第一回「煩悩即菩提」 3、感情の正体
今回はまず、今までの人生で強烈に苦しかったことを思い出してください。
・・・
思い出せましたか?
ものすごく辛い時があったって記憶はあるんだけども、それがいざどんな感情だったのかと思い出そうとすると、意外と思い出せないんじゃないでしょうか?
辛かったって記憶はあるんですけど、どうつらかったのかっていうのは意外とリアリティを欠くんですよね。
感情の正体
怒りとか悲しみとかがバーンと占めた時は、それしかないんだ!くらいに思ってるんだけども、月日が経過して、それが消えた時っていうのは何のリアリティがあったのか全く思い出せないってくらいなもんなんですよ、感情っていうのは。
何を言いたいかっていうと、感情ってのはあると思わせるんだけども実質は何もないんだっていう話なんです。肝は。
でも、あると思った瞬間にあるんです。
悲しいと思ったら、悲しいんです。
けど、いざ半年経ってみる、一年経ってみると‥あれ?なんだったんだ?って思い出せなくなる。
これが感情の正体です。
悲しいっていう実体なんかどこにもないのに、悲しいと思ってしまう人間がいる。
感情が揺らぐ原因
自分の思い通りにならないと、怒る。
自分が欲しいものを失われると、悲しい。
常に自分の思い通りにしたいっていうベースがあるから、すべての欲がこじれていくんです。
自分の思い通りにならないときに怒ったり、悲しんだり、恨んだり、妬んだりするっていうことです。
だから、悲しみ自体に実体があるんじゃなくて、自分の思いにできない時に感情が揺らぐ。
自己の意識ってものすごくずる賢いから、例えば怒った場合は、相手が悪いってするんです。
怒った時は、正義を振りかざすんです。これがまた物事をややくしくしてどんどん深みに入っていくんです。
相手が悪いから、私は怒ってんだ!とか、こうすべきなのにしてくれない!とか、そうやって正当化の罠に入っていくと抜け出せなくなるんです。
感情とか自分の欲は巧妙だから、感情とか欲として人間は認識できないんです。
感情と自分の欲に乗っ取られるんです。
そっからスッて離れる方法を仏教で学んでいく。
もっと気楽にスカッと生きられるようにするのが仏教の目的です。
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