見出し画像

いいね#6 巨人と対峙する恐怖を味わえ

思わぬ大ブームとなった鬼滅の刃。コロナで経済が低迷する中、商業界にとってはまさに恩人。様々な分野でコラボや便乗商法が話題になっています。
昔に比べてアニメに対する世間の見方が優しくなったのか、あるいはこれを商機とみる人たちが増えたのか、アニメや二次元キャラが暮らしの中でかなり一般化してきているようにも感じます。特にそれが顕著に表れているのが、地域活性化を目的として取り組んでいるアニメを用いた街おこしです。

西日本新聞は、大分県日田市が進撃の巨人の登場キャラの銅像を大山ダムそばの広場に設置され除幕式が行われたことを報じています。著者の諫山創さんが同市出身地と言うことで、地元を盛り上げたい著者の願いを引き継ぐ形で市民有志によってプロジェクトが立ち上がり、クラウドファンディングによって2968万円の資金が集まったそうです。

「進撃の巨人」は講談社より出版されている漫画で、人と巨人の生死をかけた戦い、またその裏にうごめく大きな謎が話題となり、2013年にアニメ化されると3度にわたって続編が制作された人気作品です。2020年12月6日からはNHK総合でFinal Seasonの放送が予定されています。

主人公たちが住む城壁都市を覗き込むように巨人が現れる有名なワンシーンがありますが、銅像と同じ目線で見上げるダムはまさにその城壁のようで、風景は違えど、同じような景色を垣間見ることができるかもしれません。

作中の城壁はかなりの高さがありますから実際にレプリカを作るのは至難の業。その点、今回の銅像の設置場所は既存の建造物を活かした見事なアイデアと言えるでしょう。ARカメラなどで実際に巨人と写真が撮れたら面白いかもしれませんね。昨今多くの成功を収めてきたInstagramとの相性にも期待したいところです。

今回のプロジェクトの中心となった「進撃の日田まちおこし会議」は今後も様々な企画を用意している様子。公式サイトもかなり力が入っていて、日田を進撃ファンの聖地として長く愛される街にするため力を注いでいます。

アニメとコラボして成功した地方の街おこしといえば、2011年にアニメ「花咲くいろは」と石川県金沢市にある湯涌温泉がアニメに登場するお祭り「ぼんぼり祭り」を開催したり、2012年にアニメ「ガールズ&パンツァー」が、舞台である茨城県大洗町で毎年開催されていた「あんこう祭り」に参加し、ファンが押し寄せたことも記憶に新しいかもしれません。どちらも一過性のものではなく、現在も行われ大勢のファンの聖地となっています。残念ながら今年はどちらもコロナの影響で中止になってしまいましたが、来年、再び開催されることを期待しています。

唯一無二の観光地やふるさと納税などによって財源を増やし、地域活性化を促進したい地方。コロナで大打撃を受けている中、次の一手をどう打つか。熱心なファンのファン心理を上手くついたアイデアと地元市民の柔軟で協力的な発想がこれからまた新しい伝統を生むかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?