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1人だから独りを辞めた。
1人で生まれた。
1人で死んでいく。
僕は1人が好きだ。
僕は1人でいることがこれっぽっちも寂しくない。
だって1人でいると、今まで僕を愛してくれた人たちの言葉を思い出すことができるから。
街中のうるささに、自分の大切なものが消されていくような報告があった。
東京の雑踏の中、大切なものを守るために僕と言うものを捨てて、ただ守るために生きてきていた。
何が大切なのかもわからない中で、大切だと思うものをつなぎ止めていた。
それでも、報われないことがある。
それはとても辛いことだ。
だから僕は1人を選んだ。
そんな僕は、強い人間には程遠い。
やっている事は、世間的には強く見えるかもしれない。
でも、弱い事は誰よりも知っている。
1人であることもわかっている。
1人であること。
だからこそ、半径数メートル以内の僕の好きな人を大切にしたい。
いや、ただ大切よりも好きなんだって思う。
好きだから、笑って平和で穏やかで、
桜の花を見つめるように、そんな心持ちで生きていこうって、思っている。
1人だから、独りで生きない。
そう、青空につぶやいた。
30年目の春ノ日。