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【技術士二次試験】申込書ははぜ重要なのか?

今回は技術士二次試験の申込書はなぜ重要なのか?について書いていきます。
みんな大事!大事っていうけど?直接的に合否が左右されるものではないのですよ!(知ってました?)

じゃあなぜ大事なのか?

技術士を受験するのですから、独自性・高度な戦略をもって技術士らしく試験に臨みましょう!

申込書がなぜ重要なのか

技術士二次試験の第1関門は申込書といっても過言ではありません。

私が技術士二次試験を受験する時、提出しないといけない期限まで数日のところで全く手を付けていませんでした。

そして技術士資格を保有する上司に、この申込書って結構大変ですね。

業務内容の小論文を書かないといけないんですね。なんてのんきなことを言ってると、その資料ほんとに大事だからそんなノリじゃダメだ!と強く言われました。

急いで作成して、それなりの添削を受けて急いで提出しました。他の試験での申込書はせいぜい経歴を書く程度でしたから、半日もあれば余裕と思っていたのです。

それから技術士の知識を学びだすと、対策のスタートは筆記試験ではなく、申込書の重要性ばかり目に入ってきます。

これは受験前に落ちたな。と思ったほどでした。

それらの情報の多くが申込書はいかにコンピテンシーに沿って記載するかが合否を分ける。と説明しています。

私はコンピテンシーのコの字もわかりませんでしたから、技術士の技術力についてばかり書いていました。

少なからず、上司に確認してもらっていたので、文章はそこそこだと思いますが、10年も20年も前に取得した技術士試験とはさすがに動向が変わっていたようです。

「技術士試験とは技術力をいかにアピールするかだ。だから720文字にはありったけの技術力を書け」と言われていました。

なぜこのような食い違いがあるのかを理解してもらいたいので少々説明します。

実は私が技術士試験を受けた2020年の1年前、2019(令和元年)より試験の内容が大きく変わっています。

さらに遡ること5年前、2014年3月に「技術士に求められる資質能力」が文科省技術士文化会により制定されました。

その結果、コンピテンシーが非常に重要視されるようになりました。(特に継続研鑽などの分野が重要視されるようになったのです。

継続研鑽が国際的資格APECエンジニア等の登録に必要であるからです)つまり2014年より前、

もっと言えば試験制度が変わった2019年より前か後かでは試験制度、つまり採点制度が変わったということです。

コンピテンシーは先述した通り、専門的学識というのが第1項目に挙がっているものの、あくまで項目の中の1つでしかありません。

つまり資質という意味で技術力が高ければいいというわけではないことを示しています。

コンピテンシーを意識せずに受験するのは現状の試験制度では100%不可能なのです。

コンピテンシーって何?

初年度の受験生には聞き覚えのない言葉かと思いますが

翻訳しますと コンピテンシー:能力・実力・有能さ・適性…等とされていまして

文部科学省の技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)として

「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)について、国際エンジニアリング連合(IEA)の専門職としての知識・能力」

(プロフェッショナル・コンピテンシー、PC)を踏まえながら、以下の通り、キーワードを挙げて示す。

これらは別の表現で言えば、技術士であれば(CPD)を行うことが求められる。・・・と記載されておりその以下のキーワードが

 ・専門的学識

 ・問題解決

 ・マネジメント

 ・評価

 ・コミュニケーション

 ・リーダーシップ

 ・技術者倫理

と挙げられています。

それぞれの詳細説明はHPを読めばわかるので割愛しますが、

技術士=専門的学識を有することではないのです。

このことを意識して以降の勉強を行うか、勘違いしたまま勉強するかで、

新しい知識を得たときのお腹にスっと入ってくる感覚が全然違いますので、まず意識しておきましょう。

(私はこの部分を最後まで理解得できておらず非常に苦労しました)

技術士というのはそれぞれの分野においてリーダーとして活躍してその分野の科学技術の発展に寄与すべき存在なのです。

ですから、専門的学識はもちろんですが、その他の項目はどちらかというと人と人との関係性向上であったり、

部下・関係者が円滑に業務を行えるような人間力を有しているか、さらには技術者としての倫理を有しているか、

というところが大事になっているのです。本当に意外な話です。7項目中6項目が具体的な技術力ではないのです。

こう言っている自分もおかしいのかもしれません。

つまりは技術力・・・はマネジメントやコミュニケーション能力もその他様々な能力も含めて技術力である。

と、文部科学省は、国際エンジニアリング連合(IEA)は言っているのです。

さてこれを意識すると良いと伝えた理由は大きく2つあります。

(ここで意識すると良い理由が2つであって、最終的にはこのコンピテンシー、非常に重要で2つどころの重要性ではありません。)

