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弱気筋が期待している暴落は起こらない
バフェット太郎です。
ウォールストリート・ジャーナル(以下WSJ)のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス氏の「政策金利は投資家の想定を上回る水準まで切り上がる可能性がある」との記事が嫌気されて、米国株式市場は先月の上昇基調から一転して下げに転じています。
しかし、弱気筋が期待しているような暴落は起こりませんから、過度に悲観する必要はありませんし、来もしない暴落を恐れて持ち株を手放す必要もありません。
また、来年は20%を超える株高が期待できますから、足元の下げはむしろ絶好の買い場だと言えます。
★★★
さて、WSJが「根強い賃金上昇圧力を背景に、政策金利は投資家の想定を上回る水準まで切り上がる可能性がある」と報じたことがネガティブ・サプライズとして受け止められたわけですが、これはパウエル議長が先日の講演で「利上げをやり過ぎたくない」とハト派寄りの姿勢を示したばかりだからです。
しかし、この記事ではパウエル議長が「インフレ抑制に失敗することの方が、FRBにとってより大きな過ちになると認識を変えていないと周囲に語っている」と、従来のタカ派姿勢を変更していないと紹介しました。
FRBはかねてから、WSJのFEDウォッチャーを通じて市場参加者とコミュニケートしていますから、今回の記事がパウエル議長の意思である可能性が高いことを考えれば、FRBは政策金利を市場参加者の予想を上回る水準まで引き上げる可能性が高いと言えます。
しかし、ターミナルレート(利上げの終着点)の重要性は以前よりも低下していますから過度に懸念する必要はありません。
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たとえば、この表はWSJの記事が投稿される前日に市場参加者が予想していた金利見通し(橙色)と、最新の金利見通し(緑色)を比較したものになるのですが、変更点は3月に0.25%の追加利上げがあるということだけです。
つまり、修正幅はわずか0.25%であり、利上げの打ち止め時期も1カ月しかズレていないわけですから、それによって株式市場が暴落したり来年の見通しが大きく変わるということはあり得ません。
市場参加者の見通しが大きく変わるとすれば、ターミナルレートが6%を上回る場合などが考えられるわけですが、11月雇用統計の平均時給の伸び率が+5.1%だったほか、CPI(消費者物価指数)の減速基調が続いていることを考えれば、その可能性は極めて低いと言えます。
★★★
ちなみに、パウエル議長がWSJを介して「政策金利は投資家の想定を上回る水準まで切り上がる可能性がある」とコミュニケートしたのは「賃金・物価スパイラル」という悪性インフレを恐れているからにほかなりません。
賃金・物価スパイラルというのは、賃金と生産コストが同時に上昇することで、延々とインフレが進んでしまうことです。つまり「賃上げ」→「コスト増」→「物価高」→「賃上げ」→…の悪循環に陥るというわけです。
しかし、賃上げ圧力が強まっているのはコロナ禍以降、早期退職者を選択した人が続出したほか、トランプ政権による移民規制によって慢性的な人手不足に陥っているからです。
人手不足の問題はFRBの金融政策ではどうすることもできませんから、金融引き締めによって景気を殺し、それによって需要を消滅させることしか手立てはないのです。
では、足元の需要はどうなっているのか?というと、年末商戦は不発に終わることが予想されています。
実際、11月雇用統計を振り返ると、小売業の就業者数は前月比2万9900人減と大きく落ち込んでいます。通常、11月は年末商戦を控えている関係で増加する傾向があるのですが、それが減少しているということは、小売業の経営陣は年末商戦は期待できないと考えていることを示唆しています。
そして、需要の消滅は賃上げ圧力を沈静化させる効果がありますから、FRBが懸念するような「賃金・物価スパイラル」には陥らない公算が大きいです。
つまり、政策金利が予想以上に引き上げられる可能性は低いですから、投資家は引き締め圧力が和らぐ未来に備える必要があるということです。
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ちなみに、来年は大統領選挙の前年にあたるわけですが、これは大統領サイクルの4年間で最も高いパフォーマンスが期待できる年になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1670382683953-2gbWj5y0Pz.png?width=1200)
戦後19回あった大統領選挙の前年を振り返ると、S&P500の配当込みのパフォーマンスはすべてプラスリターンでした。
また、平均騰落率は+19.8%ですから、来年は今年の弱気相場の反動を追い風に、過去の平均と同等のパフォーマンスが期待できると思います。
個人投資家の中には今年の弱気相場に怖気づいて「暴落がやって来るに違いない」と頑なに信じている人たちも少なくありませんが、バフェットの言葉を借りれば、「他人が貪欲になっている時は恐れ、他人が恐れている時に貪欲になれ」
今は貪欲になって株を買い向かう時です。
グッドラック。
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