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書店パトロール76 すっぴんでいこう。
すっぴん、と、いう本を見つけた。
私がすっぴん、なる言葉を初めて聞いたのは、『ファイナルファンタジーⅤ』、すなわち、1992年12月6日に発売された作品だが、まぁ、私は、ファイナルファンタジーの売上と発売日、それとドラクエは暗誦出来るのだが、それはどうでもいい、まぁ、すっぴん、というジョブ、というか、つまりはシラフが最強、と、である、ということ、化粧、なんて、身だしなみだとか、嗜みだとか言うけれども、まぁ、化粧には化粧の、すっぴんにはすっぴんの魅惑がある。すっぴん、化粧、加工、様々な顔立ちがあるものだ。
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では、ほくろはどうだろうか。ほくろ、は、感じで書くと、黒子、つまりは、黒子のバスケ、なわけだが、然し、けれども、黒子の魅力、というのは、やはり、その、違和感の美、なのかもしれない。つまりは、そこに違和が生じる、その存在感、ほくろは、ほくろだけで独立しているし、市民権を得ている。これが、ニキビだったり、シミだったりすると、あんまりシチズンな感じがしない。
ほくろが多いのも、それはそれで魅力的だ。雨とほくろ、この組み合わせ、どちらも、違和感である。雨は雨でしかないが、晴れを聖とするならば、必然雨は魔になるが、その逆も然り。
今、どんなイラストレーターが来ているのか、私は常に、全く関係がないのに、気になって仕方がない。絵が好きなんだよネッ。
150名のイラストレーター。うーん、マンダム。まさに、イラストレーターの宝石箱、青田買いやっ!ってなもんで、こう、眼福だし、こういう界隈に疎くても、この150人の中から更に香を放つ作家はいるものなのだ。
然し、こう、絵、というのは、なんとも心を惹かれるものだ。私は、絵に関しては素人なので、いいも悪いもわからないのだが、然し、好きな作家はもちろんたくさんいる。然し私は天邪鬼。なので、あんまり有名じゃない作家が好きだったりする。こう、メジャーどころ、そういうのは、ファンが何百万人もいるのだから、応援してもしょうがない。なので、やはり、マイナーが一番だ。
然し、最近、こう、アニメーションの絵も洗練されてきていて、最早芸術である。雑誌でも、よく、こう、お姉様方向けのキャラクターが、表紙に使われている。
土井半助にせよ、ゲゲ郎にせよ、水木にせよ、全員がすっぴんである。男はすっぴんが多い。役者やタレントは違う。化粧をするし、ドーランも塗るだろう。然し、基本的には男はすっぴんだ。
然し、男だって化粧したら美しくなる。何よりも、化粧、にはこう、妖しい煌めきが満ちている。
で、そんな私の眼の前に現れた、『星の王子さま』の本たち。
うーん、ミントグリーンに、イエローのお星さま、この絵好きだー、ってなもんで、然し、2,000円近くする。
サン=テグジュペリ、早口言葉のようである、サン=テグジュペリ。
サン=テグジュペリは1900年生まれの星の王子さまにして、空を飛んだ飛行家、1900年生まれの稲垣足穂は同い年、だが、タルホは飛行機作りは真似事はしても結句、空を飛ぶことはなかった。それが二人を分かつ芸術観の違いだ。
で、さらにその横にはもっと高い高い本が。
仕掛け絵本である。うわー、素敵。素敵だけれども、これは自分で買うのはちょっとな、こう、なにか、プレゼントとかでもらったら、すごい嬉しいかもしれない。子供にはあげられない本だ。だって、すぐにぐちゃぐちゃにされるから。
こんな星の王子さまも出ていた。どうしても、『星の王子さま』のイラストは、やはり、本人の描いた絵、というのがオリジンとしてあるわけだが、サン=テグジュペリって絵も巧すぎないか?
絵、と、いえば、タルホだって、絵を描くし、昔、画家になりたかったのだから、こう、二人はあまりにも共通点がありすぎる。
私はタルホの絵を1枚所有しているが、まぁ、なんというか、こう、色合いとかテイストも似ている気がする。
タルホが『星の王子さま』について言及したのは少ないが、読んではいたみたいで、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んだ時に、「ひょっとすると、『星の王子さま』よりも文学的かもしれない」と、書いていた。
然し、タルホ、彼は、飛行家になりたくて、結句挫折して、空に憧れて〜♪ってな感じ、かつ、彼に取り飛行機は墜落こそが重要だった。そして、76歳で大往生するが、逆に、本当に飛行機に乗っていたサン=テグジュペリは、44歳の時、飛行機に乗って、マルセイユ沖で消息を絶った。
私は、この二人の運命に、藝術の不思議を見るのである。