1つ目は、何度も言いますが専門的学識の取り違えを防止することです。

まず技術士二次試験の難関は3回あります、1回目は筆記試験ではなく・・・その前の申込書提出。

2回目が筆記試験。3回目が口頭試験です。

試験時には常に、コンピテンシーを意識するかどうかは非常に重要です。

私のように技術力勝負でしょう!と思うか、

しっかりコミュニケーションやリーダーシップなどを意識して業務をこなしたかは技術士としての能力だけではなく、

責務を果たしているかどうか、までの評価につながります。

技術「力」勝負は専門的学識だけではないことを知ることがまずのスタートにあたります。

2つ目は、問題解決・マネジメント・評価・コミュニケーション・リーダーシップの能力は

直接的に伝えずとも論文記載時にその一端が表れることにあります。

少し例を出しますと、就職活動の時に

「(面接官)あなたの長所は?」の問いに

「(受験者)…私の…長所は…えーっと…えーっと…コ・・・コミュ・・・コミュニケーション能力があることです」

と答えられて『確かに!』と思いますか?絶対に思いません。

その中で今回はコミュニケーション能力が必要と言われています。

さて、非常に面倒な言い回しをしましたがこれを機に覚えてください。

技術士の資質能力(コンピテンシー)の中で言われるコミュニケーションは、会話能力ではなく、

利害関係者の明確かつ効果的な意思疎通を図ること、協調すること。とありますのであくまで喋りの上手さとは異なります。。

何が言いたいかと言いますと、このコンピテンシーを意識して書く論文とそうではない論文は内容が異なってくるということです。

さらには、このコンピテンシーを勘違いしていると論文にコンピテンシーの意識がないこと、その受験生にはコンピテンシーが備わっていないことを露わにしてしまうことにすらつながってしまうのです。

ですからこの時点でコンピテンシーの各項目を理解しておく必要があります。

コンピテンシーをわかってない、表現できないくらいならまだいいですが、

勘違いしたコンピテンシーを論文で記載してしまっては「理解していない」と即B以下の評価につながると思われます。

学科試験時には詳しく理解していなくても、こういう定義である。

間違った表現はしないでおこう。とせめてその程度は意識しておいてください。(学科試験ではわざわざ表現しない限りコンピテンシーを深く表現する設問はないからです)

申込書の使い方

申込書はあくまで口頭試験時に質問をするためのネタ集であると考えるのが良いと思います。

先述しましたが、申込書の出来いかんで筆記試験の合否が決まることはないと考えます。そして口頭試験の点数に申込書の出来が加味されていることもないと考えます。

あくまで申込書は口頭試験のネタ集です

もしかするとどこかの誰かが申込書は合否に直結する!と言っているかもしれません。しかしそれは、事実ではありません。

なぜなら採点は筆記試験と口頭試験にしか行われていないからです。

口頭試験の採点表に申込書の評価という欄はありません。

そして、口頭試験の採点表の質問項目は必ずすべて口頭試験で問われます。

つまり口頭試験の評価こそ口頭試験の評価点になっていると思って間違いないと思います。

つまり申込書で、100点を取ることよりも口頭試験で100点をとる方が効果は高いです。

よって具体的に申込書をどのように使うかを考える方がずっと簡潔で明瞭なのです。

ここまで口頭試験を意識するように伝えましたので具体的にどのような質問があるのかイメージした方がよいと思います。

詳細は後述いたしますがここでは質問のリストを記載します。

 ・業務内容の詳細に記載した事項について3分程度で説明してください。

 ・業務を進める上で注意したことはなんですか?

 ・あらゆる(コンピテンシー)を発揮した事例を教えてください。

 ・具体的な技術内容(信憑性のチェック)

 ・業務内容の詳細に記載した事項以外を1分程度で紹介してください

 ・先に聞けなかった(コンピテンシー)を発揮した事例を
  教えてください。

 ・技術者倫理とは

 ・技術士になったらどうしたい

などです。

ここでわかることは

 ・業務内容の詳細に記載したことの説明するチャンスは

  口頭試験にもあること

 ・面接官から聞きたいコンピテンシーの種類に応じて

  質問がなされること

 ・技術的な課題(品質・工程・材料の供給・利害関係の調整等)も

  問われること。

 ・形式的な質問が多いこと

です。

実際の質問内容を聞いたことで先述した内容の理解が深まりましたでしょうか?

口頭試験は自己PRの試験ではなく、聞きたいことは聞いてくれる試験です。

技術士の試験制度が改定される前までは面接官の考えによって質問の内容が異なっていたようですが、

現在の制度では、質問内容・採点基準等が統一化されていると思われ、多くの受験生が同じような質問を受けています。

つまりここまで具体的にコンピテンシーのことを聞いてくれるのであれば記載していなくてもコンピテンシーについては問われるということです。

ここまでご説明した通り、現行の技術士二次試験では、申込書を計画的に作成し、提出しておくことが本当に重要です。

そして、合格に直結する努力なのです。

申込書の提出前に・・・

私は、口頭試験を終えて、申込書とはただ単に経歴を記すものではないと思いましたし、ただ単にコンピテンシーを記載すればよいというのも違うと思っています。

考えて、考えて、考え抜き、最も合理的と思われる方法で申込書を提出できるように、この続きを書いている以下の記事をぜひともご購読ください。

必ずお力になれると思います。

Noteで紹介中「技術士二次試験の合格テクニック【先を見越した出願!編】 ~最短で最大の効果を得るために~

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