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商品を1ミリも変えずに売上を増やす方法
こんにちは。鈴木貴之です。
ある会社がある大学の研究室で生まれた新しいタイプの殺鼠剤のレシピを購入し、売り出すことにしました。
繰り返し使ってくれて、かつ緊急度が高いターゲット層として農家を選び、マーケティング活動を行い、販促しました。
でも結果は・・・会社としてはほとんど売上なしとも言える状況。
色々とテストしますが、結局はその原因は分からず。
そうこうしているうちに「このお金に手を付けたらいよいよ廃業だ」というところまで状況が悪化。
もうお手上げだ・・・というところまで行って、ようやく彼らはその原因を発見します。ほとんどアクシデントのような状態で・・・。
さて、この会社が殺鼠剤を売れなかった理由は何だと思いますか?
この新しい殺鼠剤はネズミが巣に持ち帰り、他のネズミも食べるので、巣の中のネズミを根こそぎ殺してしまうというもので、対処療法的なものとは異なる画期的なものだったのです。
ネズミは警戒心が強く、毒見役がいるので新しい食べ物を食べる際は必ず毒見役が最初に食べます。その結果毒見役が死んだらその食べ物は食べない習性があります。
だから、それまではネズミの巣を根こそぎ退治するのは難しかったのですが、この殺鼠剤はそれを克服したものでした。でも売れなかったのです。
ターゲット層である農家に売れなかった理由・・・それは、この会社はこの新しい殺鼠剤を売るのにカラフルな箱を使っていたことです。
その箱の上には『殺鼠剤』と大きな字で書かれていて、その箱を買うと何を買っているのか分かるようになっていたのです。
ここまで言うと勘の良い人は気づいたかもしれません。
そうです。それこそが問題だったのです。
農家は「自分がネズミによって困らされていること」を誰にも知られたくなかったのです!!
その会社がこのことに気づいたのはカラフルな箱が無くなってからでした。
お金がなかったので、商品を普通の箱に入れて売るしかなかったのです。
その結果どうなったかと言うと・・・その殺鼠剤は飛ぶように売れていきました。
さて、このお話から私たちは何を学べるでしょうか?
最も大事なことは、「見込客のことを知らないと知らず知らずのうちに自らブレーキを掛けてしまっている状態になる」ということ。
多くの場合商品が売れないと、経営者は「商品が悪いんじゃないか?」と思ってしまいます。
だから、あれこれ商品を変えようとします。
原因が箱にも関わらず・・・。
この場合、中身が変わっても箱は変わらないので売れるはずがないのです。中身は開けないと分からないのですから・・・。
あなたは、自分の見込客・顧客についてどれくらい知っていますか?
もし「あまり自信がない」という場合は知る為の行動をしましょう。
そしてもし「そもそもどうしたら知ることができるの?」という場合は、下記の電子書籍をお読みください。
多くの経営者は商品についてよく知っていますし、愛情を持っている人が多いです。
でも大事なのは、顧客。彼ら・彼女らについて知ることです。
そうすることで「買わない理由」が分かります。そして「買わない理由」をひとつひとつつぶしていけばいずれは買ってくれるようになるでしょう。