
ロードサラブレッドオーナーズ 2020年募集馬レビュー No24~29
24 フラーティングアウェイの19
父:Fort Larned 母:フラーティングアウェイ
牡 2019年4月30日生
ケイアイファーム生産 安田隆行厩舎
総額3,000万円 一口価格 60,000円(500口)
〇血統
父は北米の競走馬。現役時はBCクラシック(GⅠ)、ホイットニー招待H(GⅠ)、スティーヴンフォスターH(GⅠ)などを勝ち、生涯戦績は25戦10勝。祖父のE DubaiはMr. Prospectorの直仔。日本で出走した産駒はまだいない。
母は北米産馬。本馬は初仔で7歳時の産駒となる。母の兄はドバイワールドC(G1)、BCクラシック(G1)、プリークネスS(G1)、ジョッキークラブゴールドC(G1)、ジョッキークラブゴールドC(G1)、ウッドウォードS-(G1)、スティーヴンフォスターH(G1)と数多くのビッグタイトルを手にした Curlin。遠い近親には日本で活躍をしたレッドスパーダがいる。
ミスタープロスペクター系の父 x 母父Distorted Humorでは6頭の産駒がデビューしており、3頭(60%)が勝ち上がっている。またミスタープロスペクター系 の父 x フォーティナイナー系の母では83頭の産駒がおり、27%が勝ち上がっている。この配合の主な産駒にはファッショニスタ、アルーリングアクト、ノウレッジがいる。本馬もダートを主戦場にする可能性が大きい。
〇馬体・歩様
北米血統らしく全体的にガッチリとした体形。全身にメリハリの筋肉がついており、いかにもダート馬といった感じである。ただ胴が詰まっていたり、肩の角度が急過ぎたりするところはなく、中距離ぐらいまで距離の融通がきく可能性は十分ある。つなぎの角度は標準的で飛節は直飛気味。歩様に大きな問題点は見られないが、後肢がやや狭踏肢勢である。若干歩きに集中することができていないせいか、緩慢な動きである。
〇安田隆行厩舎
開業26年目の厩舎。芝、ダートともに短距離のレースを得意としている傾向がある。管理馬にはロードカナロア、トランセンド、カレンチャン、グレープブランデー、ダノンスマッシュ、ダイアトニック、ジューヌエコール、トロワゼトワル他、重賞馬が多数いる。騎手は北村友一、斎藤新の起用が多く、ここ一番というときには川田将雅を起用することもある。直近3年のリーディングは2019年1位、2018年6位、2017年、14位。勝ち上がり率は53%と非常に高い。社台系生産牧場の預託馬は42%程。西の老舗名門厩舎である。
25 スターコレクションの19
父:ヴィクトワールピサ 母:スターコレクション
牡 2019年3月28日生
ケイアイファーム生産 坂口智康厩舎
総額1,600万円 一口価格 32,000円(500口)
〇血統
父の産駒は、芝のマイル~中距離を得意としている傾向がある。代表産駒には桜花賞馬ジュエラー、ウィクトーリア、レッドアネモス、コウソクストレート、ブレキングドーン、スカーレットカラーがいる。勝ち上がり率は33%と非常に高い。社台系生産牧場の産駒は38%程。
母は現役時3勝。本馬は6番仔で母11歳時の産駒となる。産駒にはケプラー(3勝)、エトワールブリエ(2勝)がいる。祖母は札幌3歳の2着馬。近親にはロードダルメシアン(6勝)、シンコウベルデ(3勝)などがいる。
ヴィクトワールピサ x サンデーサイレンス系の母では12頭の産駒がおり、勝ち上がりは1頭(8%)のみである。またサンデーサイレンス系の父 x 母父アグネスタキオンでは39頭の産駒がおり、勝ち上がり率は10%。本馬はサンデーサイレンスの3×3がどのように出るかが焦点ではあるが、今のところサンデーサイレンス系×サンデーサイレンス系で良い結果は出ているとは言いにくい。
〇馬体・歩様
特に悪い点もないが強調する点もないといった感じの馬体。筋肉量は豊富といった感じではないが、及第点ではある。動きに関してもそれなりにスムーズで、これといって問題点はない。肩はやや立ち気味で、つなぎの角度は標準的。飛節は極端な曲飛のため高い瞬発力を生む可能性がある。どれをとっても及第点といった感じである。
