部下にメモはとらせず、コピペを送ったほうがいいと思う
口頭の説明をメモらせるのって、実はめっちゃ不親切
以前は「口頭の説明をメモらせるのって、実はめっちゃ不親切じゃない?説」くらいに思っていましたが、今は確信があります。
不親切です。
メモは口頭説明の正確性を担保しない
こんな事例を想像してみましょう……。
上司「まずは手順1では〇〇をする。次に手順2で△△をする。最後に手順3で××をする。いいね?」
部下「はい!(しっかりメモしておいたぞ!)」
後日
上司「おい部下! 手順1では△△を、手順2では××を、手順3では〇〇をする、って教えたよな! しかも手順4を忘れてるじゃないか!!! なんでちゃんとメモをとっておかないんだ!」
部下「い、いえ、私はちゃんと言われたとおりにメモしたはずですが……」
上司「いや、そんなはずはない! お前のメモが間違ってる! 俺は絶対に正しく伝えた!」
↑
極端な話ですが、上記のようなことが成立してしまいます。なぜなら、部下の側には「上司が口頭で何を説明したか」を証明できないからです。
言った言わないの話になれば、上司のほうが立場が強くなります。
どんなに正しくメモをとっても、口頭説明の内容が正しいとは限らないのです。
メモはメモ自身の正確性を担保しない
続いて、こんな事例も想像してみましょう……。
上司「まずは手順1では〇〇をする。次に手順2で△△をする。最後に手順3で××をする。いいね?」
部下「はい!(しっかりメモしておいたぞ!)」
後日
上司「おい部下! 手順1では〇〇を、手順2では△△を、手順3では××をする、って教えたよな? なんでちゃんとメモをとっておかないんだ!」
部下「いいえ! 手順1は△△、手順2は××、手順3は〇〇ってメモに書いてあります! 先輩が絶対にそう言いました!!!」
上司「(あ、あれぇーっ???)」
↑
上記のようなことも成立します。なぜなら、上司の側も「自分が口頭で何を説明したか」を証明できないからです。
メモとして残っている、と強硬な態度に出られると反論のしようがありません。
どんなに正しく口頭で説明しても、正しくメモをとってもらえているとは限らないのです。
“説明の横でメモ”はさせず、“正しいメモ”のコピペを送る
前述の例で言うと、口頭で何かしらの説明ができるということは、作業内容は上司の頭のなかには入っているはずです。
で、あれば、上司側は“正しい作業手順のメモ”をもっている、または作れるはずです。
であるならば、それを部下に送ってあげればいいのです。
人はそれを、作業標準書と呼ぶ
工場や製造現場など、一つの作業間違いが文字通りの意味で命取りになりかねない職場では、必ず作業標準書があります。作業手順のメモを部下に任せていたら、命に関わるからです。
“正しい作業手順のメモ”は作業者全員に周知されているのです。
部下の側がメモするのは、作業標準書には記載されていない細かいコツとか、言語化しにくい職人の勘のような箇所、あるいは「明日は〇〇が必要になるから」といったイレギュラーな対応がメインとなります。
その調査にかかる精神と時間のコスト、いらないよね???って場面は、けっこうある
こんな事例はないでしょうか。
部下「〇〇の箇所が分からなくて……」
上司「ああ、それなら社内ポータルに書いてありそうだな……。うん、見つけたよ、社内ポータルに書いてあったわ。調べれば分かるから、あとで調べておいてね。」
部下「はい!」
後日
上司「あれ、まだ〇〇終わってないの?」
部下「それが、社内ポータルで探すのが手間取っていて……」
↑これ、上司の「社内ポータルに書いてあったわ」の時点で、そのURLを共有してあげれば良かったんじゃない?
もちろん、調査の仕方を学んでもらうとか、社内ポータルの見方を覚えてもらうとかの目的もあるかもしれないですが。
でも、「今、作業に必要なこと」は、教えてあげるでよくない???
そういう「調査の仕方」とか「社内に慣れていく」みたいなのって、別の機会で育成する、でよくない???
