【NYY】Re:Re:Re:Bronx【救援展望】
ロックアウト明けの動き次第ではありますが,現状NYYの弱点を上げたらキリがありません。特に遊撃手と先発2番手,可能であれば一塁手と中堅手の補強を進めたい思惑があるでしょう。去年開幕時点であれば補強を諦め,リビルドに移るプランもあったでしょうが,ミッドプロスペクトをつぎ込んでGalloを獲得してしまったために2022年もコンテンダーとして動かなければいけないことが確定しています。
そんなボロボロNYYの中でも唯一計算できる強みになるのではと睨んでいるのが救援陣。近代ヤンキースの歴史を見ても常にストロングポイントではありましたが,2020年シーズンはOttavinoの不振,KahnleのTJ手術,Chapmanの離脱などもあって防御率3.00以下のリリーフがBrittonのみという事態に。そのBrittonすらも2021年開幕前に肘を故障するなど,かつての盛栄とはほど遠い状況でありました。
しかし2021年シーズンが終わってみれば,中継ぎ投手のfWAR7.9(MLB3位),xFIP3.78(MLB1位),ERA3.56(MLB4位),K/9=10.02(MLB5位),BB/9=3.36(MLB6位)と多くのスタッツでMLB最上位の成績を残すこととなりました。
来季も不良債権のChapmanとBrittonの放出以外には陣容をイジらないはずですので,甦った救援陣の「こうなってくれたいいなぁ」的な展望を少しだけ。
(前回の打順編も参考までに)
①アクティブロスター(リリーフ)
②ゲームクロージングを2枚制へ
2016年にNYY入りし,CHCへレンタル移籍した後もリーグ最高クラスのクローザーとして活躍していたChapmanも,ここ数年は年齢による球速の衰えや怪我が顕著に。
ここは中継ぎ転向で覚醒を果たしたLoaisigaとともに9回を担う形が良いのかなと感じています。もちろんハイレバレッジな場面であれば7,8回に顔を出してもおもしろいと思います。
思い切ってLoaisigaを一本立てのクローザーに置くことも考えましたが,彼はChapman以上に怪我のリスクを抱えたプロスペクトであったことも考慮し,Chapmanと分業にすることで負担の少なく&抑失点能力が必要な9回に置くことができるのかなとも。同様の理由で彼ら2人をスィングマンには置けないんだろうなとも感じています。
仮に9回に追い付かれて延長に突入してもいずれかがブルペンに残っていることもgoodですね。
③ムービングボーラーで7,8回を制圧
2015年を最後にMLBの舞台から遠ざかっていた34歳のLuetgeと,シーズン途中にPITから加入したERA4.93,BB/9=5.36のHolmesがあれほどまでに活躍を見せるとは全く思わなかったですよね。
2人が共通していたのは圧倒的なBB/9の低さでしょうか。HolmesはNYY移籍後に1.29,Luetgeは1.87を記録するなどストレスフリーな投球内容を見せていました。
安定感はもちろんのこと,Holmesは90mph後半のシンカー,Luetgeは80mph後半のカッターをそれぞれ直球の代わりに投じているムービングボーラーで,それぞれ利き手の同じ打者に対しての被打率は1割代を誇ります。
7,8回の相手打順の巡りを見て,HolmesとLuetgeの順番を変えることができればアドバンテージを取れるのではと思います。
Luetgeは35歳でシーズンを迎えるなど年齢がネックでありますが,カタログスペックを見ても平均球速はもともとリーグ最低クラスという内容ですので,コントロール&コマンドや変化球の回転数が大幅に落ち込むことが無い限りは安心かと思います。それでもハイレバレッジな場面が難しいというのであれば百戦錬磨のGreenをねじ込めば体裁は整うはず。なんだかんだGreen無しにはNYY投手陣は成立しませんね。
④ブレイク必至の巨漢ハイヒーター
昨シーズン,既にブレイクの片鱗を見せていたRidings。200cm超えの体躯から繰り出される速球は100mphを記録することはしばしば。時にはそのハイヒーターをコーナーにまとめることもできるような希有なパワーアームです。