〇坂口智康厩舎
開業2年目の厩舎。開業して間もないため、得意条件の傾向などはまだ見られない。騎手は国分優作の起用が目立つ。昨年のリーディングは131位。今年度は現在までに5勝を挙げ171位につけている。勝ち上がり率は20%と低い。社台系生産牧場の預託馬は13%程。
26 マツリダワルツの19
父:マツリダゴッホ 母:マツリダワルツ
牡 2019年3月8日生
様似堀生産 小島茂之厩舎
総額1,800万円 一口価格 36,000円(500口)
〇血統
父の産駒は芝の短距離を得意としている傾向がある。代表産駒にはロードクエスト、リンゴアメ、クールホタルビ、ウインマーレライ、マイネルハニーなどがいる。若干ではあるが2歳戦に強い。勝ち上がり率は24%と低く、社台系生産牧場の産駒は1%ほどである。
母は現役時NAR7勝。本馬は8番仔で母15歳時の産駒となる。産駒にはロードクエスト、ヴァルツァー(1勝)、スティルネス(1勝)、ロードトレジャー(1勝)などがいる。その他近親にはこれと言って目立った馬はいない。
マツリダゴッホ x 母父 チーフベアハートでは6頭の産駒がおり、勝ち上がりは1頭(17%)のみである。またマツリダゴッホ x ダンチヒ系の母では20頭の産駒がおり、3頭(15%)が勝ち上がっている。現状からは相性の良い配合とは言いにくい。
〇馬体・歩様
全体的にやや筋肉量が不足しており、力強さに欠ける印象。やや胴長の馬体で肩、飛節、つなぎの角度は標準的。動画からは馬体の硬さが感じられ、特に後肢の踏み込みが浅い。後肢は狭踏肢勢気味のところもあり、馬体からは敬遠をしたいところである。
〇小島茂之厩舎
開業18年目の厩舎。芝のレースを得意としており、距離が伸びるほど良績を残す傾向にある。騎手は武藤雅の起用が多いが、ここ一番というときには武豊やCルメールを起用する。主な管理馬にはブラックエンブレム、クイーンスプマンテ、ロードクエスト、ウィクトーリア、ブライトエンブレムがいる。直近3年のリーディングは2019年98位、2018年55位、2017年、157位。勝ち上がり率は36%とやや高い。社台系生産牧場の預託馬は42%程。
27 エイシンバーサスの19
父:リオンディーズ 母:エイシンバーサス
牡 2019年4月10日生
大北牧場生産 関西入厩予定
総額2,200万円 一口価格 44,000円(500口)
〇血統
父の産駒は2020年デビューが初年度産駒で、まだ詳細なデータがない。現在デビューしている産駒は全て芝のレースのため、適性は芝だと考えられる。リオンディーズの父は言わずと知れた名種牡馬キングカメハメハ。そして母は日米オークスを制したシーザリオ。血統背景からも種馬リオンディーズにかかる期待は大きい。
母は現役時NARで2勝。本馬は2番仔で母7歳時の産駒となる。近親には重賞戦線で活躍をしたエーシンヴァーゴウ、ギンザナイト(3勝)がいる。
リオンディーズ x 母父ファルブラヴの産駒は1頭(未勝利)のみ。キングカメハメハ x 母父ファルブラヴでは34頭の産駒がおり、勝ち上がり率は47%と非常に高い。ただこの配合ではOP馬が出ておらず、条件戦でコツコツ稼ぐイメージである。
〇馬体・歩様
全体的に程よく筋肉がついており、バランスの良い馬体。胴が詰まっているわけでもなく、肩の角度も標準的なところからマイルぐらいまで距離が持つと思われる。ただ飛節は極端な直飛のため、瞬発力に欠けるところがあるかもしれない。歩様はスムーズで集中力もありそう。前肢がやや外弧歩様であること以外は、これと言って気になる点はない。
〇関西入厩予定
28 フェリスの19
父:リオンディーズ 母:フェリス
牡 2019年3月30日生
宮内牧場生産 杉山晴紀厩舎
総額2,200万円 一口価格 44,000円(500口)
〇血統
父の産駒は2020年デビューが初年度産駒で、まだ詳細なデータがない。現在デビューしている産駒は全て芝のレースのため、適性は芝だと考えられる。リオンディーズの父は言わずと知れた名種牡馬キングカメハメハ。そして母は日米オークスを制したシーザリオ。血統背景からも種馬リオンディーズにかかる期待は大きい。
