歴創アンソロの作り方
はじめに
中大兄皇子が好きすぎてアンソロ15巻分を企画した筆者による、アンソロ企画の進め方の覚え書きです。あくまで古代史歴史創作界隈にいる筆者はこう進めてたよって話で、二次創作とか大きいジャンルだとやりづらいかもです。二次創作の大きいジャンルだともっと早いスパンでアンソロ企画を進めているようなので。それでもなにかの参考になれば幸い。
TLでアンソロ企画をちらつかせる
初心者さんはここから始まると思います。お好きなSNSで「◯◯のアンソロやりたいな〜」とチラつかせましょう。いいね等の反応があったら、リプライ等で囲い込みます。「参加してくれる??✨」ってな具合です。この時点で3人ほど集まったら心強いと思います。表紙を担当してくれる人も決まるといいですが、そんな勇気がないって人も、最近は表紙素材が豊富に用意されているので、それを検討するのもありです。
参加イベントを決める
どのイベントに参加するかを決めます。ジャンルにもよりますが、一次創作ならコミティア、二次創作ならコミケや赤ブーでしょうか。筆者は歴史創作ジャンルなので、主にコミティアにサークル参加しています。推しの記念日に合わせてオンラインイベントを開くのもいいですね。筆者はpictSQUAREにお世話になっています。半年以上先に設定するのがおすすめです。
おおざっぱな〆切を決める
参加するイベントが決まったら、次は〆切です。イベントの1ヶ月半前に原稿〆切、2ヶ月半前に参加〆切を設定します。考えてる段階では数ヶ月先なので、ざっくりで大丈夫です。
(イベント半年前)告知する
ここまで決まったら、TLに告知しましょう。筆者はTwiplaのお世話になっています。テーマ、概要、いつのイベント合わせか、原稿の仕様、謝礼(献本)などなど。漫画はPSD、小説はPDF形式にするのが一般的です。それらの情報を載せた上で、参加者の管理までしてくれる。ありがとうTwipla。なんでまだ生き残っていられるのだろうTwipla。すごいぞTwipla。メインSNSはTwitter(X)じゃないんよって人は、Googleフォームとかいいんじゃないですかね
あとは印刷所を決めて、用紙のサンプルなんかを取り寄せておくといいです。
TLで狙い撃ちする
そうやって騒いでいると「気になる」って反応してくれる人がいるので、見つけ次第声をかけていきます。しつこくしてはいけません。「いつでも参加お待ちしてます✨」くらいで大丈夫です。
(イベント3〜4ヶ月前)〆切を決める
細かい〆切を決めます。連休があれば、その最終日にするといい感じです。ほどよく作業時間を多くとりましょう。自分のためにもなります。そして思い出したときに宣伝→TLで狙い撃ちを繰り返します。
表紙の〆切
表紙の〆切をいつにするか問題、これは毎回表紙担当さんに聞いてた記憶があります。原稿やる前に終わらせたいって人と、原稿やってから終わらせたいタイプがいるので。ケースバイケースです。
(参加〆切1週間前)リマインドを送る
Twiplaで「興味あり」にしている人たちにリマインドを送ります(DM一斉送信の機能がある)。当日になっても「興味あり」になっている人は、DM等でどうするか聞いてみます。
参加者が決まったら
PCのメアド、アンソロに掲載するハンドルネームを各人に聞いていきます。集まったらそのメールアドレスにBCCで連絡事項を送ります。全体の流れと原稿の仕様、〆切、提出先など。原稿のテンプレートも送っておくとよいです。筆者はDropboxのファイルリクエストを納品先にしていました。
連絡事項(あとがき、原稿サンプル)
そのあと2週間おきくらいに、あとがきと原稿サンプルについて連絡していました。原稿〆切のリマインドも兼ねて。進捗やばかったら相談してくださいなど声をかけましょう。
このへんは主催者さんの気分によるんですが、筆者はあとがきと原稿サンプルのサイズ指定をしていました。ページ数の想定がしやすいのです。
(原稿〆切日)原稿のチェック
みなさんの原稿が集まります。できあがったばかりの原稿を真っ先に拝むことのできる、一番楽しい時間です。原稿のサイズ違いが一番怖いので、真っ先に調べましょう。漫画は断ち切り線の外にイラストが書き込まれていなかったり、ノド(見開きの中央で隠れる部分)にセリフが配置されてないか、なんかをチェックしたらだいたいOKです。小説は誤字や字下げのチェックをします。
