『デカメロン』読書メモ(第1日目)
ペスト禍を逃れて、女性7人と男性3人が町から離れた別荘のようなところに集まり、1人が1話、1日10話ずつ10日間物語を語っていく。
ペスト禍の様子は真に迫っていて当時の様子がリアルに感じられるけど、学術的、ジャーナリスティックな観察というより、俗っぽいというか庶民の目線というか。
第1日目は第1、2、4話など、語り手はキリスト教や神のすばらしさ偉大さについての話だというのだが、中身はあきらかに聖職者の堕落、腐敗についての話。笑いは物事や観念を相対化してひっくりかえしたりすることで生まれるから、著者ボッカッチョがそういう視点で当時の世間の価値観を見ていたのは間違いないと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?