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NHKスペシャル「量子もつれ」がめちゃくちゃ面白かった話
【新作Nスぺ】
— NHKスペシャル(日)夜9時(土)夜10時 (@nhk_n_sp) December 26, 2024
量子もつれ
アインシュタイン 最後の謎
28(土)夜10時~[総合]
アインシュタインでさえ
解けなかった謎 #量子もつれ
その存在が証明され、
2022年のノーベル賞に輝いた
難解とされるこの現象を映像化
100年に渡る科学者たちの苦闘を描き出す
語り:#宇多田ヒカル
#春風亭一之輔 pic.twitter.com/qvwtHjjDOS
私たちのまわりの世界を小さく小さく分解していくと、やがて「原子」や「電子」「光子(こうし)」と呼ばれる、とても小さな粒子の世界にたどり着きます。
この小さな粒子の世界では、ふだんの生活では想像もできないような不思議な出来事が起こるのです。
その代表例が「量子もつれ」と呼ばれる現象です。
「量子もつれ」とは、一度ペアになった粒子どうしが、たとえ遠く離れていても、片方を測定した瞬間にもう一方の状態も決まってしまう――まるでテレパシーで結ばれているかのような不思議なつながりを指します。
かつては世界的に有名な物理学者アインシュタインでさえ「そんなことはありえない」と考えましたが、のちの実験によって、量子もつれが本当に起こっていることが確かめられました。
さらに、この現象は量子コンピュータや量子通信など、未来の先端技術にも大きな可能性をもたらすと期待されています。
本Noteでは量子もつれがどのように生まれるのか、どんな技術につながっていくのかを解説します。
量子力学が描く小さな世界
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粒子が同時に複数の姿をとる?
量子もつれを理解するためには、まず「量子力学」という理論について少しふれておく必要があります。
量子力学は、原子や電子など、とても小さな粒子のふるまいを説明する物理学の理論です。
この世界では「観測するまで、粒子の状態がはっきり決まっていない」という、一見すると奇妙な考え方をとります。
たとえば、電子が「上向きに回っている(スピンが上)」のか「下向きに回っている(スピンが下)」のかを調べようとすると、測定するまではどちらとも決まっていません。
測定した瞬間にはじめて状態が確定する、というのが量子力学の基本的な考え方です。
日常の感覚とは大きくちがうので、「量子の世界は直感に反する」とよくいわれます。
アインシュタインも驚いた量子論
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量子力学が提案された20世紀初頭、多くの物理学者たちが「観測するまで粒子の状態がわからないなんて不思議だ」と感じました。
その中には、あの有名なアインシュタインも含まれます。彼は「もし量子力学がいうように、状態が観測まで決まっていないのであれば、離れた粒子どうしが瞬時につながっているような現象が起きてしまう。それは常識的にありえない」と主張したのです。
ところが、この「ありえない」と思われた現象こそが量子もつれであり、後に実験で確かめられることになります。
量子もつれとは何か
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離れていても同時に変化?
量子もつれは、二つ以上の粒子が「互いの性質を共有し合った特別な状態」のことを指します。
イメージしやすいように、二つの粒子で考えてみましょう。
まず、二つの粒子(たとえば電子や光子)を特別な手順で相互作用させると、「もつれ状態」がつくられます。
その後、この二つの粒子を遠く離れた場所に持っていきます。A地点とB地点に分けてもかまいません。
A地点で粒子を測定して、ある性質を決定した瞬間に、B地点の粒子の性質も瞬時に決まるように見えるのです。
ここでポイントとなるのは「通信のようなものが実際に行われたわけではない」ことです。にもかかわらず、結果だけがぴったり一致したり、あべこべにそろったりする現象が起こります。
これが「離れた粒子があたかもテレパシーでつながっているようだ」と表現される理由です。
もし生まれながらにして双子同士が完全にシンクロする能力を持っていたらどうでしょう。片方が笑ったら、もう片方も一瞬で笑いだし、片方が走り出したら、もう片方も全く同じタイミングで走りだす――そんなイメージです。現実の双子では起こりませんが、量子もつれが示すつながりはこれに似ています。
なぜこの不思議な現象が起こるのか
アインシュタインの「隠れた変数」説
量子もつれがあまりにも直感に反するため、アインシュタインをはじめとする当時の物理学者たちは「本当は観測しなくても初めから粒子の状態は決まっているはずだ。人間が知らないだけで、その情報(隠れた変数)は粒子のどこかに隠されている」という考え方を示しました。
もしそれが真実なら、量子もつれが起きているように見えるのは誤解であり、離れた粒子どうしが“瞬時”につながっているわけではないことになります。
ベルの不等式と実験による検証
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1960年代にジョン・ベルという物理学者が「もし粒子に隠れた変数があるなら、統計的にある数値の範囲を超えないはずだ」という考えを数式(ベルの不等式)で示しました。
ところが、その後の実験によって、この不等式が破れるケースが何度も確認されるのです。
つまり「隠れた変数はなく、粒子の状態は観測されるまで決まっていない」ことが示唆されました。
その成果は2022年のノーベル物理学賞としても高く評価され、ジョン・クラウザーやアラン・アスペ、アントン・ツァイリンガーといった研究者たちが行った実験は、量子もつれの真実性を裏づけたのです。
まとめ
量子もつれは「離れた粒子が瞬時につながっているように見える」という、私たちの常識を大きく超えた現象です。
かつては「そんなことが本当に起こるのか」と疑われ、アインシュタインのような偉大な学者でさえも否定的でした。
しかし、ベルの不等式をはじめとするさまざまな実験によって、量子もつれは今や科学的な事実として受け入れられています。
しかも、この不思議な現象は単なる理論上のトリックではなく、量子コンピュータや量子暗号通信など、これからの社会を支えるかもしれない先端技術の土台となっています。
また面白い化学ネタがあればNoteを更新します。