてもまず取り組むべきは走塁の練習になります。
オーダーにおいても、出塁率が高い選手を優先的に起用したり、走塁技術や意識が高い選手を起用することになるでしょう。そうすると選手側も1打席ごとの意識が大きく変わることになります。
単に「全勝優勝する」だけでは見えてこない、そこにたどり着くための道筋があることによって、チーム及びメンバーの行動指針が生まれます。
このチームで次に考えるべきことはコンセプトである
このチームは春の反省を踏まえて「秋に全勝優勝をする」という目標を打ち立てました。一方で、そこに至る道筋であるコンセプトは未だ未設定な状態にあります。そのため、全勝優勝をするためにチームとして個人として何に取り組むべきかは、まだ明確になっていないと感じております。
前代表時代に全勝優勝は成し遂げられなかったこともあり「全勝優勝をする」という目標自体には、成し遂げてみたいという気持ちはあります。一方で、それをどう目指すのかが明確ではないために、まだモチベーションが上がっていないとも感じております。
このチームの良さは、年齢や経験に関係なく、向上心をもって常に成長で切る点にあると感じております。チームとしてのコンセプトが合意できれば、目標に向けてコンセプトに沿って、チーム能力を向上していけるポテンシャルがあると感じております。
ぜひ目標に到達するためのコンセプトを定め、秋へ向けて準備を整えていきましょう。
※最後に
具体例を示すために、私の感じたことを中心に書いておりますが、一応客観的に考えてみたつもりではあります。一方で、こういった感触を抱いていたのは私一人でしたら、申し訳ございません。
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