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備忘録 22-07-25
天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ
――先天下之憂而憂、後天下之楽而楽
『文章軌範』
憂うるべき事態は人々が気づくまえに察知して解決に奔走し、楽しみごとは人々に楽しんでもらってから、自分はその後で楽しむ。略して「先憂後楽」といい、リーダーのあるべき心構えを語ったことばだとされる。宋(そう)の范仲淹(はんちゅうえん)という政治家の書いた『岳陽楼記(がくようろうのき)』と題する文章のなかに出てくる。
ちなみに范仲淹は、この文章をつぎのように結んでいる。
「廟堂(びょうどう)の高きにおいては則(すなわ)ちその民を憂い、江湖(こうこ)の遠きに処(お)りては則ちその君を憂う。これ進むもまた憂い、退(しりぞ)くもまた憂う。然らば則ち何れの時に楽しまんや。それ必ず天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむと曰(い)わんか」
これは范仲淹自身の決意表明であったわけだが、現代のリーダーにも同じことが望まれるであろう。いつの時代でも、人々は「先憂後楽」型のリーダーが現われるのを持っているのである。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
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