母は現役時未勝利。本馬は5番仔で母9歳時の産駒となる。産駒にはロードマイウェイ(チャレンジC)、ロードオマージュ(1勝)などがいる。祖母はレディミューズ(チューリップ賞2着)、曾祖母はシンコウラブリィ(マイルCS)。近親にはシンメイフジ(関東オークス、新潟2歳S)がいる。
リオンディーズ x 母父ジャングルポケットの産駒がいないが、キングカメハメハ x 母父ジャングルポケットでは6頭の産駒がおり、1頭(20%)のみが勝ち上がっている。またもう少し広げて見てみると、キングカメハメハ x グレイソヴリン系の母では42頭の産駒おり、勝ち上がり率は38%である。この配合の主な産駒にはヒットザターゲット(目黒記念など)、レーヴミストラル(日経新春杯など)、エンジェルフェイス(フラワーC)がいる。
〇馬体・歩様
一目で胴長とわかる馬体。父リオンディーズにはあまり見られないタイプで、母系が強く影響している可能性がある。。ただ全身には程よく筋肉がついており、馬体に細さは感じさせない。歩様には活気がありスムーズ。集中力もあるように見える。肩、つなぎ、飛節の角度は標準的。馬体から適性は中距離と考えられる。
〇杉山晴紀厩舎
開業4年目の厩舎。芝、ダートともに距離を問わず、バランスよく勝ち星を挙げている傾向にある。主な管理馬にはデアリングタクト、ロードマイウェイ、ケイティブレイブ、ウインテンダネス、アールスターがいる。直近3年のリーディングは2019年26位、2018年74位、2017年74位。今年度はすでに過去最高の35勝を挙げており、リーディング6位につけている。勝ち上がり率は29%と平均的。社台系生産牧場の預託馬は12%程。新進気鋭の厩舎で、今後の活躍が期待される。
29 ルアンジュの19
父:シルバーステート 母:ルアンジュ
牡 2019年3月24日生
ケイアイファーム生産 千田輝彦厩舎
総額1,500万円 一口価格 30,000円(500口)
〇血統
父の産駒は2021年デビュー予定。
父は新馬戦2着のあと4連勝をし、その後屈腱炎で引退をした未完の大器。新馬戦で負けた相手も古馬になってからヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリード。1つ下全弟のヘンリーバローズは新馬戦でワグネリアンのハナ差2着となったあと、2戦目で悠々と勝ち上がっている。ただ兄と同じく脚元が弱かったため、たった2戦で引退をしている。関係者達からはそのポテンシャルを高く評価されている兄弟である。
母は現役時2勝。本馬は2番仔で母7歳時の産駒となる。祖母はケイアイファームの看板繁殖サッカーマム。近親にはレディルージュ(TV西日本北九州記念2着、京阪杯2着)、リラコサージュ(フラワーC)、ロードゴラッソ (シリウスS、名古屋大賞典)などがいる。
本馬はサンデーサイレンスの3×3を持っている。ただサンデーサイレンス系 x サンデーサイレンス系の組み合わせは現在のところ、277頭が出走しているが、勝ち上がり率は16%と低い。この配合の重賞勝ち馬はキョウヘイ(シンザン記念)のみである。現在のところは相性の良い配合とは言いにくい。
〇馬体・歩様
胴長の馬体。筋肉は程よくついているが、ややトモが寂しい。肩はやや寝気味、つなぎは立ち気味、飛節は極端な曲飛。適性は芝の中距離~長距離と考えられる。歩様はスムーズで長い四肢は軽やかである。今後の成長でトモに力強さが出てくれば、募集価格以上に楽しめると考える。
〇千田輝彦厩舎
開業10年目の厩舎。芝、ダートともに短距離のレースを得意としている傾向がある。主な管理馬にはタガノアガザル(ファルコンS)がいる。騎手は竹之下智昭や岩田望来の起用が多いが、ここ一番というときには武豊の起用が目立つ。直近3年のリーディングは2019年77位、2018年116位、2017年109位。勝ち上がり率は20%と低い。社台系生産牧場の預託馬は8%程。