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トタテグモ・ハラフシグモ(トラップドアスパイダー)の飼育方法

ベトナム産ハラフシグモ

【紹介】

今回紹介するのは、トタテグモ、ハラフシグモなどのトラップドアを作る蜘蛛たち。巣穴の入口に「扉」のような蓋を作り、餌が近づいた際にそこから飛び出して捕食することから、トラップドアスパイダーとも呼ばれています。また、原始的な特徴を多く残すグループでもあります。国内にも、トタテグモではキシノウエトタテグモ、オキナワトタテグモなど、ハラフシグモではキムラグモなどが、生息しています。


これらの蜘蛛たちの魅力は、なんと言ってもトラップドアを作ること。ほかでは見られない、独特の狩りの様子を観察することは、トラップドアスパイダーを飼育する醍醐味です。


この記事を読まれている方の中には、購入したワイルド(野生で捕獲した)個体が、クモタケなど菌類への感染、営巣不良などの理由で、死んでしまった苦い思い出がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ワイルド個体に抵抗がある方は、最近は繁殖個体が稀に流通していますので、そちらを購入することをおすすめします。その方が、菌の影響や寿命の面など、安心です。

オキナワトタテグモ/Latouchia swinhoei


【飼育方法】


[容器]


縦に長い容器を用いる。体長(脚を含まない長さ)の3〜4倍の高さが理想。


※繁殖を狙っている場合は、オスの徘徊の確認、交接時のオスの逃げ道の確保などの理由から、表面積も必要です。LS(レッグスパン、脚を含めた長さ)の4倍以上を目安にしましょう。

[温度]

生息地の温度マイナス4〜6℃程度が目安。土中は地表よりも温度が低いため、自然環境よりも土が浅い状態になる飼育環境下では、少し温度を低めに設定します。また、小さな容器では土に熱が篭りやすいため、温度が上がりすぎることを防止する目的もあります。

[湿度]

ペットで流通のある蜘蛛の例

シリキレググモ→60〜80%

ハラフシグモ→40〜80%

トタテグモ→40〜80%

数字は空間湿度の目安です。床材に関しては、カラカラに乾くことはなく、常に軽く湿っている(押して水が染みない)くらいを維持しましょう。ハラフシグモ、トタテグモは比較的乾燥にも強いため、あまり神経質になる必要はありません。

[床材]

粘土質の床材(赤土、鹿沼土、黒土など)をメインに、表面には細かめのヤシガラなど繊維質で軽いものを敷きます。表面だけ床材を変えているのは、蓋を作るのを用意にする目的です。

[営巣のさせ方]

湿らせた床材を崩れない程度に推し固めます。そのうえで、下記のとおり穴を掘り、その中に生体を入れます。多くの場合、その穴を利用して巣穴を作成してくれます。
成体→直径2cm程度

幼体は直径0.5mm程度

※穴のサイズは生体の大きさに合わせて調節してください。広すぎず、かつ窮屈でない程度が目安です。

[成長速度]

かなりゆっくりな印象です。繁殖個体の流通が少ないため、なかなか正確なデータを得ることが難しいのですが、性成熟まで最低でも3年は掛かると思われます。

[給餌(パワーフィーディング)]

パワーフィーディングを推奨しています。レッドローチやショウジョウバエなどを〆め、巣穴の蓋を開けて中に無理やり突っ込んでください。餌が不要な場合は、蜘蛛が自分で外に出します。

成体はあまり餌を食べなくなります。ある程度まで成長して以降は、生きた餌を常に地表に入れておく方法もおすすめです。

[餌]

幼体→ショウジョウバエ、コオロギの初令など

成体→ヨーロッパイエコオロギ、レッドローチなど

※サイズの目安は蜘蛛と同じくらいまで。巣穴に用意に入るサイズのものを用いましょう。

[注意点]

・クモタケやボーベリア等が湧いた場合は、他の蜘蛛への感染防止のため、直ちに隔離、廃棄をしましょう。

・毎日確認する必要はありませんが、定期的に巣穴の中を覗き、様子を確認しましょう。

・営巣には体力を使います。なるべく壊さず、また掃除をこまめに行い、土を清潔に保ちましょう。

【繁殖方法】

繁殖例が少なく、まだあまり情報がありません。種にもよりますが、休眠期(餌を食べない期間)の後にオスが巣穴から出て徘徊を始めるため、このタイミングでメスの容器に入れます。メスの準備ができていれば、交接が始まります。オスが襲われることもあるため、試みる場合は様子を確認しながら行いましょう。それでもオスが殺されてしまう場合もあります。

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タイランドツリートラップドア/Sason sundaicum
シリキレグモ/Cyclocosmia ricketti


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