「動かぬシュガの腕と肩、でもそんなSUGAさんだから好きなんだ」 BTS MOS ON:E DAY2を見て感じたこと
※11月7日追記
MOSライブから1ヶ月弱の2020年11月6日、weverseにて、ゆんぎさんの健康状態(手術や退院)について公式的に発表があった。そして、ゆんぎさん本人も下記のようにメッセージを発信した。
(一部訳)舞台に立つ人間だから、これまでリハビリ治療や注射で手術だけは避けてきた。しかし何度も悪化を繰り返す状態で、怖い気持ちもあった。
4つのうち3つの病院で「この状態なら手術をするほうが良い」との診断を受け、たくさん悩んだ末に手術を決めた。
手術は無事成功し、気分も良い。一刻も早い回復のために、しばしチームを離れるのは申し訳ないですが、すぐに、すぐに戻ってきます。
この記事は、上記の公式発表の前の10月のMOSコンで明らかに肩を痛めていたゆんぎさんを見て、私が当時感じたことを記したものです。
ー
音楽。ステージ。ラップ。アイドル。ライブ……。
これがあなたのやりたかったことなのだろう。
MOSコンを見て、ゆんぎさんのソロ曲『Shadow』のステージを見て、そう感じた。
MOSコンサート2日目の1曲目。『ON』で登場してすぐに、あなたの左腕は微動だにしなかった。大切な人の身体に何かが起きていると気づき、生きている心地がしなかった。
いや、実を言うと、コンサート1日目に、Tシャツの下に見え隠れするサポーターらしきものを見た。
瞬時に、ゆんぎさんの肩に何かあったのだろうと感じた。
感じたはしたものの、1日目の動きはいつも通りだったし、きっとそれほど重症ではないのだろうと思っていた。以前もONの活動時に痛めていた様子もあったし、慢性的に続いている痛みなのかもと思っていた。
<1日目ライブ直後の公式ツイッターより>
ちがった。
1曲目の『ON』も、2曲目の『NO』も、がっつり腕を振りかざすような振り付けがありながら、2日目に披露されたそれらの曲では、あなたの左腕が上がることは無く、胴体にぴったりとくっついたまま離れなかった。
目で追えば追うほどに切なくて、かといって目が離せなかった。
いろいろな考えが、頭をよぎった。
衣装の不都合? そんなわけないよね、腕の可動域くらい想定して作っているだろうし。
ガチガチのテーピングを施したことで、オープニング急に動かせなくなった?
いや、やっぱり、公演が始まった直後に急に何かが起きたのではないか……。まさに今、急に。
筋肉を痛めたのだろうか。いや、骨の異常か。デビュー前の怪我(脱臼)を再発したのだろうか。もしかして肩ではなくて肘なのか。ひどいと背中まで痛んでいたりもするのだろうか。
いや、きっと良いステージを見せようと、たくさん練習してくれたんだ。その結果痛めてしまったのだろう……。
待て待て。でもそれ以上に、今動かせないことに、準備してきただけのものを見せられないことに、本人が物凄い苛立ちや悔しさを感じているはずだ。
今すでに公演が進行している今、誰よりも複雑な感情なのは、ステージに立っているゆんぎさん本人なのではないだろうか。
そして、他のメンバーはどのように見ているのだろうか。きっと気づいていなかったわけがない。
<ドキュメンタリー動画より、この時ゆんぎさんの口からメンバーへ、過去のケガのことが伝えられた。>
<事実として2日目のお別れの挨拶時、JINくんがゆんぎさんの肩を気遣っているのでは?と思われるシーンもあった。>
……そんなことをぐちゃぐちゃと考えていたら、4曲目くらいのナムさんのソロ曲も全然集中して見られなくて(ナムさんほんとごめんㅠㅠ)。
そして衣装チェンジしたあとの最初の挨拶でゆんぎさんが口を開いた。
'안녕하세요~ 슈가 입니다!!'
こんにちは〜シュガーです!
