
【復習】2025年相場展望トランプ政権下のドル円急変シナリオを徹底解説
今年のドル円相場は、大きな転換点を迎える可能性が高まっています。
特に注目したいのは、トランプ政権下での3つの急変シナリオです。
現在のドル高円安基調は継続するものの、どこかで大きな流れが変わる可能性を秘めています。
具体的にどのようなシナリオが考えられるのか、詳しく見ていきましょう。

■シナリオ1:トランプ政策の実現性リスク
トランプ氏は関税引き上げ、減税、規制緩和を政策の柱としています。
これらはすべてインフレ要因となり得るため、現在までドル高が進行してきました。
しかし、1月20日の就任後は「期待から現実」のフェーズに移行します。
特に注目すべきは、減税による財政収支への影響です。
減税政策は政府の税収減少を意味し、これは債務上限問題と直結します。

3月には再び債務上限問題が浮上する可能性が高く、トランプ政権がこれをスムーズに解決できるかが焦点となります。
仮に債務上限引き上げが難航した場合、トランプ政策への期待は剥落し、ドル売りが加速する可能性があります。
■シナリオ2:為替政策への言及リスク
前回のトランプ政権時代、大統領自らがTwitterで「ドルは高すぎる」と発言し、市場が大きく動揺した経験があります。
興味深いことに、現在のドルの動きは2016年当時と酷似しています。
トランプ氏は米国製造業の競争力維持のため、再び為替介入を示唆する可能性があります。

特にTRUE Socialでの発言には要注意です。
一言で相場が大きく動く可能性があるためです。
■シナリオ3:米国景気の失速リスク
現在、米国経済は堅調を維持していますが、トランプ氏の関税政策が本格化した場合の影響が懸念されます。
最近の製造業ISMの改善は、関税引き上げ前の駆け込み需要による可能性があります。
この効果が剥落すれば、景気の実態が見えてくる可能性があります。
特に雇用統計の悪化は要注意です。
これが顕在化すれば、FRBの利下げ観測が強まり、ドル安方向への転換点となる可能性があります。

現時点では引き続きドル高・円安基調を維持する可能性が高いものの、上記3つのシナリオについては常に意識しておく必要があります。
具体的な転換点としては以下を監視します。
・債務上限問題の進展状況
・トランプ氏の為替に関する発言
・雇用統計を中心とした経済指標の動向
ただし、円高方向への完全な転換は考えにくい状況です。
日本の貿易収支・サービス収支の赤字継続、企業の海外M&A需要などが、構造的な円安要因として存在するためです。
