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殺人コーディネーター・ロバート・マッコールさんイタリアへいく の巻

TOHOシネマズ二条にて『イコライザー THE FINAL』を鑑賞。3作目だ。
私は『イコライザー』シリーズが好きで、ロバート・マッコールさんにはやはり惹かれてしまう。
今作は大好きなシリーズ、そして最近私がシコシコ翻訳作業をしている小説も舞台はイタリアというところで、非常に楽しみにしていたのである。

問題は、糞客である。私の人生において、映画館鑑賞本数は恐らく1000回を超えるが、その中でダントツにやばいのに今回遭遇。
今までは、2005年に観た『コンスタンティン』における、上映中に普通に電話に出て会話を始めたおっさん、2011年の『マネーボール』に鑑賞に来ていた4人組の少年で、ずっと喋っている、という、まぁ、普通に考えれば迷惑千万なのだが、今回は老夫婦で、とにかく喋っていて、めちゃくちゃ集中力を削がれる。まぁ、予告編だからいいかと思いながらも、上映が始まると、旦那のほうが、「こいつが主人公か?」と発言。てめー!マッコールさんのことも知らないくせになにがこいつだこのヤロウ!と一気に怒りのヴォルテージが上がったが、然し、上映中は喋ることはなく、それならいいかと思えたが、ポップコーンを食いながら、めちゃくちゃ咀嚼音を立てなさる。これが、まさにムゲン地獄で、この御仁、まじで永久にくちゃくちゃ、食べるものが無くなったら、チッチッチという、あの最高に不快な音を2秒間隔で立てる次第。私は途中から、あれはマッコールさんの時計の秒針の音か、それともおっさんの出す音なのかわからなくなってきた。
くそー!マッコールさん来てくれー!ここにあんたが成敗すべき巨悪がいるんだ!本編のチンケな奴らじゃなくてさ!と叫ぶも、画面のマッコールさんはナンパされて嬉しそうに笑っている。

まぁ、そんなこんなでムカつきながらも鑑賞は終了。こういう喋る人とかは、まじで注意をしたいが、一度注意をしてなんか嫌な空気が両者に漂ったので、そういうことを考えたり注意力が削がれたりという、ものすごくいストレスを与えているのを少しは自覚して欲しいな☆

まぁ、とにかく、『イコライザー3』である。めんどうくさいので、3と書くが、ネタバレも普通にする。
デンゼル・ワシントン演じるマッコールさんは、基本的には市民生活に溶け込んでいるが、その実おそらく世界最強クラスの殺人マシーンであり、一線を超えた相手は躊躇なくぶち殺す人なのだが、傑作『イコライザー』ではその怒りの感覚もわかるのだが、ぶっちゃけ2くらいから、なんか自分が気に入らないと殺す、許さん、的に、完全に自警団系になり、今作の3に関しては、今まで殺した人の怨念に悩まされそうになるが、まぁ、そんなシーンは後半では一切登場することはなく、殺人をエンジョイするマッコールさんである。

このダコタ・ファニングの役、いる?なんか無駄に煩雑になって、スピード感削いでるし、もう少しコンパクトにしたほうがよかったよ。

舞台がイタリアのシチリアやアマルフィであり、キリスト教にまつわるイコンや聖母像、ローマ彫刻など美しい芸術品が登場し、ロケ地の素晴らしさは筆舌に尽くしがたいが、どうやら監督のアントワン・フークアもそんな感じで、あんまり意味のないけれどもいい感じの場所だね!というところを舐めるように撮っている。

今作は、冒頭ある組織の連中をぶち殺して、そこから逃走する際に油断で致命傷を負い、流れ着いた島で安息の日々を過ごすマッコールさんだったのだが、そこにも当然暴力の影があり(まぁ、マッコールさん以上の暴力装置はないけどね)、幸せなタイムが破壊されるとだんだん眉間に皺を寄せ始めるマッコールさん、ついにブチギレて、町の皆が食事中のレストランで荒くれ者に暴力を振るう。まぁ、すごい狭い町なのでしょうがないが、同じ日にレストランでマッコールさんと、事件の当事者が何人も偶然集うなんて状況があるのだろうか?
まぁ、細かいことは置いておいて、マッコールさんの自罰的な展開をすると思わせつつ(だからこそのキリストや聖母のカットインというか、象徴を置いたのでは?)、まぁ、先程も書いたが全然そんなことはなく、マッコールさんはこの荒くれ者とその仲間を楽しく始末。そこから、殺された荒くれ者の兄貴が町を仕切るマフィアのドンで、彼は怒りでマッコールぶち殺す!となるのだが、マッコールさんは全然余裕で、どう殺そうかな♬と、殺人コーディネートを始める……。

そういえば、『ランボー・ラスト・ブラッド』もメキシコのカルテルかなんかが敵で、兄弟で、弟がバカで、弟が殺されて、兄貴ブチギレ、そしてスタローンに皆殺しにされる、という全く同じ方程式で、まぁ、『ランボー』の方は弟の死に方がえげつなかったので、なかなか良かったが、本編は悲惨な展開で、あんまり好きじゃないな……。


殺し方は豪快だが、あんまり救いがなかった。

最後は、一瞬で殺さない、死ぬのを観察させてもらうぜ、という、とても嫌な殺し方をしたり、まぁ、マッコールさんの敵としての脅威は一切なく、しかも、途中で町の人に身バレというか暴力人間であることがわかるのだが、最高にハッピーな家族同然の仲となって、最後はマッコールさんの笑顔で終わるのである。いや、普通にもはやこの町にいられないよね?

まぁ、これは、序盤で撃たれて死にかけたマッコールさんの死ぬ間際の夢であり、もしくは転生したらアマルフィで仲間を出来て最高にハッピーだった件、的な、異世界転生ものだったのかもしれない。

普通に4も作ることは可能である。むしろ、もはや作って欲しい。最後の20分くらいの殺しの流儀は美術的な感覚で最高に良かったよ。やはり殺しは藝術であり、マッコールさんの持つ安心感は、それをゆるりと楽しめる担保になっていて最高である。


暫定2023年ベスト(映画館で観たものに限る)

測定不能…君たちはどう生きるか(2回鑑賞)

1位:キングダム/エクソダス(脱出)…97点 ※前作を観て尻上がりで上昇
2位:ザ・フラッシュ…96点
3位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー.Vol.3…93点
4位:フェイブルマンズ…83点
5位:イコライザー3…82点
5位:リボルバー・リリー…82点
7位:カードカウンター…81点
8位:AIR/エア…80点
9位:スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース…78点
10位:オオカミの家/骨(合わせて)…76点
11位:クリード/過去の逆襲…75点
12位:アラビアンナイト/三千年の願い…74点
13位:クライムズ・オブ・ザ・フューチャー…64点
14位:シン・仮面ライダー…62点

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