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掌(たなごころ)と拳(こぶし)

人の手というものは、地球上に存在する人類という生物が持つ中でも、創造的な機能をもつ稀有なもの。

日本語で、手を表現する漢字は、多々存在する。

そのなかで、私が武術武道を修練する上で、大切にしている思いがある。


掌(たなごころ)と拳(こぶし)

どちらも同じ手である。

武術家は、日ごろから拳を刀のように研ぐ稽古を積む。

人を殺める、危険性があるものだ。

拳には、誰かを傷つけるものだ。

手が持つ、創造性のほんのわずかしか表現できない。

だからこそ、武術を志すものは拳よりも、掌(たなごころ)を大切にする。

掌(たなごころ)は、手のひらを意味する。

誰かのしあわせや、安寧、そしてときには自分の過ちを懺悔するときに

「合掌」する。

そのほかにも 

「つかさどる。うけもつ。つとめ。」

「になう。ささげる。」

手のひらをひいて、物事にあたるこころを表す言葉だ。

【拳を磨いたら、その手を開き、掌を用いて、人を救う】 


私が、2011年 中国拳法の散打交流大会に出場した時、対戦した日式散打の覇者 西山和弘先生(中國武術・志傳會代表)に大会終了後にお話しをさせていただいた、言葉。

当時、高校生だった私は、衝撃だった。

私たちは、とても責任とそして崇高なことをしているんだと。

その時から、一人の少年は、格闘家ではなく、武術家を真剣に志すようになった。


尊敬する武術家紹介

中國武術・義龍會 下部団体
中國武術・志傳會
代表 西山 和宏


昭和61年生まれ。平成16年「中國武術・義龍會」に入門。宗師師範 廣瀬義龍先生に師事。平成18年、下部団体として「中國武術・志傳會」を創設。平成22年(2010年)東京都 練馬区立大泉中学校にて中國武術・志傳會道場を開門。子供から大人までを指導。中國武術全日本大会では、表演優勝に留まらず、実践の散打試合にて、最優秀選手賞を数回受賞。軽量級・軽中量級・中量級の3階級を合わせ14年間連続優勝を果たし、14連覇の快挙を遂げている。中國拳法の大会に限らず、空手など他流派の数多くの大会にも出場し、内弟子共に優勝及び好成績を修めている。

西山和宏先生 インスタグラム
https://www.instagram.com/k7.31


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