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【私的Disc Review-001】Belmonte & His Afro Latin 7 ‎– Olé!

Belmonte & His Afro Latin 7 ‎– Olé!
Label : Philips ‎– PD-10001
Format : LP
Release : 1976
Genre : Latin

梅雨時の金沢は気圧が低くなるのか?天候によるものなのか?気分的なものなのか?偏頭痛持ちじゃないけれど、やけに頭痛がひどい日がある。自分の場合は頭が重くなる感じで気分が滅入る。そんな時は近所の銭湯のあつーい風呂に浸かるに限る。スカッと爽やかにさっきの頭痛と鬱々とした気分が晴れてしまう。
我家の近所には3軒の銭湯が営業してて、それぞれに特色があるがやはり同じ町内の「くわな湯」が一番好きだ。金沢一熱い!と言われる銭湯で、番台のばあちゃんの帰るお客さんへの「ありがとうっ!」と言う挨拶がまたなんとも良い。その良さは言葉では現しづらいけどラブリーな気分に近いかも。
自分の中では今までの人生で幾多も聞いてきた「ありがとうっ!」の中でもトップランキングに位置するくらいだ。番台に座るばあちゃんの佇まいと風呂上がりのほんわかした気持ちもセットでトップランクの「ありがとうっ!」だ。谷村新司なんか到底目じゃない。
これを読んでおられる方でもし金沢にいらした際はぜひこの「ありがとうっ!」を体験していただきたい。あっ。「ありがとうっ!」狙いだったら出る時、ばあちゃんにこちらから「ありがとうっ!」って先制した方がいいかも。たまに気が付かない時あるから。金沢一熱い風呂に浸かった後のこの「ありがとうっ!」は一服の清涼剤だ。

あまり知られてないけど、実は金沢は銭湯天国で市内のあちこちに銭湯がある。徐々に減ってはきてるものの、古い家が多いので風呂なしの家も多く実際近所でも何件かそういう家がある。それから風呂好きが多いかも。家に風呂あるけど毎日通ってる人もいる。市内から車でちょっと行けば源泉掛け流しだののいい日帰り温泉もあるけど、金沢の街中の情緒を感じるには銭湯巡りは旅のコンテンツとしてはうってつけだと思う。駅の観光案内所に銭湯組合のマップがあるのでそれを参考に。確かスタンプラリーなんかもやってたような気がする。

マクラ話はこの辺にしておいて、最初の1枚目は何にしようかなーと思っていたのだが「熱い」繋がりでLatinなんかどうかな?と思い選んだ。
今回選んだ一枚は市民芸術村でのマニアックなパーティー(詳しくはこの記事を参照ください。)でも好評だったこのアルバムにしようと思う。
アーティストのバックボーンだとかの詳しい背景的な部分は実際このアルバムを手にすれば解説してありわかることなので、自分の想像力からくるアルバム全体の感想とDJ的な感覚で1曲をピックアップしてご紹介する。

Belmonte & His Afro Latin 7 ‎– Olé!
Bass – Edward Rivera
Bongos – Orestes Vilato
Congas – Frank Rivera
Engineer – David Baker
Guitar – Harry Viggiano
Percussion – Pablo Rosario
Timbales – Nickie Marrero
Piano, Leader, Arranged By – Larry Harlow
Producer – Ivan Mogull
Recorded Juli 26, 1976 at Media Sound Studios New York, N.Y.

まずこのアルバムはダイレクトカッティング盤である。
スタジオの空気感がそのまま入っている。
ダイレクトカッティングというのは、通常であればスタジオで演奏したものをマルチトラックのオープンリールのテープに録音しそれを再生してミキサーで音を整えてからマスターテープを作り、マスターテープを再生しながらカッティングマシーンと言うレコードをプレスするための型を作る機械でツルツルの溝が掘られてない盤に専用の針で溝を掘っていくのだが、ダイレクトカッティング盤はその名の通り演奏してるそばから溝をダイレクトに掘っていくという、、、。余計な機材を省いてる分だけダイレクトに生々しいレコードが出来てしまうという。

https://www.youtube.com/watch?v=pFliI2iPFNI&t

ジャマイカなんかだとダブプレートって言って、ダブプレート制作依頼者がアーティストに直接ギャラ払ってスタジオ代も払い世界に一枚しかないレコードを作ることができるジャマイカ特有のシステムで、昔から頻繁行われてるんだけどスタジオでオケ流してDJ(MC)やシンガーなんかがその場でダブプレート制作依頼者の名前を即興で入れたり、替え歌にしながら自分のヒット曲を歌いその場でレコードをカッティングする。これもいわばダイレクトカッティングだ。
そこから型をおこしてしまえばレコードプレスして量産できるわけだけど
依頼者が自分のために作ってDJで使うのでそんなことはしない。権利の問題もあるけど。

https://www.youtube.com/watch?v=ruZKcivk9CE

意外なところではこの間なんかで知ったんだけど、戦争終結の時に流れた玉音放送。あれもあらかじめダイレクトカッティングしてレコードをラジオで放送したらしい。
まあ当時はテープなんてものなかったから音を記録するにはその方法しかなかったんだろう。


ダイレクトカッティング盤って昔に一世風靡したのか色々出てて、すごく探しまくってた時期がある。いまだに何枚か手に入れたいものもあったりする。

掘った溝は取り消せないので一発録音の緊張感。スタジオの空気感。それまでもがあからさまに録音されて生々しさ倍増。そして感動も倍増!もちろん音質もいい。


このアルバムは他のダイレクトカッティング盤とは少し趣が異なっている部分があるように思う。これはあくまで聴いて自分で想像して感じているだけだけども、、、。
終始演奏全体の中にラティーナ特有のリラックスな雰囲気がある。もちろん所々に緊張感もあったりするんだけど「ミスったらまた録り直せばいいかね。」みたいなそんな雰囲気までもが録音されているように思う。ホントいいアルバムだ。

このアルバムどんなシチュエーションで聴くか?
妄想いっぱい膨らませるに、、、。
晴れた日曜の昼下がりにマンションのテラスなんかで「明るいうちから酔っぱらってやろう」って決めてラム強めのモヒートなんかやりながら、、、。なんて良いだろうなあ。ビールではないな。
やはり間違いなく南米の酒がいい。小さめのグラスに氷いっぱい入れてダークラムのロックなんかもいいねえ。

DJの時このアルバムから1曲選ぶとしたら、このアルバムどの曲もシチュエーション次第でかけられる。
今までDJでかけて盛り上がった曲ということで選んで紹介しようと思う。

A面:1曲目 Peanut Vendor
https://www.youtube.com/watch?v=WAiIvziv1cs


アルバム1曲目からこの「ミスったらまた録り直せばいいかね。」感。
たまんないね。

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