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【NYY】"Little Randy" Henry Lalane !!!

1990年代後半から2000年代前半に渡って圧倒的な支配力を見せた先発左腕,Randy Johnson。35歳であった1999年シーズンから4年連続でサイヤング賞に輝いた実績は唯一無二。そんなJohnsonを彼たらしめたのがその巨躯ではないでしょうか。身長208cmと長いウィングスパンによって生み出されるボールのスピードやエクステンションは驚異の一言。そこに特徴的なアームアングルとハイクオリティな変化球を織り交ぜたのであっては太刀打ちできないでしょう。

Johnsonの強烈なインパクトは今なお健在で,プロアマで高身長の左腕投手が登場する度に「ジョンソン2世」「Little Randy」と持て囃すのは日米共通でしょうかね。(実際にそういったHypeを受けて先発投手として実績あるのは現状Chris Saleただ一人な気がします。。。)

雑な導入ではありますが,現在のヤンキース傘下において「Little Randy」と称されている才能が1人。2021年の国際FAにて加入した身長201cmの左腕Henry Lalane(ヘンリー・ラレーン)です。

Lalaneはドミニカ国籍を持つために国際FAで契約しているものの,父親がニューヨークのセント・フランシス大学でバスケットボールをプレーしていたこともあって,なんと生まれはブロンクス!その恵まれた身長も父親譲りでしょうかね。
しばらくはドミニカ共和国で育ちますが,6歳の時にブロンクスへ帰郷。その当時からニューヨーク・ヤンキースの大ファンとなったようで,NYYとの契約を果たした際には歓喜していたそうです。

2年後に再びドミニカで生活することとなりますが,そこから本格的に野球をプレーし始め,Javillla Academyに加入します。そこで投手の才能が開花すると,米国国籍も二重で保有していることを生かしてWWBA 16U サウス ナショナル チャンピオンシップなど多くのトーナメントにも出場。15歳の時点で82mphを計測していましたが,1年後のWWBA世界選手権においては92mphをたたき出すなど大成長。年齢に対して完成度の高いカーブも相まって,スカウトの注目を集めました。

2021年5月に念願のヤンキースと契約を果たし1年目のシーズンを傘下DSLで過ごすと年上の選手相手に及第点のパフォーマンスを披露。12先発で41.1回 ERA3.70 39奪三振 K/9=8.49とポテンシャルの高さをアピール。ただしBB/9=5.44は危険水準であり,それこそかつてのRandy Johnsonのようにコマンドに課題を有した1年となりました。

そして同じくDSLで迎えた今季の2年目シーズン,課題であったコマンドを劇的に改善させ,8先発 36.1回 ERA2.72 40奪三振 10四球と躍動。BB/9=2.48は今後も先発投手として起用を受けるには十分すぎるスタッツですよね。

7月30日には4回を投じてノーヒッター。その後の2人も継投ノーヒッターを達成する快挙も果たします。なお,対戦相手は同じNYY傘下のDSL Bombersというね。

現時点でフォーシームは90mph後半を記録しており,18歳になったばかりであることを考慮しても伸びしろは大。球質を見るにノビのある真っ直ぐというよりもやや垂れるシンカー成分が多め?
かねてより持ち玉としていた80mph台のカーブは,スリークォーター気味のアームアングルを考慮すると縦変化が大きい気がしますし,更に空振りを狙える下方向の角度を付けられるようであれば面白い気も。
ここにスリークォーターとも相性よさげなスイーパー気味のスライダーを習得すれば更に武器が増えそうと睨んでいます。そもそもアッパークラスではこのカーブをメインに投げ抜くのは厳しい感じもするので,Low-A昇格後あたりにスライダーなどの新球種習得はマストじゃないかなと。一応チェンジアップも持ち玉としてありますが,,。

ただ,現時点でも年齢超のパフォーマンスと,それを凌雅するポテンシャルの高さを抱えているのは明らかで,TDLによって投手デプスが開けたNYY傘下において著名な存在になっていくことは間違いないかと。とはいっても既にYesで取り上げられているので著名っちゃ著名ですかね。生い立ちがA-RODにやや似てるのも好きになっちゃいますよね。

以上,NYYの5年後の左腕エースについてまとめました。同じくDSLで圧巻の投球を見せている201cmのCarlos Lagrange(カルロス・ラグレンジ)とともにMLBローテで見られる日は来るのでしょうか。
打者ではLalaneと共にオールスターに出場したKeiner Delgado(カイナー・デルガド)がDSLトップクラスのスタッツをたたき出しています。来年が楽しみ。

■2023年12月5日追記
本noteを作成後の2023年、FCLを支配したのは紛れもなくLalaneでありました。本日公開されたBaseball Americaの傘下内ランキングにおいては8位につけるなど、彼の存在感は日に日に高まっていますよね。特に同サイトのライター・Josh Norrisからは「1年後にはAriasとLalaneがNYY傘下の№1プロスペクトを争っているのでは」とのコメントも。BAはLalaneをかなり気に入っている様子で、ちょいと前には「Lalaneが今後MLB最高のピッチングプロスペクトになるポテンシャルを秘めている」的なニュアンスのことも言っていました。

出典)


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