掲載順を決める
悩ましい時間ですが、巻頭っぽい雰囲気と巻末っぽい雰囲気って実はそれぞれ見えてきたりするので、あとは雰囲気の似た作品を並べていくといい感じになります。読了感がすっきりしていたり余韻があったり、テーマにもよりますがそういうのが見えます。筆者がたまたま十何回もやってるからそう思うんだろと言われそうなのでもうちょい書きます。歴史創作だと扱っている時代の時系列だったりしました。どうしても分からんって人は、提出順でもいいと思います。やったことはない。
ノンブル入れてもらう
掲載順がわかったら、ノンブルを入れてもらいましょう。ノンブルっていうのはページ数のことです。ジャンプとかぺらぺらめくってたら、見開き外側の端っこにページ数が乗っているでしょう。あれです。
筆者は漫画を隠しノンブル(ノド側に配置して隠す)、小説を通常ノンブルにしていました。
こだわる主催さんは、ノンブルに装飾を入れるので一人でやるようですが、筆者は参加者さんにやってもらっていました。ページ数多いとちまちま入れるのが面倒なのと、参加者さんが個人誌を作る際の参考になるかなって。(それっぽいことをいう)
あと、ノンブルを入れるという名目で原稿〆切から2週間後にノンブル〆切を設けているのですが、これはたまにいる、原稿〆切に間に合わなかった人向けでもあります。あと原稿〆切直前に急いで書き上げたけどムラがあるから仕上げをする、とかもできるので、個人的にはノンブル入れという名の猶予期間、おすすめです。
(原稿〆切から2週間後)ノンブル入り原稿のチェック
原稿がグレースケールになっているか、ノンブルがきちんと配置されているのかをチェックしますが、ちょっと違ってるからといってわざわざ直してもらわなくてもいいです。この時点で原稿サイズは合っているかと思われるので、原稿がカラー形式になっているなとか、ちょっとノンブルがずれてるなと思ったら、ちょちょいと直せばよいのです。
(原稿〆切から2週間後)あとがき、サンプルのチェック
名前が入っているか、アンソロの題名が入っているか、あとは他の原稿と同じく仕様が合っているかを確認します。これも解像度が違ってたりしますが、ピクセルを固定してちょちょいと直しましょう
編集作業
目次をつくったり、あとがき欄を配置したり、奥付をつくったりします。やる気をためるのに時間がかかりますが、エイヤッと片付けちゃいましょう。
筆者がいるのは歴史創作ジャンルなので、まえがきに「歴史創作を見る時は、心を広くして原典・史実から離れて読みましょう」って書いてました。
この頃には印刷所の〆切も発表されているはずなので、早割がいつまできくのかチェックしておきましょう。
入稿
全ページを確認して、OKだったら入稿です。印刷所から取り寄せた用紙サンプルとにらめっこしながら、プランを入力していきます。そして入稿!おめでとう!おめでとう! 印刷所からここアカンでと言われなければ終了です。
感想を送る
参加者さんの原稿の感想を送りましょう。感想はなんぼあってもいいものです。原稿が手元にあるので、スクショを撮ってここが最高と書くのもいいですね。ファンアを書き添えるのも良いと思います。
献本を送る
任意のタイミングで、献本方法を聞いておきましょう。イベントで会えるなら手渡し、遠方の場合は郵送になります。クリックポストがおすすめです。
お疲れ様でした
ここまでくればアンソロ企画完走です。イベント頑張ってください。
がんばりましたね。わたしも書くのを頑張りました。一気にざっくりと書き上げたので、もっと細かいところ知りたいぜとかおすすめの印刷所とかツールとかもっと知りたかったらコメントいただければ書き加えます。
自分はもう、アンソロ企画に区切り(2回目)をつけているので、この経験が他の人達の足しになればなと思っております。アンソロ企画こわくないよ。応援しております。ではでは。
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