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僕とファミコンとグーニーズと

 ファミリーコンピュータが出たのは1983年。
 僕は小学1年生だった。

 もちろん、現在語られているようなファミコンの歴史的な意義など全く知る由もなく、友達の家に行って任天堂のベースボールなどを、押しにくい四角いゴムボタンで遊んだりしていたように思う。

 たぶんそんな感じで、友達も持ってるから買ってー買ってーとねだってファミコンを買ってもらった……のだと思う。このあたりの記憶は曖昧、というか全然覚えてない。ただ入手したのは小学校2年の終わり頃だったと思う(もうコントローラが丸ボタンになっていたから、これは確実)。

 はっきり憶えているのは、秋葉原まで行ってファミコンを買ってもらったことと、ファミコンには最初からソフトが7本か8本、付いてきたこと。

 お得じゃん! と思うかもしれないけど、当時は横行していたソフトとの抱き合せ販売だ。

 そういったわけで、初めて自分のファミコンで遊んだのは、この抱き合わせ販売でついてきたソフトだった。何でかわからないけど、KONAMIのゲームがいっぱい付いてきた。売れてなかったんだろうか。それでも、夢中になって遊んだ。

 当時はまだゲームで遊ぶのに夢中だったので、BGMの事なんて全く気にしていなかった。今では一大ジャンルにまでなった8bitサウンドも、当時は大人から単なる「ピコピコ」と馬鹿にされていた。

 それでも、はっきりと記憶に残っている曲はある。
 KONAMIの「グーニーズ」だ。

 この曲は、映画「グーニーズ」の主題歌であるシンディ・ローバーの名曲を元にしたものなのだけれど、僕と同世代の子どもは映画よりもむしろゲームで「グーニーズ」を知ったし、曲もゲームのメロディのほうを憶えているという人が多いんじゃないかと思う。

 ゲームの面白さもさることながら、この冒頭の、♪てってて ててて てれてって てててて…というメロディ。小気味よいドラムのビート。
 実にクセになるというか、頭に残っている。シンディ・ローパーの曲が元になってるから当たり前なのかもしれないけど。

 ちなみに「グーニーズ」は映画の権利の関係か、その後いっさい移植されていないし、サウンドトラックも発売されていないし、KONAMIの名曲集のようなアルバムにも、「グーニーズのテーマ」が収録されたことはない。はず。

 なんなら、グーニーズのマイキーが自キャラとして登場するせいか、今で言う「◯◯大戦」系のゲームの走りである「コナミワイワイワールド」も移植されていないし、サウンドトラックも出ていない。と思う(海外で発売されたものの中には、収録されているものもあるみたいなんだけど、あんまり詳しくは知らない)。

そして、同世代の多くの子どもたち同様、ファミっ子少年としてファミコンに夢中になっていった僕にとって、衝撃的なゲームがこのあと登場することになる。


「僕とドラゴンクエストと序曲と」に続く

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