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【丹党安保氏考①】横瀬郷に住んでいた「丹党安保氏(あんぼ)」のこと
このことは、記録しておきたい。
かなり前から横瀬の鎌倉時代に登場する人として
気になっていた「横脛」という名前。
この方を先祖とする丹党安保氏なる人が、仙台でお世話になっている
友人であったとは・・・
「事実は小説より奇なり」
横脛悪三郎、という人
丹党の系統であり、丹経房の次男時親が横脛悪三郎(よこはぎ・よこすね)と名乗り、子の時綱が横瀬に住んで横瀬氏になったという。
悪三郎という名前の由来は不明。
しかし、時親と時綱(親子?)で名乗っていたと思われる。
もちろん、横瀬の地名由来には諸説あるが、横脛(よこすね)が(よこせ)あるいは、横瀬の名から「よこすね」にした、ならば、非常に興味深い。
横瀬の地名がでてくるのは、南北朝時代の「安保文書」がある。
1340年(暦応3年)安保光泰の譲状に「秩父郡内横瀬郷」とあり、横瀬はこれ以前、丹党安保氏の所領であった。
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棚田の裏山に横瀬館というのがあった。
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<脛について>
「經(経)」の原字。元の意味が失われて水の流れのみが残った例?との説があり。他には、脛:足からまっすぐ伸びて体を支える。
意義は地下水脈。漢字は後から中国から渡ってきたものなので、古い言葉の和語でいうと脛は、波岐(はき)とよぶ。
丹党の系譜
<経房系>第一
中村氏(秩父市大宮)
長田氏(秩父市寺尾)
横瀬氏(横瀬町)
大河原氏(本阿弥陀光山備前刀ノ銘)
黒谷氏(秩父市大野原)
小鹿野氏(小鹿野町)
<長房系>第二
薄氏(両神村)
<行房系>第三
白鳥氏(長瀞町)
岩田氏(吾妻鏡・岩田系図等)
山田氏(秩父市山田)
野上氏(長瀞町)
藤矢淵氏(皆野町)
井戸氏(長瀞町)
横瀬川~荒川へ。
丹党武士で最も知られるのは、中村氏。
秩父神社の妙見宮の造営にあたるほどの有力な武士。
最も中心的な存在。
安保郷は、現在の埼玉県児玉郡。
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寺坂遺跡
その棚田には、「横瀬六郎左衛門屋敷跡」が伝えられる。
坂を下った今市(白山社あり)に町屋があり、
横瀬氏が断絶すると大宮郷(秩父市)へ移っていたという。
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白山神社を多く祀るのは、日本海に次、
関東では埼玉県が最も多い。
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鎌倉時代に作られた棚田が今も残っている。
ここは、縄文遺跡も見つかっているので、見晴らしのよい丘だった。
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長瀞にある白鳥という地名は、丹経房の弟である行房がそこに住み、白鳥七郎と名付ける。
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下の系譜(横瀬町資料館)による丹党系譜では、「安保実平(実光)」の名があり、「丹党系安保氏の祖」
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さて、このことが、後の安保氏の末裔との出会いの旅になる。
横瀬にいた丹党安保氏のルーツ。
そこは、秋田県鹿角市。
鹿角の安保氏ルーツをたずねた。
丹党一族とは何を以て守りぬいたのだろうか。
秋田と秩父を繋ぐ旅へ。