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大親友の彼女のツレ美味しいパスタ作ったお前
塚本駅から徒歩5分
友人宅は、淀川の花火を観るために最適化されたような立地にある。
たまたま就活で一週間ほど大阪に滞在していたため、その週の土曜日に行われる淀川の花火大会でも観ないかとお誘いを受けた。
彼の婚約者とその友人は夕方より合流するとなったため、漢である俺たちは日中から買い出しの任を承りまつる。
女に金を出させるわけにはいかないため、パチで稼いで酒代や飯代を節約しようと東大医学部もびっくりな超インテリ計画を発案し、実行に移したが、なぜだかその計画は失敗に終わった。なぜだか。
気づいたらあと2時間ほどで花火が打ち上がる時間となってしまっていたので(なぜだか)
急いで買い出しを行い、直前に買い出し資金を溶かしたなんて微塵も顔には出さず彼女たちを迎え入れた。
クソ暑い中淀川の河川敷で密集して鑑賞するであろう有象無象どもを尻目に
私たちは涼しい部屋でビールとたこ焼き片手に乾杯し、ベランダより眺める。
えもいわれぬ快感がそこにはあった。
ここで豆知識を一つ
新潟県民は他府県の花火大会を下に見ている。
日本最高峰の花火、長岡花火を始めとした花火大会が夏になると至る所で開催されるためである。
こと花火に関しては
京都府民が滋賀県民に向けるような
横浜市民が埼玉県民に向けるような
高みから見下す勝ち誇ったようなブルジョワ的プライド意識が潜在しているのである。
帰宅して祖父母に淀川の花火を観に行った話をしたが、第一声にそんなデカくないだろ?と言われた際は根強い花火ブルジョワ意識を感じたし、動画を見せると、どれどれと値踏みするような顔を向けられたので笑った。
斯くいう私も生まれも育ちも新潟県。
英才教育を施され、栄華を誇る長岡花火のお膝元よりブルジョワ意識を刷り込まれておるので、まあ言ってしまえばそこまで期待はしていなかった。
いやあ、ここまでフリにフったので恥ずかしいが、、すごかったです。とても感動しました。
花火も一通り終わって、まったりしていると親友の婚約者の友人がパスタが得意だという話になった。
いやいや、え?
『大親友の彼女の連れ美味しいパスタ作ったお前』
じゃん!
俺目線純恋歌だ!
ラッキー湘南乃風だ!
勝手に興奮して湘南乃風じゃん!とツッコんだがいまいち伝わらなかったみたいだ。
くそう、この面白さが伝わるツッコミができないで何がツッコミだよ、持ち帰って反省である。
その後は近所の公園で線香花火をした。
ラムネ片手に。
ちょうど4つの独立した椅子が肩寄せ合うように配置されていたのでなんとなくそれぞれがそれに腰掛けた。
そして、きのこ帝国の『夏の夜の街』を流しながら小さな火花を灯した。
誰が一番長く落とさずいられるかなと
そんなありふれた夏がどこまでも夏であった。
終電間際で人がまばらになるのを待っていると
近所に猫ラーメンが来ているというのでそれを食べて解散しようという話になった。
私たちは4人ともなんの縁か森見登美彦のファンであるので、屋台ラーメンのことを猫ラーメンと呼んでいる。
それで伝わる関係が嬉しいし、屋台で興奮する彼らに出会えたことがとても貴重なものであると感じる。
早速訪れて、注文し、横並びで頂いた。
なんか、夢みたいだった。
横並びでカウンターみたいに食べているこの時間がどこまでも続いたらいいなと思った。
ああ、今年は最高がどんどん更新される良い夏だ。
時は少し遡る
淀川の花火を観終わり、まったりしている時間。
話の流れから私がこのnoteを書き始めるきっかけとなった文章、「The Birthdayが流れる、そして荼毘に伏す」
を読んでもらうこととなった。
どうしても受け入れられない想いを文章に起こすことで区切りをつけて、前に進むために書いたので、裸の心でかなり赤裸々に語っているため、目の前で読まれるのはかなり気恥ずかしさがあった。
普段から本を読む彼女らに私の駄文を読ませるのは抵抗もあった。
しかし、そんなものは杞憂であった。
受け止めてくれた。支持してくれた。パスタの御方に至っては涙を流してくれた。
実は、じいちゃんとの思い出をネット上に放流するのはどうかとも思っていたが、彼女らの反応を見て書いて良かったなと思った。
祖父の優しさの記憶が誰かに伝わるのなら
私の裸の心をそのまま受け入れてくれる誰かに出逢えたなら
書いてよかったな。
今後も想いを書き残そう。
誰かに伝わっても伝わらなくても
私の記憶の断片がふよふよと漂っていくのであれば、それだけで私の生きる本質となるのであろう。
いつしかこうやって、誰かに伝わって、少しでも心が動いてくれれば、おもろいと思ってもらえれば
ただただ嬉しいから。
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