複数回跨げるタフなタイプというよりは1イニングを全力で抑えるタイプの投手だけに,先発投手が投げきれなかった5回や6回を上手く繋いでくれるとよいのかなと思います。もし上手くいかない場合はGreenがなんとかしてくれます。
⑤両腕ともに選択肢は多彩
ここまでで6名となりましたが,中継ぎを計8名とした場合にはあと2名をアクティブにできるわけで,左腕をもう1枚となればマイナーリーガーとのトレードで獲得後,高い空振り率を武器にERA2.95を記録したPeraltaと,TEXから移籍後にERA2.84と躍進を遂げたRodriguezの2人が考えられます。在りし日のSabathia程ではありませんが,ふくよかなボディからしぶとくピンチを切り抜ける姿で人気を得たPeraltaも良いですが,xStatsを勘案するにRodriguezの方が化ける気も。
ただ,ロングリリーバーとしてなら体力のあるPeraltaを推したいところですので,チームの先発状況に応じて役割分担をしたいですね。
ダークホースでJP Searsも挙げておきますが,よっぽどのことがない限り彼は開幕を3Aで迎えるんじゃないかなと思います。
そして右腕であれば何年もプロスペクトとして鎮座したKingと,今季マイナーで大ブレイクを果たしたMarinaccioの一騎打ちでしょうか。Kingは今季も序盤は低調で,7月までERA5点代に終わり,指の怪我が重なって降格となりました。しかし9月に昇格すると一転,7登板(14.2IP)で14K ERA0.68と別人のようなパフォーマンスを披露。元々先発投手であったこともあり,敗戦処理や延長戦要員と,four-to-six out firemanを担える若手を計算に入れられるのは大きなプラス材料でしょう。もちろん先発投手の状況によってはオープナーやブルペンデーでの先発起用も辞さないと思います。
ラストピースとして名乗りを挙げるのがRon Marinaccio。彼は昨季のYankees傘下投手でトップクラスの活躍を見せ,ルール5プロテクトに伴ってロスター入りを果たした26歳です。
Yankees傘下あるあるですが,彼もマイナーリーグが休止となった2020年シーズンにトレーニングを積んだことで飛躍の足掛かりを得ました。磨きをかけた90mph後半(最高100mphという話も)の速球とスライダーに加え,NYY傘下最高級の変化量とも評されるチェンジアップを武器に2A-3Aの66.1イニングで105奪三振&奪三振率14.2を記録しました。Kingが去年の序盤レベルに打ち込まれることがあればすぐにMarinaccioを試すようにしてほしいですね。
もちろんKingとMarinaccioではなく,RodriguezとPeralta両名をアクティブロスターに置くことも全然あり得る話かと。(その逆はまずないでしょう)ここで挙げた4名それぞれのクオリティを見て,誰を使っても大失敗に終わることはないのかなーと踏んでいます。長期的に見るならば30歳代の左腕コンビよりもまだ脂の乗り切っていない右腕二人に奮起してほしいところですね!
⑥総括
以上のことから,いくつかのパターンでの継投が考えられます。
先発投手が3-4回までいければ勝ち継投に繋げるかなといったところ。Greenを意図的に省いているのは,継投が失敗した際のグルーガイ要因として計算しているからですね。左腕コンビについても継投の中で考えるより,打順の巡り優先で考えているので乗っけていません。
個人的にMarinaccio⇒Ridings⇒Luetge⇒Holmes⇒Loaisigaの継投とか見てみたいですね。100mphボーラに挟まれるLuetgeとか絶対打たれないと思います。
最後に
かつての希望,Brittonはとんでもないくらいの評価急落で退団を迎えそうですね。2018年TDLでの加入は私にとって忘れられない出来事だけに残念な限り。Chapmanと共にここまでの不良債権になるなんて2年前まで夢にも思いませんでした。
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