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経営改善のツボ②資金繰り表の作り方
経営改善のツボ、今回は資金繰り表の作り方についてご説明します。
資金繰り表とは
資金繰表とは、過去、会社の資金がどのように回ってきたか(実績)、そしてこの先どのように回っていくか(予想)を表す表です。
多くの中小企業で、「資金繰表」を作っていない、または作れないため、資金の「入り」と「出」が予測できず、いつ資金が足りなくなるのかが把握できていません。
正しく作れば、自社の資金がいつ足りなくなるのかを把握して手を打てるようになります。
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フォーマットは取引銀行でもらえます。また、インターネットでひな型をダウンロードできます。
手書きかパソコンで打つかは自由です。パソコンだと毎月いちから記入しなくてもよいため加筆や修正が便利です。また、手書きで書くことで経営者の頭に数字が入る、という方もいらっしゃいます。
資金繰り表作成のポイント
1. 期間を決める
まず、資金繰り表の対象期間を決めます。一般的には、月単位で作成することが多いですが、週単位や日単位でも作成できます。長期的な視点と短期的な視点を組み合わせると、より効果的です。
2. 現在の現金残高を確認する
資金繰り表の作成を始める前に、現在の現金残高を把握します。これがスタート地点となります。
3. 収入の項目を洗い出す
次に、期間中に見込まれる収入をリストアップします。これには、売上、売掛金の回収、その他収益などが含まれます。各収入項目の発生日と金額を具体的に書き出します。
4. 支出の項目を洗い出す
収入と同様に、期間中に発生する支出もリストアップします。これには、仕入れ代金、人件費、家賃、光熱費、借入金の返済などが含まれます。各支出項目の発生日と金額を具体的に書き出します。
5. キャッシュフローを計算する
収入と支出を日付順に並べて、各日ごとのキャッシュフローを計算します。具体的には、各日の収入合計から支出合計を引いて、その日の現金の増減を求めます。
6. 現金残高の変動を追跡する
日々のキャッシュフローを累積して、期間中の現金残高の変動を追跡します。初日の現金残高に日々のキャッシュフローを加算・減算していくことで、各日の現金残高を把握します。
7. 資金不足の対策を考える
資金繰り表を作成すると、現金が不足する日が見えてきます。その際には、事前に対策を考えておきましょう。例えば、借入を検討したり、支払いを遅らせたりすることが考えられます。
8. 定期的に見直す
資金繰り表は一度作成して終わりではありません。定期的に実績を反映させて更新し、現状と計画のズレを修正することが大切です。
資金繰り表の作成の例
期首が9月で8月が期末である会社の例です。
9月~1月まではすでに終わった「実績」。2月~8月までは「予想」。
このままいくと、8月末には35 万円が足りなくなることが予測されます。
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いかがでしたでしょうか?以上が、資金繰り表の基本的な作り方です。しっかりとした資金管理を行うことで、経営の安定性を高めることができます。