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AI時代だからこそ求められる問いを作る力。「開いた問い」と「閉じた問い」に隠された新たな価値とは?

私たちは問い(質問)の答えを探しがちですが、より良い問を探すことの重要性はアインシュタインも言っています。

もしわたしがある問題を解決するのに1時間を与えられ、それが人生が変わるような大問題だとすると、そのうち55分は自分が正しい問いに答えているかどうかを確認することに費やすだろう。  アインシュタイン

このnoteでは、問いを作るテクニックをご紹介します。その中でも無意識に使っているであろう「開いた問い」と「閉じた問い」の価値と良い問づくりについて考察してみたいと思います。

>1. 「開いた問い」と「閉じた問い」とは?

「開いた問い(Open Question)」と「閉じた問い(ClosedQuestion)」はご存じでしょうか? これ、質問の種類や分類のことですね。

まず「開いた問い」とは、一言で答えられない、説明を要するような問いです。一方「閉じた問い」とはYes/Noで答えられる問い、調べればわかる問い、一言で答えられるような問いのことを言います。

例えば、あなたは人間ですか?という問いは「Yes」または「No」で答えることができますよね。(AIやBot存在するのでNoという答えもありうる)
よって「閉じた問い」となります。「あなたは人間の一番の価値は何だと思いますか?」という問いには様々な回答が想定されるでしょう。これは「開いた問い」ということになります。

一般的に

・なぜ.......なのか?(Why)
・どうやって実現できるか?(How)
・これが意味することは何か?(What)

などのいわゆる5W3Hの問いが「開いた問い」ですね。

>2. 議論を呼び起こす「開いた問い」が良い問なのか?

開いた問いと閉じた問いには下記の通りそれぞれ長所、短所があります。開いた問いの長所には議論を呼ぶなどが挙げられています。相手にじっくり思考をさせたい場合には、開いた問いが有効でしょう。皆さんの中でも暗黙的に開いた問いのほうが良いでは?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

では、そもそも良い問いとは何でしょうか? 本当に思考を深め議論を呼ぶ「開いた問い」が良い問いなのでしょうか? 

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>3. 探求には開いた問い、仮説検証には閉じた問い

不確実性が高く正解がない時代では、テーマに対する探求・探索や仮説検証をすることで新たな価値を見出すことが求められています。

まず探求・探索をするには、5W3Hの開いた問いでもよいと思われる方も多いでしょう。よくあるのが、なぜなぜを5回繰り返す分析です。ものづくりや品質向上ならなぜなぜ分析も有効ですが、原因を追究するだけでは問題解決にいきつかないようなテーマもあります。例えばチームのモチベーション向上や風土や文化変革などです。

開いた問いで思考を発散や探求しつづけても、学びや気づきなどは得られるかもしれませんが、収束まではいかないものもあります。

そのような状況下で客観的に意思決定をする際、仮説検証はとても重要となります。新規事業のPoCで実証実験するのは仮説を検証するため。このPoCには検証すべき仮説が当然入っています。ここでいう仮説とは、アイデアであったり、前提条件であったり、制約条件、実現可能性などさまざまです。この仮説を問う質問は「閉じた問い」になります。

>4. 良い問づくりとは?

探求したい場合は「開いた問い」。仮説検証したい場合は「閉じた問い」。この二つの問いを駆使しながら探求と仮説検証を繰り返すことが、不確実なVUCA時代、私たちに求められているのではないでしょうか。

AIや検索エンジンに質問を入れれば、最適な答えが提供される時代はもうそこまで来ています。ただしどんなに技術が進化しようが、「問い」そのものは、人間が作るほかありません。自分の違和感や疑問、使命から作り出す質問や問い、自分から発露する問い。これら問いを作ることで、テーマに対して興味や関心が高まり、テーマに対するオーナーシップを生み、最終的には自分事化へつながるのです。

>5. 探求と仮説検証の質問の作り方公開!

最後に、探求と仮説検証の質問づくりのやり方を一部ご紹介します。
質問づくりのテーマは 「人間の一番の価値」を考えるとしています。

このテーマから様々な探求や仮説のための質問を作った事例をメモしときます。質問づくりのポイントは、質問を作るだけに注力すること。決して質問に答えようとしてはいけません。

Q1 あなたは人間の一番の価値は何だとおもいますか? (O)
Q2 あなたは人間の一番の価値は言葉を使うことだと思いますか?(C)
Q3 あなたは人間の価値をどのように評価・判断しますか?(O)
Q4 あなたは人間の価値を評価できると思いますか?(C)
Q5 あなたは人間の価値を仮説検証できると思いますか?(C)
※(O)開いた質問 (C)閉じた質問

Q1の開いた問いをYes/Noか一言で答えられる問いに変換したものがQ2です。この問いを作った人は「言葉を使う」ことが価値ではないかという仮説を持っているため、この問いを作っています。

Q3の開いた問いをQ4で閉じた問いに変換しています。Q3は人間の価値の評価方法を聞いてますが、Q4ではそもそもできると思うかといきいています。これはできないのでは?という仮説が含まれているようにも思えます。

Q5ではQ3の評価判断のやり方について、仮説検証できるとおもうかという前提を入れて確認をしています。

以上からわかるように、一般的に開いた問いを閉じた問いにすることで、仮説が入ります。また最初から閉じた問いを作る方は(ベテラン社員に多い傾向)はある程度答えを持っている場合がおおいです。その場合は、その仮説がバイアスや固定概念になってる場合もあります。この問いを変換する、つまり閉じた問いを開いた問いに変換することで、バイアスや固定概念を壊す働きがあります。 (このあたりの詳細はまた後日)








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