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スパイダーマンがいっぱい


スパイダーマンはマーベル・コミックの誇る人気キャラクターである。
マーベルはアイアンマン、マイティ・ソー、キャプテン・アメリカのBIG3を擁したアベンジャーズを初めてとして、マーベル・シネマティック・ユニバースで大成功している。本当に、ワールドワイドの興行収入で1兆円近く動かしたのではないか。
そして、バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンなどのジャスティス・リーグなどがDCコミックである。

スパイダーマンは映画化作品がいっぱいある。
東映版とか映像化は他にもあるけれども、2002年のサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演の『スパイダーマン』が本格的にCGを駆使して作った超大作映画である。

これは2002年のGWに公開されて、アメリカの週末興行収入で初めて1億ドルを突破した作品である。この頃は、2001年の年末に公開された『ハリー・ポッターと賢者の石』が週末9000万ドルくらいで新記録を作ったばかりで、『ロード・オブ・ザ・リング』も7300万ドルくらいだった。
『スパイダーマン』はすごいのである。このシリーズは2004年に2、2007年に3が公開されて、4を予定していたが頓挫してしまった(4は相当撮りたかったようだ)

王道のスパイダーマンというイメージがある。CGを駆使したニューヨークの摩天楼を飛び回るピーター・パーカーの映像は、完全に行進へと多大なる影響を与えた。この3部作は、2が傑作という定説である。

そして、2012年にリブートされるということで、『500日のサマー』でおしゃれな恋愛映画を取った、若者感覚のあるマーク・ウェブ監督、そしてアンドリュー・ガーフィールド主演で、『アメージング・スパイダーマン』シリーズが作られた。

サム・ライミはやはりおっさん感覚の人なので、少しテイストを変えたかったのだろうか。客層も、サム・ライミ版が好きなティーンエイジャーはもう社会人になったので、こういう新陳代謝は大切である。

私は、アメスパ2が一番好きである。アメスパ2は、ヴィランがエレクトロ、グリーンゴブリン、あとサイの変なやつと、渋滞の様相を呈しているが、グリーンゴブリンの覚醒シーンが好きなのである。デイン・デハーン『DUNE』で主役を張れそうなルックスなのに、なかなかメジャーブレイクがない。

『アメスパ』シリーズは2作で打ち切りになったが、このスパイダーマンの映画は版権が非常にややこしく、昔からソニーが持っていて、制作している。2014年頃は、既に『アベンジャーズ』シリーズが大作として育っていた時期なので、(『アイアンマン』はヒットしていたが、『マイティ・ソー』や『キャプテン・アメリカ/ザ・ファーストアベンジャー』などは普通のヒットレベル、日本では劇場でもスカスカだったのだ…)、アベンジャーズに合流させるべく諸々の動きがあった。

スパイダーマン3世と呼べるのは、トム・ホランド主演、ジョン・ワッツ監督の『ホームカミング』から始まるシリーズで、年末に3が公開されるが、こちらは『シビル・ウォー』や『インフィニティ・ウォー』『エンド・ゲーム』なども出てるので、トム・ホランドが最多作品でスパイダーマンを演じていることになる。

トビー・マグワイア版=オタクで普通にいじめられている。
アンドリュー・ガーフィールド版=少しイキった感じがあり、調子に乗りやすい。自業自得が多い。
トム・ホランド版=とにかく落ち着きがない。一番高校生ぽく見える。変なグループ内で割りかし愛されている。

といった印象である。
上記3名のスパイダーマンよりも、2019年公開の『スパイダーマン/スパイダーバース』が図抜けて傑作である。これ1本あれば、他のスパイダーマンはいらないのではないか、とすら思う。

アニメーション映画なのだが、スパイダーマンの基本要素は全て兼ね備えていることに加え、マルチバースの世界なので、様々なスパイダーマンを出すことで、1作で多面的な人物造形を描くことに成功している。

スパイダーマンはなんだかんだで基本線としては、ピーター・パーカーという、たまたまスーパーパワーを手に入れてしまった高校生の話である。だから、失敗も多いし、怖気づくこともある。そんなことは、当たり前である。それがいいのである。そんな彼が、彼が素性を隠しながらも、必死に人々を守ろうとするところに、深い感動が生まれる。その感動が、サム・ライミ版の2、アメスパ版の2のラスト、ジョン・ワッツ版も1も2もあった。スピリットは常に受け継がれているわけだ。


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