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マトリックス レザレクションズ

を観たのでその感想。

平日の昼間だが、お休みに入っていたので鑑賞。妻の実家に帰っていたため、京都よりも遥かに人は少ないが、私を含めて9人しかおらず……。その上、スタッフクレジットの途中で全員退席してしまったため、作品が不憫で最後まで鑑賞!(私は基本的にスタッフロールは観ない。長いし、おまけ映像などどうでもいいので。それはMCUだろうが変わらない)。結果、おまけ映像も観たよ!

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で、『マトリックス』は1999年に公開されて、ウルトラにヒットした作品である。そして、その後トリロジーとして2本続編が公開された。『マトリックス・リローデッド』と『マトリックス・レボリューションズ』である。前者は110億円の興行収入、後者も65億円くらいの興行収入を上げていて、すごいヒットだったのだ。
(ちなみに『リローデッド』は2003年夏の大本命だったが、この年は『ターミネーター3』が90億円、『ファインディング・ニモ』が110億円と凄まじい活気で、ダークホースが水物、海賊ものは当たらないと言われるハリウッド法則を覆した、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』が68億円で大ヒットした(ちなみに本国では3億ドルを超えて、この4本の中で二番目のヒット)。

今作『レザレクションズ』は4作目になるわけだが、19年の歳月を経て公開の為、今の『マトリックス』に何か革新的なことができるのか、それが注目点なわけだが、結果として、革新的なことは何もなく、ただ『マトリックス』の中で『マトリックス』をやるというメタ構造を楽しむ作品になっている(ちゃんと続編になっているが、救世主のレザレクションズ、というよりも、初めに監督が語っていたように、ネオとトリニティのラブストーリーとして物語が紡がれている)。

私は19年前に観た過去作を見返すこともなく観たので、少し理解が追いつていない箇所があったが、吹替版だったのですんなりと頭に入ってきて集中できた。
主人公のネオは一度死んで、蘇生されて、またエネルギーチュウチュウされているのだが、そんなことも識らずに過去の記憶をデジャ・ヴュとして何か満ち足りない仮想空間を生きている。
私もよく、デジャ・ヴュを感じるが、今頃本体はチュウチュウされているのだろうか……。
ネオは『マトリックス』トリロジーというゲームを作った天才ゲームデザイナーとして崇拝されていて、会社近くのカフェでよく会う美人の人妻が気になってしょうがない(あの人、どこかで会ったかしら……)。

この、仮想現実でのシーンが最高である。『マトリックス』をセルフパロディしていて、会社の社長に、ワーナーが4本目を作る予定で、君が作らなければ契約を打ち切る、という現実世界で監督の身に起こったことがネオにも起きる。
何よりも、この世界の感覚がどことなく1990年代の匂いがしていて、いい雰囲気なのである。

『マトリックス』が発明したともいえるバレットタイムこそが、新作に必要だと作品内の会議で話し合われるが、それは作り手も切実に思うことなのだろう。然し、今作ではバレットタイム的な全く目を瞠るようなシーンは残念ながら登場しない。

然し、映像美は圧倒的であり、ゲーム的である。今作はネオが凄まじい銃弾の嵐を延々と受け止めるシーンが予告編でもフィーチャーされているが、あそこらへんが、最大の見所とも言える。
機械側がボット爆弾を使用するシーンは、私にはクロロVSヒソカ戦を思い起こさせて、やはりクロロは強いなぁと感じいった。クロロはヒソカと戦う折に大量の爆弾人形での物量作戦に出るが、ああいうのはどんなに強い個人でも次第には負けてしまうものだ(冨樫先生の爆弾好きは異常である。鴉にせよ、ゲンスルーにせよ。やはり爆弾キャラは強いのである)。

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スタッフロールの最後に、一つの瞠目すべき箇所があった。何処かの会社のマークだろうか、ヘルマフロディトスがロゴにあしらわれている!緑色のヘルマフロディトスである。ヘルマフロディトスは両性具有の神であり、今作で救世主はネオとトリニティ、二人が揃うことによって奇跡を成し遂げることになった。

男と女は欠けることはできない。何よりも、監督は性転換しているが、この世界には、お父さんもお母さんも必要であり、それは、どちらの性別に生まれても問題ない、という時代へと変化したということなのだ。
ヘルマフロディトスは花である。花は、雌雄同体である。人間も同じ。

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