「おじ」はいるけど、「おじ」はいません!

家族の呼び方と言うのは、言語とその文化によって大きく違いが出ます。

英語などヨーロッパ言語では兄弟は性別だけで上下はあまり気なしないこともあれば、

韓国語や中国語などおじいさんおばあさんが父方か母方かなどでも呼び方が変わる言語もあります。

ベトナム語は上の者に対する呼び方はある程度細かいようですが、いとこ、孫、甥や姪などは全て同じ呼び方をするのだとか。

日本語のそれはどうかと言うと、やはり外国人には多少難しいようで、特に、本人に直接呼びかける時の言い方と他者に言う時の言い方が違うのがややこしいみたい。学生はよく、「先生、おじいさんが…」と言うので「は、おじいさん?私の?」と聞き返して「あ、そ、祖父です」間違いに気付いてもらいます。そのとき、「祖父」を「そぼ」やら「そば」やらと言い間違えています。笑

この父、母、祖父、祖母などはまだいいとして、おじさんおばさんくらいになると混乱する学生も出てきます。おじさんは親の男兄弟というのはわかっています。それを説明できたときは得意げです。

そこでいうのがこのセリフ。

「わたしは『おじ』はいるけど、『おじ』はいません。みなさんはどうですか?」

という一言。

みんな「は?」という顔になります。聞き間違えた?という感じです。そりゃそうだ。

でも、間違いじゃありません。

わたしは『叔父』はいるけど『伯父』はいないんです。

時々日本人が書いた投稿などをみていても混乱して書いている人を見かけますが、これは明らかな違いがあります。

伯父→父母の兄(または姉の夫)

叔父→父母の弟(または妹の夫)

です。

音は同じ「おじ」ですが、漢字が違うのは有名な話。(『はくふ』、『しゅくふ』という読みもありますが、まぁあまり使いませんわな。)

つまり、私のおじたちは全員両親の(義)弟ということになります。

これを学生に言葉だけで伝えると流石に「は?」となるのはわかります。そこをみているのが面白い。

その後、「漢字が違うんだよ」と伝えると

「あぁ!😊」。

呼び方に細かい違いはないけど、書き分けは細かい。日本語の特徴ですね。

『オバ』も同じ話。伯母と叔母。

たとえば、先日姪っ子ちゃんが生まれた友人が、「叔母になりました」とSNSに書いていたんですが、その子本人は独身だし、兄弟は妹しかいないはずなのでおかしいな、と思い、こそっと「叔母になったの???」とお祝いメッセージとともに聞いてみたら、「間違って覚えてたー!!!ありがとう!直しとく!」という返事が。

日本人も間違える日本語の例です。

授業ではその後は「おじさんの奥さんはなんですか?」など家族の呼び名大会に発展しやすいのでその度に調べてきました。おかげで、日本語での家族の名称に詳しくなりました。笑

親のいとこは何というか(いとこおじ・おば)、その子どもは?(はとこ)など。これを使う日は日常生活で出てくるんだろうか…

ちなみに、家族の名称はサザエさん家の家系図がわかりやすいです。学生がサザエさんを知っていればの話ですが。


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