備忘録 22-12-16
忠告してこれを善道し、不可なれば則ち止む
――忠告而善道之、不可則止
『論語』
「朋(とも)あり、遠方より来たる、また楽しからずや」とは、『論語』の初めのところに出てくる有名なことばである。孔子の時代は電話などという便利なものが普及していなかったから、それだけ、友人と会う喜びも格別なものがあったにちがいない。
では、友人とのつき合い方について、孔子はどう考えていたのだろうか。あるとき子貢という弟子からそのことを問われて、つぎのように答えている。
「忠告してこれを善道し、不可なれば則ち止む。自ら辱しめられることなかれ」
相手が過ちを犯したときは、誠意をもって忠告するがよい。それでダメなら、しばらく様子を見る。あまりしつこくするのは、自分がいやな思いをするばかりで効果がない、というのだ。
あくまでも相手の主体性を重んじるようとする姿勢なのである。これもまた「君子の交わり」と言ってよいかもしれない。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日も一日顔晴りましょう。