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「本当にインフレは起きているのか」セントルイス連邦準備銀行 デイビッド・アンドルファット氏

デイビッド・アンドルファット氏(David Andolfatto)は、アメリカセントルイス連邦準備銀行研究部門のシニアヴァイスプレジデントです。経済学者としての経歴も長く、カナダの大学に20年間勤務した後の2009年に連邦準備制度のために働き始めました。今回は貨幣論とBitcoinの関係や、銀行システムと暗号通貨システムの関係についてお話していただきました。

インタビュー日 : 2021年2月2日

M2のマネーサプライが増加するメカ二ズム 

1980年に連邦政府は金融政策を金利政策に変更しました。したがってM2のグラフはマネーサプライではなく、主にお金の需要を反映しています。

グラフの上昇は、お金の需要が急激に増加したということを意味します。たとえば2020年初めに急上昇を見せていますが、これはコロナ禍が始まってありとあらゆる企業が銀行から現預金を引き出したということを表しています。

また、たとえばある企業が100万ドルの融資をしてもらった場合、その企業は突如として預金口座に100万ドルの預金を保有することになります。これもお金の需要ですので、我々の見ているデータに反映されるというわけです。

つまり銀行は、人々や企業にとって需要のあるお金を作り出したのです。また、もう1つ考えなければならないのは、政府がパンデミックを克服するために大量の国債を発行しているということです。この国債の発行も、お金の需要の増加と同じで、M2のグラフの上昇要因となっています。

連邦準備制度(FRB)も、限りなく0に近い金利を設定していたことを思い出してください。コロナの危機以前と比べると、安全な有価証券とされる金利もかなり下がったと言えます。したがって当座預金にお金を預けておくのにかかる機会費用はもはやそれほど大きくありません。

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