【徒然雑文】「授業中にスマホいじってもいいよ、周りに迷惑かけなければ私語もok」と宣言してみる。
「授業中のケータイ、私語は禁止です。発見した場合は退出を命じます」-よくシラバスで見るこの注意事項。どれくらい意味があるのだろうか。そもそも、授業中にケータイをいじること、私語をすることの何がいけないのか、教員側は明確に意識しているのか。誰もがスマホを持っている時代。私語はともかく、スマホは情報検索端末にもなる。使い方は使用者に委ねられるのであって、一律に禁止するのはもはや(というかそもそも感もあるが)時代遅れだろう。
私は、他者加害原理を授業時のモットーにしている。ほかの人に迷惑を掛けなければ、基本的に何をしていてもいいというスタンスだ。確かに、授業中にずっとスマホをいじられるのは教員側にとってはあまりいい気分ではない。でも学生側からすれば、面白くもない授業をひたすら90分聞くのも苦痛だろう。スマホくらいいじらせろと思うのも理解できる。要は、授業が面白くなければスマホをいじるし私語もする。教員側にもつまらない授業を作った責任がある。自分の授業がつまらないということから目を逸らしてはいけない。悔しかったら学生が身を乗り出して聞くような授業にすればよい。
このことを肝に銘じ、私は授業開始時に宣言している。「この授業では、授業中にスマホをいじってもいいです。私語も、周りの迷惑にならなければある程度は許容します。じゃがりこなど音の出るお菓子はダメですが、グミ程度なら大丈夫です。」さらに付け加えます。「ただし、ほかの受講生の迷惑になる行為は許しません。」
授業にも、むしろスマホを使って意見交流する機会を積極的に設けている。匿名で他の学生と意見を交換できるのは意外と刺激的なようだ。
前期もラストスパート。ありがたいことに、スマホや私語でストレスは感じていない。学生も、割と聞いてくれている印象だ。教員側が工夫し努力すれば授業の環境はいくらでも変わる。「スマホいじるな、私語するな。」教員側の怠惰さを感じざるを得ない。
自戒も込めて。
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