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備忘録 22-11-14

富貴の地に処しては、貧賤の痛癢(つうよう)を知らんことを要す

――処富貴之地、要知貧賤的痛癢

『菜根譚』

地位や財産に恵まれたときは、地位も財産もない人の苦しみを理解してやらなければならない、と言う意味である。『菜根譚』は続けて、

「少壮の時にあたりては、すべからく衰老の辛酸を念(おも)うべし」と語っている。こちらのほうは、若くて血気盛んなときは、年老いて弱りはてたときの辛さを思いやらなければならない、という意味だ。

どちらもつまりは、弱者へのいたわりをもて、人の痛みが分かる人間になれ、ということに他ならない。

そういう思いやりを持った人間は、見ただけで見当がつく。心の温かさが容貌や態度ににじみ出て、いかにも穏やかな人柄を感じさせるのだ。

逆に言えば、立派な人格を形成するためには、人に対する思いやりを持たなければならないということにもなろう。

むろん取って付けたような思いやりではダメだ。要するに心の問題なのである。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

今週も宜しくお願いいたします。

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