
ディズニー暗黒時代のお姫様
ディズニープリンセスについて調べていると、どうも不遇、と、いうか、存在自体が限りなく無視されている姫君たちがいる。
ディズニールネッサンス、いわゆる、『リトル・マーメイド』、『美女と野獣』、『アラジン』、『ライオンキング』、『ポカホンタス』、『ノートルダムの鐘』、即ち、1989年くらいから1996年くらいまで、覇権、的な、世界的にも米国だけで3億ドルとか稼ぐ作品、が出ていた時代、それに陰りが出てきたのが、1997年の『ヘラクレス』、然し、興行収入は2億5000万ドルを超えており、めちゃくちゃ売れているのだが、日本では『キングダムハーツ』での登場が有名であり、まぁ、ヴィランのハデスが人気が高いくらいで、ヒロインのメグはおざなりになっている、メガラ、は、工藤静香が声優をしていて、雰囲気も何処となく似ている。
音楽だって良いのだ。『ゴー・ザ・ディスタンス』とか名曲ではあるし、魔犬ケルベロスも良い。ゴスペル風味の音楽は全てが最高だ。然し、日本ではそれ程話題にならない。なっても、メガラが人気になることはない。
それと、ヘラクレスってなんか大谷に似てない?
そして、1998年には『ムーラン』。『ムーラン』は傑作、であり、何度観ても良いが、然し、『ムーラン』は一軍として、公式ディズニープリンセスに入っている。果たしてファ・ムーランがプリンセスなのかどうかわからないが……。
で、1999年には『ターザン』、である。私は『ターザン』が大好きだ。『ターザン』は、ジャングルをサーフィンで移動するという、コンセプトを初め聞かされたアニメーターはどう思ったのか不明なほどに画期的だった。フィル・コリンズの楽曲もいいねぇ、未だに私は車で『You'll Be in My Heart』を聞いているからね。
そのヒロインがジェーン、であり、ジェーンは、可愛いのだ。

然し、ジェーンはなかなか活躍の場がない……。最後は樹上サーフィンを習得していたというのに、なんということだ。
こう、イギリス、19世紀イギリスのご令嬢、感がたまらなく良い。19世紀風ご令嬢、と、言えば、『スチームボーイ』のヒロインも、そんな感じだった。ジェーンの方が圧倒的に好きだが、こちらも忘れがたい魅力がある。

まぁ、この頃から、PIXARの勢いが凄かったのだ。『トイ・ストーリー』が1995年、『バグズ・ライフ』が1998年、『トイ・ストーリー2』が1999年、それから、『モンスターズ・インク』が2001年で、『ファインディング・ニモ』が2003年、『Mr.インクレディブル』が2004年だ。
一方、ディズニーと言えば、完全フルCGの恐竜アニメ『ダイナソー』、私はこれを劇場で観た、東宝公楽で観たのだ。結構面白かったが、こう、隕石のシーンなど、大迫力なのである。これは観てほしいね、まぁ、世紀末なので、『アルマゲドン』とか『ディープ・インパクト』とか、隕石衝突映画が多かったのだ。
然し、どうやら、2032年に地球に3%の確率で隕石が衝突するとのことで、当たりそうな予感しかしない……。こういうのの3%ってめちゃくちゃ高くね?
他にも、『ラマになった王様』、『ブラザー・ベア』などの、存在すら忘れられてしまった作品(失礼……)等、もうその差を追い越すことは出来ないほどになっていた。
2001年には、完全に『ふしぎの海のナディア』を丸パクリしたと噂、乃至は憶測されている(あくまでも噂であり、真相は貴方自身の眼で確かめるのだ)『アトランティス 失われた帝国』という映画が公開されていて、ドリカムが主題歌だった。
そもそも、これは、あくまでも、ジュール・ベルヌの『海底二万里』がベースである、そして、キャラクターがめちゃくちゃアメコミ調で、若干世相から浮いていた気もする、が、実は私、意外と好き。


そして、2003年には少しばかり異色作だが成功した『リロ&スティッチ』が公開されて、これは、今年の夏に実写化されるのでね。キャラクター人気がめちゃくちゃ高いからね、この時代のディズニーの成功作の一つです。
で、プリンセス、2003年には『トレジャー・プラネット』という映画があってね、これはスティーブンソンの『宝島』の舞台を宇宙に変えている作品で、名作ですね。デザインもストーリーも映像も良い。これは金曜ロードショーで来週にでも放映するべきでしょうね、『ゲド戦記』と差し替えでね!
今作には、ヒロインに相当する女性がいない、なのでプリンセス不在、なのであるが、父親代わりになるシルヴァー、このおっさんとの擬似親子、こそが疑似恋愛、であり、このおっさんが今作におけるディズニープリンセスであることは疑いようがない。
そもそも、おっさんになると、若い男子、に対して、こう、どうして接して良いのかわからなくなるものだ、そして、そんな若い男子に慕われたりしたら、おっさんは嬉しくてたまらないのだ。おっさんは皆淋しいから……。
で、ここからディズニーはついにCGアニメに舵をきり、『ボルト』とか『チキン・リトル』とか、『ルイスと未来泥棒』そういう、最早今では忘れられた仲間たち、俺の屍をこえてゆけとばかりに、2009年に『プリンセスと魔法のキス』、これも名作でラスト2Dプリンセスを描いて、そこから2010年の『塔の上のラプンツェル』、2013年の『アナと雪の女王』でプリンセス旋風が大爆発を起こして、そこに『ベイマックス』や『ズートピア』等で完全にPIXARと逆転をする。
然し、その一方で2010年代のディズニーは実写地獄だった。まぁ、今もその傾向はあるのだが……。
つーか、この3本だっていい映画なのである。
1999年くらいから2005年、くらいは、本当に、本当に、ディズニー映画は落ち込んでいたのだ……。然し、けれども、これは時代の流れでもあり、良い作品が山のようにあったのだ。
なので、この時代のディズニー映画を観てほしいのだ。
そして、合わせて、今の一軍のプリンセスたちも交えて、真のディズニープリンセスを決める王女継承戦を行うバトルロワイヤル的な映画を公開してほしい。無論、そこにはメガラもキーダも、ジェーンも参戦だ、エスメラルダだって参戦だ。だって、ディズニーも今度クルーズを始めるんでしょう?ちょうど暗黒大陸に向かうブラックホエール号と被るじゃないですか。
