結び人形
初めて羊の毛に触った。
羊の毛のかたまりは、ふわふわしていて、でも鳥の羽とはまた違う。気持ちが落ち着くあたたかさ。
じーっと見ると、一本一本が違う様に波打っている。それが重なって球体に見えて、まるで泡。
羊毛の塊をぎゅーっと握り、形を作る。
頭と胴体の形を作る。その途中、羊毛のかたまりと目があい、ドキッ。
もちろん目も鼻もないのだけれど。
自分みたい。写真で見た赤ちゃんの頃の自分自身みたい。
他の方の人形をチラリと覗くと、自分のと全然違う感じ。
みんな同じ大きさで毛のかたまりを作り、一緒に布を染めて、同じ寸法で縫い合わせていく。
”一人ひとり違う人形が出来上がるんですよ”
と言われていたけれど、本当にそれを目の当たりにしたら。。。
どんな人形になるかな
きっと私の小さい頃によく似た、素朴な顔の人形になるだろうな。
と思っていたのだけれど、自分とも違う。
かわいくてやんちゃそうで、ぎゅっと抱きたくなる人形ができた。
最後はおくるみ。
おくるみの、頭が置かれるその場所に、私は夜空を思い浮かべながら刺繍することにした。こころおどる様な夢をみながら、深く、楽しく、気持ちよく、眠れるように。
風とおしがよくて、陽当たりがよくて。そんな気持ちがいい場所で、ほのぼの、ゆったり作れた。感謝。
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