'사실 내가 오프닝 무대에서 어깨가 불편해서 안무를 제대로 못했는데’
実は僕がオープニングのステージで肩が不自由で、予定通りの振り付けができなくて
‘절대 걱정하실 정도는 아니니까요'
本当に心配される程度のことではないですからね。
ゆんぎさん。。
嘘だ。。
反射的にそう思った。
ゆんぎさんから発せられた声は、何故かいつもよりも数倍パワフルで明るかったような気がする。
やっぱり何か違う。その瞬間、ゆんぎさんの言葉を素直に受け入れることはできなかった。
でも、その次の상남자(Boy In Luv)からは、全身いつものように動かしていた。いや、いつも通りなのかはわからない。私たちには見せない不都合はあったのかもしれない。それでも、腕は動いていた。ちゃんと。
そうしてゆんぎさんのソロ曲『Shadow』、私の大好きな『UGH』と、ゆんぎさんの魅力が爆発するステージは続く。
<UGH時の完全なラッパーゆんぎさん(1日目の画像)>
メンバー内では比較的細くて小さな(だけど実はがっちりとしている)その体を、めいいっぱい使って、あなたは音楽を表現をする。
リズムと、歌にのせたメッセージを、その声と全身で精一杯表現する。
私はそんなステージが大好きだ。
ゆんぎさんの言葉も、身体も、この時は全く信じられなかった。あなたは痛みや弱さを見せたがらない、それでいて不器用な人だから。
そして、不器用なくせに、人一倍周りに気を使うから。
でも、あなたが表現するそのステージ、その姿だけは素直に信じられた。
2時間半に及ぶ素敵な公演が終わり、一緒に見ていた友達と余韻に浸りながら、それでもやはりゆんぎさんへの心配とはモヤモヤした感情は、私の中で消えることなく彷徨っていた。
「「心配するほどじゃない」」、その言葉だけが頭に残って離れない。
見るなと言われれば見たくなるし、心配するなと言われれば余計に心配になる。それが人間の心理ってもん。
今ゆんぎさんはどんな気持ちなのか……と夢うつつの状態で感情をモクモクとさせていたところ、SNS(weverse)に「신난다아(楽しかったあ)」とセルカが上がった。
<weverce投稿に重ねて、公式ツイッターへも「また会いましょう」と投稿してくれていた(weverseのは上げられないので)>
え、、、、ゆんぎさん。
投稿が早い。ライブが終わってまだ1時間ちょっとなのに。
普通終わった後って、みんなで記念写真を撮ったり、着替えたり、シャワーしたり、化粧を落としたり、ご飯を食べたり、ストレッチしてもらったり、ライブ後にやることもたくさんあるはずなのに。ましてや最終日なのに。こんなに早く来てくれるのか。
ファンが心配していると思ったのか、「俺は元気だよ」「大丈夫だよ」と強く伝えたかったのか。
いつも通りの、きっとアプリで顎がシュッと加工された(w)であろう可愛らしいセルカと、屈託のない笑顔で。ゆんぎさんらしく、言葉数は多くないけど、そのディテールでたくさんのことを伝えてくれるような投稿。
だから、「大丈夫だよ」なんて言われたら、余計心配になるんだってば……。
それを私の頬を伝った涙は、悲しい気持ちを含んだ涙なのか、嬉し涙なのか、自分でもわからなかった。
その日の夜中になって、アミの子たちが上げていた動画を見て。あぁやっぱり『ON』の時は腕動いてなかったわって再確認した。しなくていいのに、わざわざ検索して探して、確認しちゃった。
世界一かっこいいのではと思うほどの『UGH』のステージも見返した。
ライブ後半のぴこぴこと動く可愛いユンギさんのGIFもたくさん見た。
<かわいすぎるて・・・>
もうここまでくると、辛いんだか、幸せなんだか、苦しいんだか。感情はぐちゃぐちゃのまま疲れて眠りについた。
夜が明けて月曜日。外の天気は昨日までと打って変わって、青空が広がる晴天の日だった。
天気と連動して私の心も徐々に晴れて、複雑だった頭の中も時間のおかげで少し整理されて、なぜだか大好きなゆんぎさんの言葉も素直に信じたくなっていた。
*
最後の挨拶の時、「僕は音楽をする人間で、ステージに立つ人間だ」「音楽とステージがさらに好きになった」と、1日目も2日目もゆんぎさんは近しい意味の言葉を放った。
彼自身が、自分はそういう人間だったはずなのに、忘れていたそのことを改めて感じたんだと。
ライブから一夜明けて、その言葉をやっと、噛み締めるように聞き直した。自然と心に染み渡った。
そうだ。そうだよ。
私はゆんぎさんが本当に音楽が好きな人で、寝食も忘れるくらい音楽に没頭してしまう人で、音楽のためなら睡眠だけじゃなく命を削るくらいの覚悟を持って前進できる人だと知っている。
デビュー前まだ大邱に住んでいた時も、ソウルに上京してからも、生活が苦しいことは一切言い訳にせずに、音楽をやりたい一心でここまで来た人だ。
事務所では、気づいたら朝までGENIUS LAB(ゆんぎさんの作業室)にいて夜通し作業してしまうような生活リズムで。
直近のIN THE SOOPでも誰にやらされるわけでもなく1人でキャンピングカーに籠もって作業をしていた。ノリから生まれたSOOPの主題歌を、速攻で編曲して。それも1人で爆笑しながら。
そう。どんなに苦しいことや大きな壁があっても、”ただただ音楽が好きで音楽をやりたい”というその一心で、走っている。そんなゆんぎさんだから好きになったんだ。
改めてそう思った時に、肩を痛めながら「心配するほどじゃないと」言って何事もなかったかのように歌って踊るゆんぎさんを、そのままマルッと愛おしく感じた。
「なーんだ、そうだよ。やりたいことをやり通してる、大好きな音楽をやってる、いつものゆんぎさんじゃん。」
<SOOPで個人部屋の代わりとして使っていたキャンピングカー内で曲の作業をするゆんぎさん(ほんとうに可愛いw)>
痛いことも苦しいことも、きっとこの人にとってはすべて求める夢のための通過点。辛い表情を見せずに走り続けるのは、むしろこの人らしいじゃん、と。
いちファンの分際で、決して直接会話をした経験なんて無いし、お前に何がわかるんだと言われればそれまでですが。なぜだかそう思えて仕方なかったのです。
きっと相当痛かったんだと思う。苦しかったんだと思う。それは紛れもない事実でしょう。
でも、ゆんぎさんはそんな状況下でできる最高の音楽を披露してくれた。ゆんぎさんが望んでいたのは、そうやって披露する音楽や公演を見た人が楽しんでくれることだ。
そんなゆんぎさんが大好きだ。
そんなゆんぎさんだから大好きなんだ。
改めて、本当に楽しくて、本当に幸せを感じられるコンサートでした。ゆんぎさん、BTSのみんな、ありがとう。
ゆんぎさん、ほんとに大好きです。
ー
※追記
DAUMニュース
weverse 公式告知
weverse ゆんぎさんの投稿
https://weverse.io/bts/artist/1643176028306523
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?