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ジブリパークに行ってきた

私はスタジオジブリの作品が好きである。

なので、ジブリパークには以前から行きたかった。本当には、三鷹の森ジブリ美術館に行きたかったのだが、東京なので、移動のためにお銭もキツイし、遠いので半ば諦めていたのである。
本当のジブリ好きなら行けよ!という声は正しくその通りである

然し、愛知であればまぁ話は違う。行ける距離なのである。

現在、ジブリパークには3つの主要のエリアというか場所があって、

①ジブリの大倉庫(ジブリのなりきり展示やオリオン座という映画館、ショップにカフェテリアなど)
②青春の丘(『耳をすませば』の地球屋や『猫の恩返し』関連)
③どんどこ森(『となりのトトロ』の巨大オブジェやサツキとメイの家など)

である。
ここに今年の秋に④もののけの里(『もののけ姫』)、2024年の3月に⑤魔女の谷(『魔女の宅急便』、『ハウルの動く城』、『アーヤと魔女』)が、出来る予定である。もののけの里はたたら場など、魔女の谷は動く城が目玉だという。

そもそもジブリパークは愛・地球博記念公園の一部を利用した施設であり、メインはあくまでも公園であり、施設は完全にフォトスポット的なものである。アトラクションなどはない。
そして、それぞれ予約制であり、3ヶ月前くらいにチケットが解禁される。たしか、今日くらいに6月のチケット予約が出来るのだ。予約と言っても映画と同じく、事前精算であるので、急な予定で行けなくなっても泣くしかないのである。
①のジブリの大倉庫は平日で2,000円、土日祝は2,500円して、②の青春の丘はなぜか大倉庫とのセット売りでこれは平日3,000円、土日祝は3,500円である。③のどんどこ森も1,000円くらいする。
そして、時間予約制である。入場時間が決まっているため、その時間から入ることが可能で、ただ、出る時間は決まっていない。

っていう感じであり、まぁ、テーマパークというよりは、公園にジブリ要素を足した、という感じのものである。総工費は340億円で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの『ハリポタ』エリアの450億円より安いので、そう考えると規模がわかるのである。

で、実際に行ってみた私としては、この施設は需要と供給が完全にバランス崩壊しているな、というところである。

私は①のジブリの大倉庫のみを12時開場で購入して入ったが、11時半には長蛇の列である。無論、皆さん予約済みの方々だが、結局開場から15分ほどかかって中に入ることが出来た。皆、ジブリが大好きなのである。
で、中に入ると、とにかく人の海である。ジブリの世界を楽しみに来てみたら、人しかいないのである。
そして、皆が写真を撮るためにフォトスポット的な場所にまたまた長蛇の列で並んでいる。

私は子連れだったので、この施設のメインともいえるジブリのなりきり名場面展は、はなから諦めることにした。
大倉庫の客層を見ると、まぁ平日ということもあるだろうが、基本的には大人8に対して子供2くらいの割合であり、やはり、宮崎駿が何を言おうが、ジブリは子供よりも大人が大好きなのである。まぁ、入るのにも金もかかるしね。

そして、大学生くらいの方が多い印象。これも写真に撮ってアップする世代には最高の施設なのであろう、待ち時間も恋人や友達となら、分別のある大人ならば全然問題ない待ち時間である。
然し、子供にはこの待ち時間は不可能である。20分、30分など写真を撮るために並ぶので、まぁ我慢が出来ない。

子供だけ入れるキッズエリアがあり、そこにはパッチワークのネコバスがいる。大変愛らしいネコバスなのだが、ここで遊べるのは子どもたちだけ、しかも、5分間くらいの制限時間付きである。その上、このエリアは写真を撮ることができない。理由は様々考えられるが、少しばかり子持ち世代にはムカつく仕様であることは間違いない。そのネコバスのエリアにはスタッフさんが3人くらいいて、鉄壁の防御である。
相当数のスタッフがいる。そこら中である。怪我のないように、壊れないように、など、神経を使うのであろう。
ちょうど、不適切な画像がSNSにUPされたなど、そのようなニュースもタイムリーに流れていた。

さて、この子供エリア以外では、大人たちが長蛇の列を作り、写真を撮っている。大倉庫とはそんな空間である。

そして、あの傑作『風立ちぬ』に登場したお菓子シベリアが売られているシベリあんというスタンドがあるのだが、このシベリアは大変美味しいが、然し激烈に高い。まぁ、うまい棒を100円で売っているような感覚である。
遊園地価格といえばそれまでだが、私はシベリアが嫌いになってしまった。

施設の作り込みは素晴らしいのだが、然し、肝心のジブリ要素的なものをガワだけで表現している、そのような感が拭えない。
それでも、2,000円は特に高いとは思わない。よく出来ている箇所も多いし、楽しめる。
ただ、スペースに対してお客様が多すぎるのである。
私も、他人様からはうざいと思われているに違いないが、然し、この施設は快適性はまるでなく、そこでの疲労・労力を考えるとコスパは悪いと思う。もう少し客を絞ったらどうかと思う。
結局私は1時間半足らずで出たが、まぁ、正直3時間いれば充分すぎるくらいの内容である。

大人で、ジブリファンならば充分に楽しめる施設だと思うが、かなり疲れる場所であり、そもそも公園なので、それ以外で楽しめるものが周囲にはあまりない。あっても、疲れるのでなかなか移動には難儀するだろう。

つまり、子供は公園を楽しめるが、大人は施設だけになることが多いと思われるので、完全に客層が分離してしまっている。
理想は、子供がどちらも楽しめる地続きなのであろうが、それは無理なのだろう。

ちなみに、ミュージアムショップの『冒険飛行団』はとても混雑はしていたが、魅力的なグッズがたくさん売られていた。

私が一番気に入ったのは、屋号を描いたタペストリーで、レジの奥に架けられていたそれを見て、ああ、お月さまとお陽さまだ、いいなぁ、あのタペストリー欲しいなぁ、と思ったのだが、どうやら販売していない様子。
お月さまとお陽さまは、夜と昼であり、女と男であり(お月さまは両性具有だが)、夢と現実であり、冒険の象徴である。
この冒険飛行団のポスターを観られただけで、何か満足してしまったなぁ。

屋号のフォントのデザインといい、最高だなぁ。


晴れた日は公園も風が気持ちよくて最高だ。
然し、ジブリはたくさんの人に愛されていることを、まざまざと実感したのだった。




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