一概には言えないかもしれませんが、例えば急ぎの作業を行うべきときとかに、「そのとき自分の手元に解決策がある」のなら、それをそのままコピペして共有してあげたほうが良い場面もあるでしょう。
URL系は貼りつけてあげたほうが親切
例えば、部下に競合調査を依頼していたとします。こんな返信が来たらどうでしょうか?
「調査完了しました! 『パーカー カワイイ ECサイト』でGoogle検索すれば出てきますよ!」
↑
いや、URL貼れよ……って思いませんか?
「調査完了しました!
https://〇〇〇~
https://△△△~
https://×××~
などが見つかりました!」
↑
こんなふうに答えてほしいですよね。
それとまったく同じことなのではないでしょうか。「調べた結果」をそのままURLとして提示してあげたほうがいい場面では、ちゃんとそうしましょう、というお話です。
ちょっとの精神と時間のコストを可能な限りなくしたい
別に、『パーカー カワイイ ECサイト』でGoogle検索すりゃあいいし、社内ポータルにあるって上司に教えてもらったなら部下は社内ポータルを探せばいいんですよ。
でも、それには「ちょっとの調査コスト」がかかります。具体的には、調べるための精神力と、たどり着くまでの時間です。
ひと手間かかっちゃうことが分かると、急に尻込みすること、ないでしょうか。私は大いにあります。あと、「調査して目的のものを見つけた」ことでひと仕事終えたような気になって、落ち着いてしまうこともあります。
本来は、競合他社の事例から今後の方針を見つけることだったり、社内ポータルで確認して〇〇の作業を完了することだったりが「ひと仕事」であるにも関わらず、です。
この「ちょっとの調査コスト」をなくせるだけで、それにかけるはずだった精神と時間を、本来の目的に向けてもらうことができます。
ミーティングは日時にプラスしてURLも貼りつけするとか
例えば、昨今のミーティングはWeb会議が主流という人も多いかと思います。
ミーティングを設定したら、私は以下のようにチャットで連絡しています。
参加者全員をメンション。
日にちと時間を記載。
ざっくりと議題と会議のゴールを記載(相談なのか決定なのか)。
ミーティングのURLを記載。
別にカレンダーに登録してあるし、始まるときにカレンダーから飛んでもらえばいいんですよ。
でも、ミーティングを設定するときって、大抵、ミーティングのURLも自分の手元で簡単に見れるじゃないですか。
それを、3クリックとかショートカットキー3回押すとか、その程度の労力でコピペできるわけです。
やらなくても別にいいけど、”あえてやらない強い理由”はないです。だから、とりあえずやっています。
少なくとも、「ミーティングURLを貼りつけといて良かった~」っていう場面はちょっとだけ経験しており、逆に「なんでミーティングURLを貼りつけたんだ!」と怒られたり不便に思ったりしたことは、今のところ一度もありません。
まとめ
不親切な「メモをとれ!」は避けよう。
そんなに大事なことなら、”正しいメモ”を渡してあげよう。
手元に連絡事項に関連した何らかのURLがあるなら、とりあえずコピペして伝えても損はなさそう。
調査にかかる精神と時間のコストを減らし、それを本来の目的に向けてもらおう。
こうやってるとうまくいくし、こうじゃない人の指示ってけっこう大変そうだなぁ~と感じています。
途中でも少し触れましたが、メモをとらせることや自分で調べさせること、あるいはメモをとることや自分で調べることすべてを否定するものではありません。
それが大事な場面もあります。ですがあまりにも、「それが大事じゃない場面で、メモさせたり余計な調査をさせたりする機会があるなぁ」と感じています。精神と時間は有限なので、余計なことに使いたくないし、使ってほしくないのです。
これを機に、自分の指示や自分に降ってくる指示について確認してみてください。
今回は、あんまりクリエイター向けの内容ではなかったですね。
それでは、みなさんに良きクリエイターライフがあらんことを。
クリエイターじゃない人にも、なぜか良きクリエイターライフがあらんことを。
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