下ごしらえが難しい、ハナシ
こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。
ビルドは札幌市でグラフィックデザインとイラストをメインに作業している就労継続支援B型事業所です。
ビルドには発達障害の特性をお持ちの方が多く利用されています。
発達障害があると、いわゆる実行機能障害があり、先の見通しをを立てることが苦手な場合が多いです。
すると、何が起こるかというと……「練習、つまんない」になりがちなのです。
ここで何が起こっているのか?を言語化していきたい、というのが今回のnoteの目的です。
たとえば食事。
お腹が空いたから何かを食べるという目的があるとして、「今、とんでもなくお腹が空いている」という状態で手の込んだ料理を1時間かけて仕込むという手段は選ばないですよね。
何かすぐ食べられるものを買ってくるか、家にあるインスタント食品にお湯を入れるか外食するか…とにかく、可及的速やかに食事ができる方法を選ぶことが多いと思います。
実行機能障害があると、基本的には常に「今、とんでもなくお腹が空いている」という状態に似ているように見えます。
手段と目的の距離が近いというか最短距離で目的を達成したいというイメージです。
(もちろん一例ですよ!すべてではないです)
では、落ち着いて料理ができる状態はどのくらいでしょう?
いつ食事を取るか、ある程度決まっている
何を食べるか?を決めて食材を用意してある(または買い物する)
ご飯を食べる時間に向けて調理開始できる
献立を決める、考える、買い物する、多少時間をかけて料理をする。
食事を取るという目的に対して、料理をする(手段)のために必要な準備を行うことができます。
お腹がすいたら食べる、ではなくて、お腹がすく前に逆算して料理しておくというイメージです。ちなみに作り置きパターンもあると思うので、そこは今回除外です。
食事に関して、このケースは比較的「手段」と「目的」の距離が近いです。
たぶん最短で30分か15分か?でできると思います。
このくらいなら実行できる人が多いのではないでしょうか。
では、下ごしらえはどうでしょう?
スペアリブ肉を、前の晩からオイルとハーブに漬け込んで1時間おきにひっくり返して……と育てて、翌日いよいよ炭に火をつけて、じっくり遠赤外線で3時間くらいかけて柔らかく焼く……みたいなキャンプ料理。
文字で見ただけでも、普通に、めんどくさくないですか?
できる人すごいな~と思います。
食べたらめちゃくちゃおいしいし!柔らかくて、味が沁み込んでいて、なんなら秒速で食べ終わっちゃう絶品料理ですけど。
それがわかっていても、やっぱり下ごしらえめんどくさいですよね~。
実行機能障害がある人にとっての練習って、これに近いと思うんです。
練習(下ごしらえ)だけしていても成果までが遠いんですよね。
なので、なるべくすぐに結果が出るとわかっている〆切があるお仕事とか選びたいし。
絵を描いたりデザインしたりするときも、リサーチしたり構想を練るよりは実際に手を動かして早々にカタチになることを選択します。結果的に完成度は下がるのですが、すぐに成果が得られます。
個人差がある話なので「自分はそんなことないけどなぁ!」という人は、そんなことないですねぇという話です。
そういう人もいる、という。
手段と目的の間を少しずつ刻んで、小さな目的と手段にしていくのが最適です。手段と目的の距離を短いところから少しずつ伸ばしていく方法も有効です。
ビルドでの作業練習では、このように目標を小さく刻んでいます。
独学だと難しいところはぜひサポートを受けてみましょう!
いつでもお気軽にお問い合わせください。