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知り合いゼロ、職なし、コネなしのやけっぱち状態で東京から愛媛に移住したら、こんなに人生変わりました。


1)そもそも移住なんて簡単にできるものじゃない

ここ最近は移住、移住って簡単に言うけれど、生活の場所をまったく別の場所に移して一から新しく住環境をつくり上げるのは、まったく楽じゃないです。控えめに言ってものすごおくエネルギーが必要です。これからの人生や仕事のことを真剣に考えなくてはいけないし、人間関係だってガラっと変わる。

切羽詰まったものがあるからこそ人は行動する

だから移住ができるのは、若くて身軽で好奇心や冒険心にあふれる人、どこでもできる仕事で多拠点生活がそもそも可能な人、もしくは退職してお金と自由がある人、ということになる。

でもそれ以外の多くの人は、やけっぱちな状況だったからという理由が大きいのではと推測します。「えいやあ!」と新しい環境に飛び込める(飛び込まざるを得ない)状況になったからということですね。今の居場所が快適で居心地がいいなら、未知の環境に飛び込むなんていう苦労をしなくてもいいじゃないですか。

かく言う私もその一人。離婚し仕事も辞め人生計画がすべて白紙になり、やけっぱちな状況で、実家のある東京から愛媛に勢いで移住しました。

しまなみ海道・本州から四国に入るときこの景色にワクワクしました

離婚し、仕事を辞め、旅に出てはじめてやってきた愛媛

当時31歳。四国には知り合い一人もいませんでした。おまけに住む場所や仕事の当てもまったくない状態。「好きな場所に住むぞ」と旅に出て、はじめてやって来た愛媛が気に入り、勢いだけで移住してしまいました。

当時を振り返ると、よくまあこんなことできたよね、と自分でも感心してしまいます。やけっぱちってものすごいエネルギーが出るものなんですね。

あれから14年が過ぎました。そんないい加減なスタートで、果たしてその後の人生はどうなっちゃったのでしょうか?

2)場所を変えれば人生が変わる


場所を変えたら私の人生もガラリと変わりました。

移住から14年後の変化

  • 無職・専門スキルなし→建築士になり独立・個人事業主

  • 離婚して独り身→ポーランド人パートナーと2匹の猫

  • 賃貸生活→不動産購入しリノベして住居兼事務所

  • 自然が遠い→家から徒歩10秒で海

  • 知り合いゼロ→いい仕事仲間と友人に囲まれ、外出すると知り合いに会う確立高い

はじまりが何もないと、上がるしかなくて実にいいですね!

家からの景色
中古住宅を購入しリノベ
窓の外は庭が広がる
家から歩いて数分でこのビーチ


家での食事会が多い

こういう写真を見せられると、移住に対して夢が膨らみませんか? 

これは偽りのない今の私の現実です。でもキラキラしたイメージで移住を考えている人は要注意です。勝手に見せといておまえが言うなよ!って突っ込みたくなりますね。すみません。


3)キラキラした移住を夢見ると痛い目に合う


私の人生は、移住をきっかけにいい感じに変化できたわけですが、もちろん順風満帆でここまで来たわけではありません。心身ともに打ちのめされて、心折れそうになったことが何度となくありました。

移住成功のカギは仕事とお金

結局のところ、仕事とお金のことが上手くいかないと、どんなに理想的な環境に住んでいたって、心は穏やかではいられません。仕事やお金がないのに、毎日きれいなビーチでゴロゴロして楽しめますか? 一時的には幸せを感じても、長い間心から楽しむことはできないでしょう。

軽い気持ちで「好きなことで手に職を」と建築業界に飛び込んでみたら・・・

私の場合、東京では専門性のない事務職でした。東京での仕事を辞め、旅をして「こんな海の近くに住めたらいいな」というくらいの軽い気持ちで愛媛にやってきました。

これまで仕事について真剣に考えてこなかった私でしたが、環境が一転したのを機に「好きなことで手に職を」と建築設計の仕事を選びました。建築は未経験で知識もまったくない状態でした。

建築の仕事はゼロからはじめました

キラキラの移住生活はまぼろし!?

なんとか地元の工務店に就職できましたが、小規模の建築会社で働くのは、けっして楽ではありませんでした。仕事は厳しいし、給料は少なく、サービス残業、サービス出勤は当たり前。遊ぶ暇がなく仕事しかしていないのに、生活に困窮する状態が長く続きました。プライベートでもストレスが多く、病気やうつになったり、踏んだり蹴ったりだった時期もあります。家族も友人も、頼れる人は遥かかなた・・・なーんて気分になり、東京での生活や友人たちを懐かしく思っていたこともありました。

そんな状態だと、当たり前ですが、キラキラした移住生活なんて紙一枚も入り込む隙間がありません。

これは私個人の体験なので、もちろんそれほど苦労していない人もいるでしょう。でも大変さの程度はあっても、いいことだけが続くキラキラ生活はないのは確か。これは移住に限ったことではなく、どこにいたって、誰の人生だってそうですよね。

独立してから一緒に仕事をしている大工さん


怒涛の日々を乗り越え、会社員を辞め独立し、仕事がうまくいきだしてから、愛媛での暮らしがこれまでになく楽しくなりました。

現在は独立して家で仕事しています。

仕事って真剣に考える価値のあるものですね。人生の中で多くの時間を費やすものですし、これほど幸福度に影響をあたえるのですから。

4)何もない状態から少しずつ手に入れていくプロセス、これが幸せの極意


私にとっての移住は、人生の方向を180度かえてしまうくらい大きなインパクトがあるものでした。結局のところ一番大事なのは、自分の人生にどれほど真剣に向き合うか、ということになるのではないでしょうか。そのためには、必ずしも移住をする必要はありませんし、やけっぱちになる必要もありません。でも、本当にやりたことに向き合ってきた人と、何も考えてこなかった人、長い人生で振り返った時に大きな差となるでしょう。

まったく違う環境に飛び込むこと、そこで失敗して挫折したりするからこそ、自分の人生に真剣に向き合うきっかけが生まれます。何もないところから試行錯誤しながら、自らの手で欲しいものを手に入れていくプロセス、それを経験することが幸せとつながっているんだなあ、と今になって感じています。

そう、人生ってそんなもので、良いことも悪いことも大なり小なりある中で、後になって振り返ってみたら「いい人生だったね」と言えたもの勝ちなのかもしれません。

保護猫たちもこの家と共にやってきました
ああ、こういうのが幸せなのね・・・
休みの日は気軽にアウトドア。愛媛に移住したくなっちゃいましたか? 


たどりついた現在の仕事
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